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第6話 守る者


 「よくも!よくも、鏡子を!」


 「無駄口たたいでないでかかってきなさい!」


 「やってやるわよ!!!フレアボール!」


 「虚無!」


 バシュ。


 !


 鈴音の放った魔法は鈴音の母にぶつかる直前で消滅した。


 (これは、虚無の魔法……全ての魔法を無に変える魔法…)


 「どうしたのかしら?私を倒して、その倒れた愚か者の仇を討ちたいんでしょ?」


 「鏡子を馬鹿にするな!!!」

 私は無我夢中で短剣で斬りかかる。


 (無駄よ)

 鈴音母は余裕の表情で短剣を避けている。


 (やっぱり母は強い、でもここを越えなければ!この技を叩き込む!!)

 私は短剣を投げつけ一気に母に詰め寄る。


 !


 「極・神波しんぱ!!」


 「ぐっ!!!」

 母は吹き飛ぶがくるっと空中で体勢を整え着地する。


 「更に!」


 !?

 私は隙を与えず


 「獄炎バースト!!!」


 「ぎゃあああ!!!」

 鈴音母は思いっきり吹き飛んだ。


 ドカーン!!!



 「はぁはぁ……鏡子!」

 私は鏡子に駆け寄り回復魔法を唱える。


 「…、…くっ……あ……」

 生きてる!


 「愚か者を回復している余裕があるなんて随分と舐められたものね、鈴音」


 !?

 振り返るとそこに母がおり、目の前に魔法があった。


 「あっ」


 ドカーン!!!


 鏡子と鈴音は大きく吹き飛び壁に直撃しズルズルと地面に倒れる。


 (い、一撃で……あ……意識がもってかれ……まだ……だ)

 鈴音は立ち上がる。


 「至近距離で魔法を放たれ立ち上がるなんて強くなったわね鈴音」


 「はぁはぁ……負けない……絶対……」


 「無駄よ……絶対的な力を見せてあげる!

 はああ!!!」


 鈴音母は片手に物凄いエネルギーを溜め込む。

 それはバチバチと音を立てている。


 (あれは!……極・玉……当たったら確か、地面を数十メートル程えぐるほどの威力……)


 「終わりよ、鈴音……そして黒き巫女」


 そのエネルギー玉は私達の方へと向かってきた。


 「鏡子……私、倒せなかった……ごめんね……」


 「す、ずね……私を置いてにげ……て…」


 「逃げない……もう一人になりたくない……」


 !


 そして2人に近づく玉。


 (皆さん……後は頼み・・・)


 ドカーンー!!!!


 バキューン!!!


 それは大きな音を立てて爆発した。

それは黒い空間をねじ曲げる程に。


 (……愚かな娘……あんな黒き巫女の為に……命を投げうつなんて………)


 ?


 「うん?」


 バチバチ。


 「凄い魔法だね」


 !

 鈴音母は驚く。

 そこにはミナミが居たのだ。


 「貴方は……ふ~ん、闇と呪いを得た子ね、賢者から聞いたわよ?」


 「み、なみ……さん……」


 「カルマ、2人を」


 「ああ」

 カルマは2人を抱きかかえ、距離を取る。


 「何?今度は貴方の番って事?それにしてもよく私の魔法を耐えれたわね?」


 「耐えた?あんなの闇に吸い込ましただけ……」


 「何?」


 「鈴音さんのお母さんでしょ、私は貴方達2人の事はとやかく言わない。

 でも、仲間を傷つけた事だけは許せない!!」


 「あら、鈴音にも可愛いお仲間が加わったのね。

 でも、相手はちゃんと見極めるべきね……」


 「貴方、名前は?」


 「鈴蘭……いい名前でしょ?」


 「そう、じゃあ鈴蘭さん……私が倒してあげます!

 鈴音の分までやらせてもらう!!!はああ!!!」


 !


 (これは!?子供から出されるものなの!?)


