28 犬人間
「私たちは、6階の中学生だよ。」
「僕らは、8階の高校生だよ。」
「ということは、祐名先輩と同じ高校なんだ~♪」
「祐名先輩?」
「かわいいロボちゃんを連れている人。」
「ああ、あのクラスの真ん中で、いつも寝ている人か。」
「寝てるんじゃないわ! 祐名先輩は疲れているのよ!」
「そうよ! そうよ! 自衛隊の活動で日本の平和を守っているのよ!」
「は、はい。」
「わ~い~♪ さとちゃん、怒られた~♪」
「キャハハハハ~♪」
高校で、祐名の存在感はない。授業中に眠っていると、大門先生からチョークが飛んできそうだが、「カー・ロボット・ワールド」車ゲームのジャパロボのAIの渋谷区スキル「敵視減少300%」のおかげで、祐名は狙撃されたことはない。
「ね~ね~、黒いうさピョンって、知らない?」
「黒いうさピョン?」
「「着パゲマ~♪」のコンピューターウイルスで「着パウス」っていうの。」
「知らないな、すず、知ってるか?」
「クンクン。」
「すずちゃんが真剣に臭いを書き始めたわ!?」
そういえば「君僕終了」は、久々にカクヨムに帰って来て書いた作品だ。しかし、アイデア、話自体は良いと思う。ただ、あまりのアクセス数の無さに、途中から謎の作品になってしまった。なろうだと、完結まで書けただろう。確か主人公は、佐藤さと。ヒロインは、犬人間の鈴木すず。
「そう言えば、「君僕終了」は、最後の方は、犬人間のカワイイ探偵モノになったんだった。」
「作者が、腐ったんだね~♪」
「それを言っちゃあダメでしょう。」
「キャハハハハ~♪」
「さとちゃん! あっちに黒い動物を見つけたよ! 行ってみよう!」
「おお。」
「ブッコも行く~♪」
「楽しくなってきました~♪」
4人は、鈴木すずの鼻が嗅ぎ分けた、黒い動物の臭いを追いかけた。
「いた!」
「黒い動物だ!」
「黒いうさピョン~♪」
「着パウス、見~つけた~♪」
4人の前に黒い動物の着ぐるみパジャマが現れた。
「ニャア?」
「ねこちゃん~♪」
「ブッコちゃん、黒いうさピョンじゃないってば。」
4人に気づき、振り返った黒い動物の着ぐるみパジャマは、猫だった。その猫は片手で、焼きそばパンを口に頬張りながら、もう片手で、猫じゃらしで遊んでいた。
「おまえは、伊藤いと!?」
「いとちゃん、久しぶり~♪」
「佐藤と鈴木か。」
「なんでこんな所で、くつろいでいるんだ?」
「もう私の出番がやって来ることはないと思い、着パゲマ~♪というゲームで遊んでいたら、アバター幽体離脱という新機能が実装されたので、自由に生きていたのだ。」
伊藤いと。彼女は、猫人間である。自由、なんて響きのいい言葉だ。しかし、作品で自由というのは、忘れ去られることを言う。主人公でもなく、自分の出演作でもなく、ただ作者が未練と、新キャラクターを設定するのが面倒臭いという理由である。
「伊藤、諦めるな! あの3人を見ろ!」
「ニャア?」
伊藤は、3人を見る。ブッコ、ナゴンのおバカが2人、すずのどアホが1匹が、笑顔で廊下を「キャハハハハ~♪」と、ゴロゴロ転がっていた。
「あいつらよりも、マシだと思わないか!?」
「そう言われてみれば・・・。」
「本好きは、主役級しか出れないが、書き始めた作品で、キャラを増やして、ストーリーを膨らませなければいけない、こっちの作品は、出演するチャンスだ!」
そう、先に出た、「カー・ロボット・ワールド」のジャパロボの森田祐名も、本好きでは、3万字後、出番が回ってきていなかったのだ。1作回しの所を「着パゲマ~♪」にも、過去キャラを出演させて、2作品回しの1つの作品を完成させるのだ。
「私、がんばる!」
「そうだ、いと。その意気だ!」
「他のみんなにも声をかけてみるね~♪」
「あ、それはやめた方がいい。」
「どうして?」
「全員が出れるかどうかは、わからないから・・・。」
「ニャンと!?」
「着パゲマ~♪ が着ぐるみパジャマゲームなので、ゲームつながりや、動物つながりの作品は出番がもらいやすい。ということは、動物人間のすず、いとは再登場のチャンスがあるが、動物人間でない人間は、出番がもらえないかもしれないんだ。」
「忘れられたキャラクターを再登場させて、作者はいい人と思わせといて、需要の無いキャラは、こっそり切り捨てるなんて、なんて恐ろしいの!?」
制覇だけ、独立してるな~。こっちには、パロディーで出すか?
「ブッコ~♪」
「ナゴン~♪」
「すず~♪」
「キャハハハハ~♪」
こうして、着パゲマ~♪ の世界は、少しずつキャラクターを増やしていくのであった。
つづく。




