41 悪夢
「ステージは、夜の遊園地。安住くんの着ぐるみは、黒いうさピョンか・・・、メアちゃんは、馬の着ぐるみパジャマ。」
兄ナスビは、脳波ゲーム「渋谷EEGgames」で、黒の精霊使いになった、ウンちゃんの元ご主人様の安住と対戦することになった。冷静にゲームの世界の現状を分析している。
「ご主人様! すぐに目を覚まさせてあげますね~♪ 必殺、水浸し~♪」
水の妖精ウンディーネのウンちゃんは、水の魔方陣を描き、魔法を唱える。大きな水の塊が安住を襲う。
「夢の世界に消えるのよ~♪」
悪夢の精霊ナイトメアのメアちゃんは、悪夢の魔方陣を描き、魔法を唱える。ウンちゃんの放った、水の塊は夢の異世界に飲み込まれ、消えてしまった。
「ああ!? ウンちゃんのお水が!?」
「私の悪夢は、簡単には目覚めないわよ~♪」
「なら、次は僕だ! いけ! クリスマスバージョンのキパゲマ、ナスビ!」
「悪夢にさようなら~♪」
ナスビの放った、ナスビは、ゲーム内の必殺技、着ている着ぐるみパジャマによって装備している特殊兵器キパゲマのことである。しかし、メアちゃんの悪夢の前に異世界に飛ばされてしまった。
「吹け! 強風!」
「燃えろ! 悪夢!」
「岩なのだ!」
「悪夢にさようなら~♪」
シル・サラ・ノーの3精霊の魔法攻撃も、メアの悪夢の前では無に等しかった。
「まだだ! ドワちゃんの剣にみんなの力を合わせるドワ!」
「おお!」
4人の精霊はドワちゃんの剣に、水、風、火、地の4つの力を込めた。これもドワちゃんの肩書が「ブラックスミス・オブ・ナイト」であり、騎士でもあるが、ドワーフの鍛冶屋として、剣を魔法剣として、鍛えてきたからできるのである。
「くらえ! ウォーター・エアー・ファイアー・グラウンド・アタック!!!」
ドワちゃんの一撃が、黒の精霊使いに放たれた。
「ニコッ、悪夢にさようなら~♪」
メアちゃんは少し笑い、ドワちゃんの必殺の1撃を、悪夢の世界に消してしまった。悪夢の前では、どんなキパゲマも魔法攻撃も物理攻撃も効かなかった。
「ハハハハハッ! 僕は、悪役になったけど、こんなに強くなったんだ! 勉強の成績も、出番もなかった僕が、悪役になるだけで、こんなにも登場することができて、強くなれるんだ!」
「ご主人様、悪夢も悪くないのよ~♪」
「そうだな、メアちゃん。おバカなウンちゃんより、よっぽどいいや~♪ ハハハハハッ!」
安住は、黒の精霊使いになり、初めて得た強力な力と出番に酔いしれていた。いじめっ子の劣等感な心理描写と同じである。
「クソッ、メアちゃんには、攻撃は効かないのか?」
「ご主人様・・・。」
「私たちの攻撃も全く効かない。」
「悪夢なんて、反則だぞ。」
「なんて恐ろしい悪夢なのだ。」
「ドワーフのみんな、ドワちゃんはここで息絶えるのだ。ドワーフ王国を再興したかった・・・。」
兄ナスビと精霊たちは、攻撃が効かない相手に、どうしようもなかった。
「やれ、メアちゃん。」
「は~い~♪ ご主人様~♪」
メアちゃんは、楽しそうに答えると、悪夢の魔方陣を描き、魔法を唱える。
「みんな、悪夢に落ちてしまえ~♪」
メアちゃんが魔法を唱えると、兄ナスビと精霊たちは、眠りに落ちてしまった。
「来るな! ブッコとナゴンが怖いよ!?」
「ギャア! サメに追いかけられる!?」
「風がない!? 無風はイヤ~ン!」
「アチチチチッ! この炎はサラちゃんより熱いぞ!?」
「忙しい! 忙しいなのだ!?」
「やめろ! 人間ども! ドワーフ王国が滅びる! 小人さんを踏むんじゃない! やめろ! やめてくれ!」
全員が、眠りの中で悪夢に苦しんでいる。
「どうだ? 僕が現実で味わってきた悪夢を、おまえたちも見ればいいんだ!」
「さすがご主人様~♪ もう立派な黒の精霊使いですね~♪」
安住とナイトメアが勝利を確信していた。
バーキュン!
その時、1発の銃弾が安住を撃ち抜いた。
「うわぁ!?」
「ご主人様!?」
安住は、地面に崩れていく。
つづく。