 数十分前


 私はある人から受け取った箱を開けたのだ。

 それは何やら奇妙なアイテム、しかしアイテムボックスに入れた瞬間、とてつもないパワーを得たのだ。


 「早速で悪いけど私の力、試させてもらうね!」


 「調子に乗るな!!!」


 !?

 (な!?いつの間に私の背後に!?)


 「余裕ぶってると痛い目あうよ!!はああ!!!」


 「ぐっ!!」


 (なんて言う速さ、というかこの強さ、まさか賢者を!?いや、あり得ない!)


 !?


 「余裕ぶっこいてる!」


 「ぐうっ!調子にのるな!!!」


 !?


 (な!?)

 ミナミの剣が鈴蘭の攻撃で吹き飛ぶ。


 (ふふ、所詮子供、私には勝てないのよ!!!)


 「終わりよ!!!断罪する!!!」

 

 鈴蘭の剣がミナミに迫る。


 だが……ミナミは余裕の顔を見せる。


 「闇の衣」


 ガキン!!


 (ふ、防いだ!?今の一瞬で!?)


 「そろそろ終わりにするよ!やああ!!!」


 「がふっ!」


 ドカーン!!!


 鈴蘭は一気に吹き飛び膝をつく。


 ミナミは静かに床に降りる。


 「くっ……あんたの強さ……分かったわ、向こう側のアイテムを使ったわね!」


 「私、子供だからそう言うのは分かんないから」


 「……ふっ、私をここまで追い詰める敵が現れるとは思わなかった。

 だからとっておきを見せてあげる……はあああ!!!!!」


 !

 空間が揺れ始める。


 (これは!)


 「ふん!!!」

 バチバチ………。


 鈴蘭からとてつもないオーラが現れ、目つきも変わる。


 (これ、ヤバい敵と戦ってるかも?)


 !?


 ミナミの間合いに一瞬で移動した鈴蘭、そして剣がミナミにかする。


 (くっ!速すぎる!)

 ミナミは後ろに下がるが


 !?


 (な!?)

 目の前には鈴蘭が


 「落ちろ!!!」


 「ぐっ!!!がっ!!!」


 ドカーン!!!

 鈴蘭の至近距離衝撃波をミナミはくらい、思いっきり地面に直撃する。


 「がはっ!!」


 !?


 「終わりよ!ブラックブラスター!!」

 

 「ぎゃああああ!!!」

 ミナミの至近距離で強力な魔法を放った鈴蘭。


 ミナミは大きく吹き飛び倒れる。


 (はぁはぁ……くっ、)


 「……」


 「終わりよ、あんたは……私をなめてかかるからよ!」


 「……うっ……まだ……終われ……ない!まだ、終われ……ない!!」

 

 !?

 ふらつきながらも立ち上がるミナミ。


 (何なのこの子は!耐久が大人顔負けレベル!?)


 「私の体……保ってよ……すぅ~……」


 !?

 すると周りの黒い瘴気がミナミに吸い寄せられる。


 (空気がありえなくらいに変わった!?これは!)


 (……ここで終わる……訳には……いかない!必ず勝つの!!私は!!)


 !?

 ドカーン!!!


 そして


 バチバチ。


 「すぅ~………はあ〜」

 ミナミは呼吸を整える。


 「何なの……その姿は!?」

 鈴蘭の目線の先に居るミナミ、その姿は変わっており、髪は真っ白になっており、顔の一部が真っ黒になっていた。


 (この子はヤバい!この強さ……まさか!)


 天界


 !?


 (ヤバい子が目を覚ました?……この感じ……ふふ……闇の子ね)

 


 「終わらせる!!貴方は!!」

 鈴蘭がミナミに迫り斬りかかる。


 ガキン!!


 パリン!!

 

 (な!?)

