第５話 別世界の者達
その頃…暴剣？とやり合っていた氷火は。
「くっ！私でも……コイツには…」
膝をつく氷火。
「愚かだ、この７ブレイカーの一人の俺にお前のような脆弱なガキが勝てるとでも思ったのか」
「そのようね……」
「潔いな、絶対的な力を知れたようだな」
「そうね………ロムの仇を討てずここで果てる……それも運命なのかもしれない……でも！」
「まだ終われない……他の７ブレイカー達も抗っている！
私だって！」
「愚か者が！！！」
「ぐっ！！」
氷火の左腕が暴剣？の剣によって切り落とされた。
「あははは！！！お前の左腕は消えた！！もう剣など使えん！片腕でどうするつもりだ？」
「……そう……みたい……でも私は剣よりも！」
！？
突然暴剣？の背後に氷の魔法が
「氷結！！！」
「ぐっ！くらったか、速い！」
「私は魔法の方が得意なの、だから片腕が無くても！！！」
「だが！出血多量で死ぬ！！！」
「なら！！氷結！！！」
！？
氷火は斬られた所を氷でカチコチに固めた。
「これでまだやれる……そしてここからは氷火では無く……マリンとしてやらせてもらう！！！」
「じゃあ来やがれマリン・セレナーデ！！この俺、７ブレイカーの一人、ディアス・マールを超えてみやがれ！！！」
「はあああ！！！！」
その頃……
黒い男とやり合っている天雨はと言うと
「はああ！！」
（くっ！コイツ、姉の剣をうまく使っている！？あの剣の動き、予測が出来んしかもあの速さまさかアイツは）
「終わりだ！！！天の雨石」
！
それは黒い空間の空から大粒の雨が降り注ぐ。
しかしそれはとても硬く、頭蓋骨一つ砕くほどだ。
「クソ野郎が！！！」
男は雨粒に頭を潰されて死んだ。
ガキン！
ガキン！
天雨はその場でとどまり剣を動かし雨粒を吹き飛ばす。
目をつむり、神経を集中させて手だけに力を込めて。
そして雨粒は全て落ちた……そこには醜い姿の男の亡骸があった。
「姉さん、僕はやり遂げた。
仇は討ったよ……そしてこの姉さんの剣、これで災厄を倒すから！
全ては平和の世界を守る為に」
そうして天雨は出口を目指した。
火蓮はと言うと奥へと進み、歩みを進めていた。
（この神殿、見た目からして中身が大きすぎる……ありえないくらい大きい……空間を変えているのかな？
外から見た時よりもありえないくらい広い……だとすると幻覚を見せられている？
いいや、天空大陸にある神殿だからこれも普通なのか？）
「来たね……火蓮」
！？
奥へと進んでいると柱から姿を現す女。
白髪ショートヘア、白のドレスを着た女性。
青色の瞳に綺麗な容姿。
「貴方は？」
「私は闇の使者の一人、友梨香。
元々は私は別の世界に住んでいたのだけどここに来て、闇の使者達に救われた者」
「そう、別世界の者……闇の使者ならどうなるかくらいは分かるわよね？」
「ふふっ、そうですね。
貴方の事は色々と調べましたよ……」
「調べた程度で勝てるとでも思っているの？戦いは剣を交えてから初めて分かるものよ」
「予測ですよ、この技や魔法の後はこれをする。
そういう風に持っていけば確実に倒せる……そうは思いませんか？」
「確かに、でも貴方の想像よりも強かったら意味無くない？」
「ふふっ、確かにその通りです……火蓮さん。
でも私は貴方よりも強いのです」
「随分な自信ね、でもそう言う者は大半は大馬鹿な勘違い野郎しか居ないのよね」
「あはは、面白い事を言いますね火蓮さん。
ですが私はそんな勘違い野郎ではありません………すぅ～…………」
（空気が変わった！？）
「白の加護！」
！？
友梨香に纏う白いオーラ、それは神々しい感じのオーラだ。
「な…に……よそれ……」
「驚きすぎて言葉がしどろもどろになっていますよ。
これはこの世界で得た力ではありません、これは私が別の世界で得た力です」
「……勝てない……かもしれない……でも！はああ！！！」
火蓮は火の極意を解放する。
「ふふっ、火の極意……凄く熱いですね。
火蓮さんにピッタリです」
「余裕な言葉ばっかりね」
「ええ、これくらいで驚かれているようでは更に上の段階を見せる必要はありませんし」
「は！？」
「どうしたんですか、口が魚のように大きく空いていますよ」
「更に……上？………嘘……でしょ？………」
「ええ、見せてもいいですがここで見せるもの程出ないし……」
「あんた本当に闇の使者？そんな力があって闇の使者になるなんてありえない」
「……そうですよね〜……うーん、まぁ貴方は私の仲間にしようかなって思うので話します」
「仲間にする？」
「はい、私は色んな世界を行き来出来る者です。
元の世界を正すために……そして色んな世界の技や魔法を習得する為にここに来た訳です。
しかし、この世界に着た瞬間、攻撃をもろにくらい吹き飛び倒れてしまった。
そこを救ってくれたのが闇の使者達なんです。
だから、私は闇の使者と共に居るんです。
