65 茨城 VS 千葉
「釣れましたね。マリコさま。」
「そ、そうね・・・。」
「大丈夫!? すごい汗よ!?」
栃木を攻め取った茨城のマリコ・常盤子ペア。しかしマリコは、木炭を食べピンチに直面していた。
「頼むよ!? この子じゃ話にならないから、あんたに戦ってもらわないと、茨城は負けちゃうよ。」
日立の家電メーカーのおっさんは、気が気でなかった。
「常盤子ちゃん、今度は茨城県に攻め込むよ。」
「え?」
「千葉県は、領土を増やしたつもりだろうけど、2人が1人になってしまったんだ。」
「本当だ!?」
「なぜ、この大会が2人のペア戦か分かる?」
「・・・わかりません。」
「2人の友情・勇気・信頼・絆を試しているんだよ。」
「え?」
「過信や自惚れ、嫉妬や妬みがあると2人がバラバラになると、1人になっちゃうと2人がかりの敵には勝つことはできない。だから私は常盤子ちゃんと一緒に栃木に攻め込んだんだ。」
「ええ!? 私なんて、ただの足手まといなのに!?」
「そんなことはない。体調の悪い、今の私を守れるのは、常盤子ちゃんだけだよ。」
「私だけ!?」
「茨城に千葉から増援が来る前に、倒してしまうんだ!」
「はい! 私、戦います!」
ビビりな常盤子の中で何かが変わり始めた。マリコという自信過剰な友達を得たことで、確かに常盤子は自分の中で使命感のようなものが芽生えていく。
「茨城 VS 千葉」
会場の大型スクリーンに表示される。
「おお!」
会場のお客さんが歓声をあげる。
場所は、茨城県の霞ヶ浦。
「あは? 本拠地を空白にした、アホ共が帰って来たな! ここはもう千葉県の領土だ! ここにも東京ディズニーランドを建ててやるぞ!」
それは、それで、うれしいかも!?
「私がふるさとを取り戻します!」
常盤子は、強さとは関係なく戦う気が満々である。
「ナイちゃん、常盤子ちゃんをフォローしてあげて。」
「かしこまりました。新魔王さま。」
バックアップも完璧である。
「あは? 弱そうだね? 君みたいのが僕と戦う気? やめた方がいいと思うよ、あは!」
千葉県代表、アハ子。助手席には、ミニ子が同乗している。ジャパロボは、オリエンタルランドがパレード用に試作したジャパロボを使用。機体の性能ではなく、夢と希望の「夢の国」スキルで戦うのだ。千葉なのに東京ディズニーランドの夢と希望に溢れたデザインである。もちろんスペシャルウエポンは・・・。
「一気に勝負をつけさせてもらうよ! 千葉県御当地スキル、人間スキル、発動! いでよ! 東京ディズニーランド!」
茨城の上空に、茨城県を暗雲が覆いつくすように、東京ディズニーランドが現れる。
「キャア! なんていう大きさなの!?」
常盤子は尻餅をつき倒れ込む。あっと言う間に戦意喪失である。
「これで2人、消えた!」
アハ子は、上空の東京ディズニーランドを茨城県の大地に落下させようとする。
「もう、ダメ!?」
常盤子は、目を閉じ絶望し、勝利を諦めようとしていた。
「な?」
そんな常盤子に、マリコが後ろから抱き着く。
「大丈夫、私が常盤子ちゃんを信じてるから。」
「あ、あ、あんなもの、どうにもできないですよ!?」
「じゃあ、諦めるの?」
「え?」
「あんなものが、ふるさとに落とされたら跡形も無く、すべて消滅しちゃうんだよ? いいの?」
「い、いやです・・・。」
「私がなんとかするから、常盤子ちゃんは何もしなくていい。ただ私を信じてくれればいい。それが私の強さになるから。」
「マリコちゃん・・・。」
「着パゲマスキル発動! 私は、できる!」
木炭を食べて、腹痛のマリコは、常盤子の手を握りしめ立ち上がる。
「ナイちゃんは、本体を!」
「かしこまりました。」
ナイちゃんは、アハ子に悪夢を見せに行く。
「いくよ! 常盤子ちゃん!」
「はい! マリコちゃんなら、できる!」
常盤子のマリコなら「できる」という強い思いが、マリコに強い力を与える。
「私は、私を信じる。常盤子ちゃんが私を信じる。2人の想いが1つになれば、何でもできる! できる! できる! できる! 」
マリコの新魔王としての魔力が最大限に高まっていく。標準を上空の東京ディズニーランドに合わせ、片手を伸ばしロックオンする。
「私は・・・できる!!!!!!!!!!!!!!!!!」
マリコの腕から、できるオーラが飛んで行く。ドカン!!! と上空の東京ディズニーランドを粉砕した。破片が太平洋に落ちていく。
「やった! マリコちゃん!」
「これも、常盤子ちゃんが私ができると信じてくれたおかげだよ。」
「マリコちゃん・・・。私、これからは何か嫌なことがあっても諦めないでがんばる!」
「そうだね。一緒にがんばろう。」
「はい!」
そこにナイちゃんが帰ってくる。
「マリコさま、本体は悪夢の世界でアハを吹いてのびてます。」
「ありがとう。ナイちゃん。」
その頃、アハ子は、
「アハ・・・アハ・・・アハ・・・。」
泡を吹いて倒れていた。
「WIN 茨城県」
会場の大型スクリーンに表示される。
「おお!」
会場のお客さんが歓声をあげ盛り上がる。
これで残り12人。




