全ての始まり
2作品目初投稿です。
10年前ー
「勇者よ、我々の勇者よ我の天敵、魔王を、魔族を、どうか倒してくれ!」
人族の王は全人族の前で、勇者にそう告げた。誰もが、引き受けてくれると思った。しかし、勇者の答えは違った
「断る。俺にそれを受ける義務も、メリットもない、他のやつに頼め。」
その言葉に、辺りはざわめいた。そして、しばらくすると、ざわめきは、勇者に対する、不満の声に変わる。すると、勇者は、
「黙れ、耳障りだ、王、俺は帰らしてもらうぞ。」
そう勇者は言うと、勇者認証式のために用意された、舞台から、降りようとする。
「ジーク待て、待たんか!」
王は、勇者の名を呼ぶ。しかし、無視される。
「おい、騎士達よ、勇者を舞台の上につれ戻せ、多少力づくでもかまわん。」
次に、騎士にそう命令をした。
「「「「「御意」」」」」
騎士は、そう返事をするとジークの元へ向かい走った。
「待って下さいジーク様、」
一人の騎士が、ジークを追いながら言う。
「俺の他にも、勇者はいるだろ?何故そいつらに頼まない?俺が面倒くさがりって、知ってるだろ。」
ジークは、一旦止まり静かに言葉を返す。
「しかし、他の勇者に比べても、貴方が、1番強いじゃないですか!」
騎士の一人が言う。それを聞いたジークは大きな溜め息をつき言葉を返す。
「別に、俺以外の勇者も弱い訳ではないし、沢山の勇者に魔王・魔族の討伐を命じれば良いことだろう。」
「そんなのダメに決まってます!」
「何故だ?」
「……」
騎士は誰一人として答えられなかった。ジークはその反応を見て、再び溜め息を、着いて、
「はぁー、これだから、ただ王に忠実なやつは駄目なんだ、王が命令したことの、意味を深く考えようともしない。だから、王が誤りや、愚行を働こうとしても、気づかない。」
「黙れ!例え貴方が勇者でも、我らが主を愚弄する事は、許さんぞ!」
騎士の一人が少し怒り気味に言う。そして、
「「「「「勇者ジーク覚悟!」」」」」
その声と同時に、騎士達は剣を抜きジークに向かって襲いかかった。ジークは、本日3回目の溜め息をつくと、全員の攻撃を避け、呪文を唱える。
「我が友、不死鳥よ、血の契約に従いてここに、現れたまえ、サモン!」
ジークが呪文を言い終わると同時に、ジークの前に巨大な魔法陣が現れ、そこから、5m程の大きさの全身が炎のように紅い鳥が、姿を現す。それを見て、騎士の一人がぼそりと呟く。
「ふ、不死鳥!……」
ジークは、その不死鳥にまたがり言う。
「俺は帰る。王に、俺は引き受けないと、伝えておけ。」
一人の騎士が慌てて。
「待て、このままでは主の計画が狂ってしまう。我らが主は、王だぞ?人類の頂点に立つ偉大なる御方だ。そんな偉大な御方に、逆らっていいと思っているのか?
と、言う。それに対して、ジークは、
「はいはいそうですね俺は、愚か者ですね。これでいいか?じゃあな。」
そういい不死鳥に乗って飛び立つジークは空へ登りながら呟く。
「……王お前は、自分の犯そうとしている最悪の誤ちに気づいているのか?」その呟きに答える者はいない……
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