56 本選出場者、決定
「zzz。」
「zzz。」
「zzz。」
「こら! 天皇! 返事しろ!」
「ん・・・あかんあかん、わてまで眠ってしまった。」
ブッコ、ナゴン、天皇は、ついつい眠ってしまった。そこに祐名から、無線で怒鳴り声が飛ぶ。余りにもうるさいので、天皇が目を覚ました。
「天皇! おまえがついていながら、なぜ寝ている!?」
「すいません!」
「寝るのは私の専売特許だぞ!」
「そこかいな・・・。」
眠り姫は、キャラかぶりなので、2人もいらないのである。
「私、戦います!」
ブッコが目を覚ました。
「ブッコはん!?」
「私、決着をつけたいんだ! 着パゲマでも勝負がつかなかったから・・・、あの人に勝ちたい!」
ブッコの永遠のライバル、ポテンシャルだけで、レアな着ぐるみパジャマと互角に戦う、キメラ渡辺である。
「天皇は、ナゴンちゃんの所に行って。」
「わても一緒に戦います!?」
「私は、自分で戦えるから大丈夫。」
「あれはイレギュラー中のイレギュラーでっせ!? そんな、あきまへんて!?」
「命令よ! ナゴンちゃんを守って!」
「は、はい!」
ブッコは、天皇を抜き取り、隣のナゴンのアーケード機に投げ込んだ。
「ブッコ、行きます!!!」
ブッコは、エンジンキーを回し、ジャパロボを長い眠りから目覚めさせた。大地に立ち上がる。
「ギアチェンジ!」
ギアを手で停止から、いきなり全快のトップギアに入れ、猛スピードで突進していく。
「来たな、チビッ子。」
「待たせたわね! 残念な珍獣着ぐるみ。」
ここにブッコとキメラ渡辺が対峙した。ブッコはノーマルのビームサーベル1本とブームライフル1個。それに対し、キメラ渡辺は、仲間から託された4本のビームサーベルを人、ヘビ、ニワトリ、アヒルの口で加えた4刀流。それぞれの手には4本のビームライフル。
「私に勝てると思っているの?」
「そんなのは、やってみないとわからないわ!」
両者、一言しゃべった後は沈黙した。張り詰めた空気がピンとしている。
「いくぞ!」
「こい!」
先に仕掛けたのは、ブッコだった。キメラ渡辺に突進していく。
「くらえ!」
「うわぁ!?」
4本のビームライフルの反則とも言える破壊力抜群の攻撃がブッコを襲う。ビームをかわすブッコだが、爆風だけでも、ブッコのジャパロボをふっ飛ばす。
「このままじゃ、負けちゃう!? なんとかしなくっちゃ・・・こんな化け物をナゴンちゃんに近づける訳にはいかない・・・私がナゴンちゃんを守るんだ!」
ブッコは、ある覚悟を決めた。そしてジャパロボのボタンをポチっと押した。
「変身!」
「なに!? 車に変身した!?」
ブッコのジャパロボは、元が車らしく、車に変身して突進する。
「でやあああああああ!」
「フ、猪口才な!」
キメラ渡辺の4刀流が火を吹いた。バキン! バキン! バキン! バキン! 華麗に4本のビームサーベルでブッコのジャパロボの手足を切り落としていく。
「私の狙いは、ここだ!」
「なに!?」
ギギギギギ! ブッコのジャパロボは車形態のまま、キメラ渡辺のジャパロボの胴体に突っ込んだ。ブッコのジャパロボの先端はキメラ渡辺のジャパロボを貫通した。
「し、しまった!?」
「・・・ナゴンちゃん、守ったからね。」
バーン!!! 一瞬、光が辺りを包んだかと思うと、2体は大爆発を引き起こした。渡辺わたとブッコの画面は真っ黒になって、強制ログアウトされた。アーケード機からでてきた2人。
「今回は私の負けだ。やるな、チビッ子。」
「いえ、今回も引き分けです。また私と戦ってください。」
「望むところだ。」
渡辺は手を出し握手を求める。それに笑顔でブッコは答える。2人は、さわやかに握手をかわす。
「がんばれよ、決勝戦。」
「はい。」
渡辺は、そういうと去って行った。
「第2回 ジャパロボ 女子大会 東京都代表は、参加者3億人から、唯一生き残った、ナゴンちゃんに決定しました!」
「おお!」
祐名のアナウンスに会場のお客さんが歓声をあげて盛り上がる。
「それでは、ナゴンちゃん、ステージにどうぞ!」
「・・・。」
「あれれ?」
しかし、ブッコは現れない。
「天皇、ミツバチは、どうしたのよ?」
祐名は、無線で天皇に問いかける。
「まだ寝てます。」
「ズコ!?」
ボケてズッコケる祐名だが、普段の自分と同じであった。
「zzz。 ブンブンブン~ ブッコちゃん、はちみつですよ~。ニコ。」
ナゴンは、よだれを垂らしながら、夢の中で甘いハチミツを、ブッコと一緒に集めて楽しそうだった。
こうして東京都代表は、前回の優勝者、自衛隊所属の眠り姫、森田祐名と眠り姫の妹、ナゴンの、チーム「お眠りプリンセス」に決定したのである。
つづく。




