エピソード4 いつもの夜
教会に着いたらお父様が既に午後の準備をしていた。私は急いでお父様のところに向かうとすぐにニコニコと微笑み、私の頭をポンポンとなでてくれた。特に会話を交わすこともなく、午後の祈りの手伝いをする。信者の方々が教会の中に入ってくる。朝見た方々がほとんどで、朝の時に比べたら人数が少ないように感じる。朝のようなことを繰り返しで淡々と済ませていく。常に微笑み、常に指先を絡め、事あるごとに祈りの言葉を繋げていく。教会での仕事が終わり、お父様と一緒に家に戻る。するとお母様が料理の準備をしていた。おいしそうな匂いが部屋に広がる。私はすぐに着替えてお母様の料理の手伝いをする。何か言われているわけではないが私はできた料理をどんどん机の上に運び、すぐにカトラリーの準備をする。料理を囲み、家族で食事のあいさつをして食事を始める。食事中も、食事後も、家族での会話はほとんどなかった。夜になり、私は最後の片づけのために教会に向かった。道は暗かったがいつも通っている道というおかげでまっすぐ教会に着いた。私は中に入り、大きな石像の前にひざまずき、祈りをささげる。そうして忘れ物などの確認をしてから教会の鍵を閉め帰路につく。
家に着くともう家族は寝てしまっているのか誰もいないかのような静けさをしている。私は自分の部屋に行き家族を起こさないように布団を床に敷いて体を丸めるようにする。夜は、いつもと同じ形をしている。祈りの言葉も、布団の硬さも、なにも変わらない。私はいつものように目を閉じたまま、指先を絡めるいつもみんなから言われているから、間違ってはいないと思う。ただ確かめることもせず、静かに祈りの言葉をささげていく。気がつくと朝日が昇り始めていた。いつの間にか眠ってしまっていたのだろうか、?祈りの途中から記憶がない、ただそれが眠ったっていたからなのか、意味がなかったから忘れてしまったのかは私にもわからない。指先はただ当たり前だというように硬く絡まったままだった、私がその指先をほどこうとした瞬間だった、大きな足音とともにお母様がとんでくるように走ってきた。