 なんとミナミに直撃する直前、オーラにぶつかった瞬間、鈴蘭の持つ剣が半分に折れた。


 「終わり………はああ!!!」


 「がっ!ごはぁ!……」


 それはとてつもない速さ、それは神しか見えないくらいの速さ。


 ドサッ。

 鈴蘭は倒れる。


 「ぐっ……がはぁ!……あ……」

 ドサッ。


 ミナミもそこで倒れる。


 ………。


 …………。


 …………。


 「ミナミ、寝てるの?」


 ?

 目を開けると隣にはヨウコが居た。


 「寝てたみたい?……あれ?ここは?確か……鈴音さんのお母さんと戦って……それで勝った……ような?」


 「ミナミがこんな所で終わるわけないよね、まだ終わってない。

 敵は居るから」


 「ヨウコは?」


 「私はまだメリアを回復しているよ、ちょっと疲れたから寝ちゃってたのかも?」


 「ふふ……、夢の中で会えるなんて……あの合体が意味あったね」


 「あれはとっておきでしょ?……立ち上がってミナミ、私も必ず追いつくから」


 「分かった……じゃあ目を覚ますよ」


 「ふふ、私も起きるねそろそろ」


 ・・・・・・・・・・・


 「は!?」

 目を覚ますと私は壁にもたれていた。


 「良かった目を覚ましたか」

 近くにはカルマが居た。


 「カルマさんが助けてくれたんだね」


 「ああ、お前らのヤバさ近くで見たがあり得ねぇよ。

 俺、びっくりしたぜ最後のやつは」


 「あれは、私も驚いてるの。

 リミッターを解除しようかなってね、無理だったけど」


 「リミッター?」


 「うん、カルマに会うもっと前に箱を貰った時にその力になれるまでは制限をかけているの、それを少しだけ外しただけ。

 まぁ一瞬しか対処出来なかったけど……」


 「マジかよ、その力があれば災厄も余裕でぶっ潰せるんじゃないのか?」


 「やめとくよ、この力でまた気絶したらそれこそ元も子もないし」


 「そっか、それよりも2人の巫女をなんとか助けたぜ。

 回復薬を飲ませたからもうすぐしたら目を覚ますだろう」


 私の隣には鈴音さんともう一人の巫女が居た。

 

 「2人はどういう関係何だろう」


 「さぁ、だがこの黒い巫女は俺たちの世界の巫女だ。

 つまり、闇の世界のな?」


 「え!?……ねぇカルマ、2人はもうすぐ起きるんでしょ?

 なら2人でお話すると思うし、私達は邪魔になるかもだし奥に進みましょ?」


 「おいおい、ここは天空大陸の神殿の中だぜ?危険だろ?」


 「大丈夫、もう大丈夫な気がする」


 「うっ……み、なみ……さん?」


 「あ、目を覚ましたんだね鈴音さん。

 私とカルマは更に奥へ行きますね、お二人は少しそこで休んでいてください。

 私がぶっ倒しますので」


 「そ、そう……なのね……それにしても凄く変わったねミナミちゃん」


 「ふふ……色々乗り越えたから大人っぽくなったのかもしれないかもです」


 「……鏡子を助けてくれてありがとう……私の大切な人だから……」


 「良かったです、助けられて。

 それじゃあ私達は行きますね、回復薬は置いておきます」

 私は何個かの回復薬を置き、立ち上がる。


 「ミナミちゃん……お母さんを倒してくれてありがとう。

 私さ、やられた時もう無理って思っちゃった……守りたい物を守れなかった……だから、お願い……世界を救って」


 「分かりました、ギルドマスターも頑張ってくれていることだし頑張りますよ」


 「ふふっ、お願い……ね」

 そう言い鈴音さんは目をつむり鏡子にもたれかかる。


 「本当に2人を置いていっていいんですか?」


 「大丈夫、2人は絶対に死なない。

 巫女さんは強いんだから……異変をちょちょいと解決するくらいにね」


 「ふっ、確かにな」

 そうして私とカルマは奥へと進むのでした。




  

 


 

 


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