目的の災厄とかはどうでもいいんですけどね」
「……と言うことは貴方は味方って事？」
「味方でもありません、私はただの旅者って事です。
それでなんですけど、火蓮さん……私の仲間になりませんか？」
「仲間って！今、この世界は災厄によって崩壊しているの！
悠長に仲間ごっこしている場合じゃないの！」
「はぁそうですか……仲間になりたくないですか？」
「その……この災厄を倒したら仲間になってもいいかも？
その力……少し気になるし」
「あれ？そうなのですか？……ふ～ん……まぁいいでしょう。
災厄を倒したいのですよね？なら、貴方に力を授けます」
友梨香は火蓮に触れて何かエネルギーを送った。
「それなら対抗出来るかも？慣れるのに時間は掛かると思いますが………あ、それと災厄を倒せば平和になるとは思わないほうがいいですよ、本当の敵は近くに居ますから」
（本当の敵？）
「何処に行くつもり？」
「私は街をぶらつこうと思います。
終わり次第貴方に会いに行きますので、その力存分に扱ってください……期待していますよ」
そう言い友梨香は消えた。
（この力、使いこなせば勝てるのなら私は使いこなしてみせる。
それにしても本当の敵ってどういう事だろう）
そうして火蓮は目をつむり、力を解放した。
その瞬間
「がああ！！！」
とてつもない力が流れ込んできた。
「あああ！！！」
（苦しい！何……これ！あ、あ、あ、意識がもってかれ……解かないと……はぁ」
流れが止まる。
（はぁ……はぁ……な、なにこれ……こんな力、制御出来る？……でも、あの女は余裕な顔をしていた。多分あの力は今、私の中にある力よりも強力何だろう……使いこなしてやる！！）
火蓮は地面に倒れ呼吸を整える。
その頃
闇の空間から出た魔神と覇神。
「魔神、ここは二手に分かれよう。
俺は奥を目指す……お前はこの近くを頼むぞ」
「分かったわ、その玉はどうするの？」
「俺が持っておく。
俺に任せていれば問題ない、何もかもな？」
「……分かったわ」
「気を付けろよ、ここには敵が居るからな。
近くに居る可能性もある」
「分かってるわ、貴方に言われなくても」
「ふっ、俺は先に行くぞ」
「ええ、任せて」
そうして二手に別れた。
「よぉ、魔神よ」
！？
突然の声に振り返る魔神。
しかし、そこには誰も居ない。
（あれ？声が聞こえたはず）
その瞬間
グサッ。
「がはぁ！……！？」
「終わりだ、死ね」
ザシュ。
魔神は突然の奇襲を受けて死んだ。
「……弱いね、この女」
コツ。
現れたのは緑髪ショートヘアの女と
「こんな女に苦戦するわけないだろ？」
同じ髪色のアフロヘアの男。
「うっ……あ、あんた……ら、なに……もの？」
僅かに生きていた魔神。
「あれ？生きてる、すごい～」
「トドメを刺しきれないとは、兄として恥ずかしいぞ」
「だって〜この女、地味に急所を外されていたんだもん〜。
仕方ないじゃん」
「それだから甘いんだお前は、敵だろうが油断すると足元をすくわれるぞ」
「その時はニイニが助けてくれるんでしょ？」
「はぁ呆れるぜ……で、お前の質問だがまぁ、死ぬ者なのに名を言うのは意味をなさないと思うが一応言ってやる」
「俺は祐介、そしてコイツは俺の妹の」
「葉月だよ」
「お前の質問には答えた、そろそろトドメを刺す」
「ま、まっ……て、貴方達は……災厄の……なか……ま？」
「災厄？あ～、あの暴れているものの奴の名か」
「へぇ〜ニイニ、アイツどう思う？」
「俺らからしたらゴミだ、雑魚だ。
それでお前の質問だと俺らは奴らの仲間では無い……あんな者の下に付きたくもないしな」
「そ、そう……なの……ね、なら……なぜ私を……」
「……言っておくが俺らはお前らの仲間ではない。
俺らは色々と知るためにこの世界に来たまでだ、敵意を剥き出しにしていたお前が悪い、それだけだ」
「そ、そう……なの……ね……ふ、ふふ……あ、視界がぼやけて……」
「これは先に言っておくけど、あの災厄よりもヤバいヤツが居るよ。
しかも貴方の近くに居たやつ……さぁ、誰でしょうね〜」
！
「嘘……よ…ありえない……あの人は……そんな事……望んで……」
「まぁ、お前は考える必要はない。
お前の仲間が倒してくれるだろう、元王女の女がな、いやもしかしたらお前が救ったガキンチョかもぜ」
（………ふふ……そういう事……まぁ……あの人が企んでいるとするなら……必ず倒してちょうだい……火蓮……ミナミ）
・・・・。
「息絶えたようだな……」
「どうするニイニ、ここには私達が求める物は無さそうだよ？」
「直ぐに去るのもいいが、あの災厄って言うゴミがどういう風に死ぬか見ものだろ？」
「ニイニって悪い事考えるの好きだよね？」
「別に、それに災厄と抗う者の強さをみたいだろ？」
「ニイニはよく分かっているね私の事」
「当たり前だろ？お前の兄だぞ」
「ふふっ、行こうニイニ」
「ああ」
魔神……死亡。
コメントと評価お願いします。
