38 黒いうさピョン
「ピカピカじゃないか!?」
「そうです~♪」
そう、夜の東京シブヤーランドは、電力全開でピカピカにライトアップされていた。乗り物も全力で稼働していた。そして、乗り物で笑顔で楽しく遊んでいる妖精に、精霊たちがいた。
「遊んできますね~♪」
「え!? ちょ、ちょっと待ってよ!」
「わ~い~♪」
「ど、どうしよう? こんなところに1人置いて行かれても・・・。」
人間、困った時は、開き直るものである。
「わ~い~♪ 遊園地だ~♪」
ナスビは、童心に戻って、遊園地を楽しむことにした。
「わ~い~♪ メリーゴーランド~♪」
「わ~い~♪ ジェットコースタ~♪」
「わ~い~♪ 観覧車・・・え!?」
ナスビが目的も忘れて、楽しく乗り物で遊んでいると、
「ご主人様のお兄様が邪魔で遊べない!」
「まぁまぁ、ウンちゃん、怒らない。」
「やっぱり、名物のあんこ焼きはおいしいぞ~♪」
「乗り物って、乗ったら動かなくていいから好きなのだ~♪」
「天空にこんな楽しい世界があったなんて!? ドワーフ王国が再興したら、地下にも遊園地を作るドワ~♪」
妖精さんたちは、フードコートで、お食事をしながらくつろいでいた。
「な、なにをやっているのかな?」
「お食事です~♪ あんこ焼き、食べます?」
「いらない、そんなもの勝手に焼いて、どうするの?」
「勝手じゃないよ~♪ お店の人が焼いてくれたぞ~♪」
「真夜中にあんこ焼きを焼いている人がいる訳ないじゃないか・・・。」
ナスビは、サラちゃんに言われるがままに、疑いながら、あんこ焼きのお店を見た。
「いた!?」
あんこ焼きを焼いている、
「黒いうさピョン!?」
あんこ焼きはどうでもいいのか?
「なんで、見つけたら教えてくれないの!?」
「あんこ屋がおいしすぎて、気づかなかった~♪」
「キャハハハハ~♪」
「ガク・・・。」
兄のナスビは、気を取り直して、あんこ焼きを焼いている、黒いうさピョンに問いただす。遂に脳波ゲーム「渋谷EEGgames」のコンピューターウイルス「着パウス」の黒いうさぎの着ぐるみパジャマを見つけたのだ。
「おまえは何者だ!?」
「僕? 夜のあんこ焼き屋さんだよ?」
「ガク。」
「よかったら、1つ食べますか?」
「・・・ありがとう。パクパク、ん!? おいしい~♪」
「そうでしょ、あんこ焼きは、おいしいでしょう~♪」
「はい、あんこが最高にうまいです~♪」
やっと、見つけた「黒いうさピョン」は、夜のあんこ焼き屋さんだった・・・では、話が終わってしまう。
「ご主人様!?」
その時、水の妖精のウンディーネのウンちゃんは、声をあげた。黒いうさピョンの着ぐるみパジャマを着て、あんこ焼きを焼いている男の子に対して、ご主人様と呼んだのである。
「うんちゃんのご主人様は、ブッコだろ?」
「ご主人様のお兄様、鈍い~、元のご主人様よ~♪」
「元のご主人様!?」
なんと、黒いうさピョンの正体は、ウンちゃんの元のご主人様、バスケ少年の安住くんだった。ウンちゃんとの、運命の再会である。
つづく。




