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水泳部の日常

7月中旬。

梅雨が明け、

夏の陽射しがプールサイドを照らすようになった。

大地は放課後、水泳部で泳いでいた。

入部から1ヶ月半。

泳ぎは目に見えて上達し

今では水樹主将の競争相手になれるくらいになっていた。

プールは静かだった。

部員は少ない。

今日も大地と水樹の二人だけがレーンを往復している。

大地はクロールで力強く水を切る。

ストロークはまだ荒いが推進力は圧倒的だ。

ターンで壁を蹴る瞬間水しぶきが大きく上がる。

水樹主将は隣のレーンで優雅に泳いでいる。

彼女のクロールはまるで水面を滑るように静かで

ターンも無駄がない。

潜水時間が長く、魚のように滑らかに進む。

二人は自然と競い合うようになった。

大地

「主将、

今日も速いっすね!

でも俺も負けない!」

水樹はゴーグルを外しながら小さく笑った。

水樹

「大地くん、

本当に速くなったわね。

最初はただの筋肉好きだと思ってたけど……

今は、本物の競争相手よ。」

大地はプールサイドに上がって

息を整えながら笑った。

大地

「本物の競争相手か……

嬉しいな。

おかげで、体もバランス良くなった気がします。」

水樹はタオルで髪を拭きながら、

少し照れくさそうに言った。


練習終わり、シャワーを浴びて着替え終わった2人は

玄関ホール横の屋内ベンチで話をする。

水樹

「大地くん、

私、最近よく配信見てるの。

この子。知ってる?」

スマホの画面を見せてくる。

大地

「配信?

いや、知らないけど……

主将が見てるなら、

面白い配信なんだろうな。」

水樹

「『moon』っていう配信者。

フォロワー28万、

同時視聴者数約2000人。

学校の風景とか、

身近な男子のトークが人気で……

特に『やさしい眼鏡男子』の話が

幻想みたいで……

私、そういう話、

つい自分を重ねて考えちゃうんだ。」

大地は少し驚いた顔をした。

大地

「眼鏡男子か……

鈴木みたいなやつ?」

水樹

「ふふ、

でもやさしい印象らいしから

クールな彼とはイメージ違うかも。

女の自分に優しい……

そんな理想の男子がいるみたいで……

私、そんな男子に会えたらなって……

単純かな?」

大地は笑いながら頷いた。

大地

「主将も、

そういう一面あるんだな。

年頃の女の子みてぇっすね。」

水樹は、

頰を少し赤らめて、

タオルで顔を隠した。

水樹

「もう……

からかわないでよ。」

俺は水樹のそんな一面を見て、

少しだけ胸が温かくなった。

(主将もただの女子高生なんだな……

恋愛に幻想を抱いてる。

この世界じゃそれが普通なのかもしれない……)

プールサイドに陽射しが優しく差し込んで

水面が煌びやかに反射する。

幻想的な空間で少女は恋愛を夢見ていた。

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