テンプレ2
お待たせしました。約1ヵ月ぶりの更新です。
「おいおいねぇちゃん。そんなモヤシ男ほっといて俺達と遊ばない?楽しいよ~」
ジーク達に一人の大柄な男が楽しそうに声をかけて来た。ジークは、震え出す。男はそれを見てさらにニヤニヤしながら
「ほら、そこのモヤシ何て俺にビビって震えてるぜ?」
とか、言ってアリアを誘う。しかし、彼はこの時まだ気付いていなかった。ジークが震えているのは彼にビビっているわけではなく、隣にいるアリアだということに……
ジークは震えながらゆっくりと後ろに下がる。それを見てさらに男が口を開こうとする。しかし、今回はそれを遮る声があった。
「へぇ。ご主人がモヤシ……フフフフフフ。」
アリアがうつ向きながら笑う。男はそれをどう勘違いしたのか。
「そうだ。モヤシにしか見えないだろ。あれ!あんな奴と一緒に居たらすぐ死んじまうぜ?な、俺と遊ぼうぜ?何なら俺に使えてくれたっていいんだぜ?」
と、キメ顔で言う。すると、アリアはジークの方へ歩いて行き質問する。
「ご主人様。あの気色悪い汚物を殺っていいでしょうか?」
ジークは震えながらも答える。
「い、いや、こ、殺すのはダメだか、瀕死までならいいんじゃ……ないか?」
ジークの答えにアリアは笑顔になって
「ありがとうございます」
と、告げて男の方へ歩いて行く。男は話がついたと勘違いして手を広げながら歓迎する。しかし、アリアは男の前で立ち止まり告げる。
「気色悪い汚物さん。そんな汚い顔を笑顔にしながら汚物のような手を広げないで下さい。目が汚れます。」
男は一瞬、固まったが、すぐに言われたことを理解して、怒鳴る。
「てめぇ!メイド分際で……このグレートタイガーズ。リーダーの俺様が汚物だと?ぶっ殺してやる!」
そう言って背中から斧を取りだしてアリアに向かって降り下ろす。「キャー」「おい、やめろ!」などの叫び声が上がる。しかし、男は斧を止めない。誰もが終わったと、思った。しかし……
キン!
「その程度ですか?」
アリアは斧を指で受け止めながら告げる。
「な、何だと?」
「聞こえなかったですか?その程度ですか?と聞いたんです。」
「ちっ」
男はさらに何回も斧を降り下ろす
キン!キン!キン!キン!キン!キン!
しかし、全て指で受け止められる。
「ば、化け物……」
男は斧を落として後退りする。しかし、アリアは笑いながら男に近づいて来るので、距離は変わらない。
「フフフフ。もうこれで正当防衛ですね。今度は私の番です。」
彼女はそう言って一気に男との距離を縮めて、一発だけ腹を殴る。いや、正確には一発しか殴れなかった。何故なら、男はその一発で10m程吹き飛んで泡を吐いて気絶したのだから。
周りの冒険者達はそれを見て。唖然とする。そんな中、ジークだけが、すぐにアリアの元へ行き。アリアの手を取る。そして、小声で
「行くぞ」
と、だけ言って手を持ったまま。冒険者ギルドを去って行った。
ちなみに、その後、グレートタイガーズの男は女性恐怖症で冒険者を続けられなくなり(女冒者も多くいるため)冒険者キルドではジークのことだけは絶対に絡まないと、いう、暗黙の了解ができた。
次回は宿とり&町を散策します。
また、今日は他の作品も沢山投稿します。暇潰しにでも読んで頂けたら嬉しいです。