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第3話 それぞれの想い


 そしてまた別の所では


 「うっ……ダメージ量……大……応急処置をしなきゃ」

 目覚めたのは亜留だった。


 ……。

 数分後処置を終えた亜留が立ち上がる。


 そこは闇のように暗く、薄暗い場所だった。


 「ここは?何処?」


 「目覚めたか……殺戮兵器の者よ」


 !?

 突然の声に振り返るとそこには博士が居た。

 つまり、亜留にとってはマスターだ。


 「マスター!?どうしてここに!?まさか、敵が化けている!?」


 「亜留よ、お前のシステムで分からんのか?私がお前の主のマスターだと」


 「ま、マスター……照合……適合……マスターなのですか。

 なぜ、このような場所に?」


 「お前は元殺戮兵器だった、その状態に戻そうと思っている」


 !?


 「何でですか!?私はもう殺しはしたくありません!」


 「……強制停止!」


 !


 「ぐっ……あああ!!!!!き、機能が……停止……しま……いや……だ……止まりたく……な……」


 シュン。

 亜留は機能を停止した。


 「お主の考えなど主の私からすればどうもこうもない。

 お前の意見など意味を持たない、ただの機械なのだから」


 そうしてマスターは亜留を改造した。


 数時間後


 「起動せよ……亜留よ」


 「ピッ……マスター承認……主である事を確認しました。

 ご命令をどうぞ、私は殺戮兵器の亜留です」


 「亜留……マスターである私の命令だ。

 7ブレイカーとその連れのものを全て殺せ」


 「分かりました……ご命令を受……諾……します」


 「必ず息の根を止めてから、次の者を始末しろ」


 「は!仰せの通りです、マスター様……亜留はマスターの為なら何でもします」


 「優秀な亜留、もしもこれを成し遂げたならお前に妹となる者をやろう。

 仲良く暮らせるぞ、このマスターと共にな」


 「はい!ご命令通り、7ブレイカーとその連れの抹殺を受託します。

 それでは行ってまいります」


 「ああ、頼むぞ亜留」


 「はい、マスター」


 そうして亜留は闇の空間から抜け出し、7ブレイカー達の抹殺へと向かうのでした。


 

 その頃


 「ここで失せろ!!!」


 「ぐわあああ!!!」

 覇神と魔神は黒い人を倒していた。


 「早くここから出て、みんなと合流するぞ」


 「ええ」


 2人が出口を探していると


 「クククッ、愚かですね〜出口など無いのに」


 !?

 2人の前に現れたのは黄色の服に白いズボンの奇抜な男が現れた。


 「何者だお前は?」


 「僕かい?僕は、メルト。

 ただの気軽な闇の者だよ、それよりもさ出口が知りたいんだよね?」


 「ああ」


 「それならこの先さ、だけど簡単には行かさないよ。

 来い!ダークヒューマン!」


 メルトが言うと地面から真っ黒の人型の魔物?が現れた。


 「ダークヒューマンって言ったら危険度Bの魔物よね?」


 「ああ、だがヤツは危険な部類だろう。

 気を付けたほうがいいのかもな」


 「さてと、コイツと戦って勝てたら出口に行っていいよ。

 でも簡単には倒せないからね」


 「ただのダークヒューマンだろ!!!くらいやがれ!!!」

 覇神の強力な一撃がダークヒューマンに迫る。


 しかし


 ガキン!!!


 !?


 (コイツ!)


 それをいとも簡単に受け流した。


 (何だこいつ!?)


 そしてその黒い姿があらわになり、そして覇神や魔神は驚いた。


 そこに居たのはなんと黒い仮面をつけた間違いなく鈴風であった。


 「鈴風!?どうしてお前が!」


 「僕が回収したんだよね〜、彼の細胞を。

 そして強くヤバい奴にした。

 さぁ勝てるかな?」


 ガキン!


 (くっ!鈴風の強さは俺らがよく分かっている)


 ガキン!


 ガキン!


 「鈴風!やめろ!声が聞こえているんだろ!」


 「無駄だよ、そいつは僕が作った人形、ダークヒューマンにそいつの細胞を入れてるからその見た目だけどそれはダークヒューマンだからね」


 「クソ!!はあ!」


 ガキン!!


 「私も援護するわ!ライトバースト!」


 !


 鈴風?は魔神の攻撃を直撃し吹き飛ぶ。


 「あ~やっぱりダメか〜弱い弱い」

 メルトはため息を吐きながら言う。


 「おい貴様……倒したぞ」


 「へぇ凄いね、まぁでもアイツは雑魚だからね」


 「雑魚だと?」


 「そうじゃないか!その女の一撃で吹き飛び死ぬんだ。

 弱すぎて呆れるよ、作った甲斐が無いじゃないか」


 「鈴風が弱いだと……」


 「ああ、そうさ。

 それにその本人も雑魚の闇の使者の策にやられてるから弱いんだよ。

 その男はね、やっぱゴミはゴミだね」


 !


 !?


 (コイツ!?一瞬で僕の前に!?)

 メルトが認識した瞬間、目の前には覇神の剣が。


 「鈴風の何が分かるんだ!!!」


 「ぐわあああ!!!」


 (覇神……)


 「クソ!僕を!?」


 「テメェは俺の仲間を馬鹿にした!しかも雑魚呼ばわり!!!」


 「ぐはぁ!」


 「ゴミだと!!!ふざけたこと言ってんじゃねぇ!!!」


 「ぐわあああ!!!」

メルトは覇神の斬撃で膝をつく。


 「おい!貴様、僕は本当の事を言ったんだぞ!テメェらだってその遺体を放置しただろ!!」


 「……全てが終わったら地に還すつもりだ、まだ眠るときではないと言っているような気がする俺はそう思う。

 だから!お前は俺達にとっては災厄な敵だ!!!

 滅びやがれ!!!」


 「ぐわあああ!!!!」


 メルトは覇神の至近距離の獄炎の炎に包まれ焼け死んだ。


 「覇神……」


 「魔神……俺は鈴風の分までやるつもりだ、お前もだろ?」


 「ええ、勿論よ。

 それに暴剣の分もね」


 「ああ、そうだな。

 ここから出るぞ」


 「ええ」


 そうして2人は闇の空間から出るのでした。



 そしてまた

 目を覚ますものが


 「……うっ……」

 鈴音だ。


 (ここは何処?……)


 「鈴音…」


 !?

 振り返るとそこには巫女服を着た金髪の女性が居た。

 鈴音よりも少し大きい背丈。


 「鏡子きょうこ、何でここに?……いいや、そもそも鏡子じゃないでしょ?」


 「そうかしら?私は鏡子よ、なら見せてあげるよ。

 はああ!!!」


 !?

 鏡子?からとてつもない圧が鈴音に来る。


 (この圧!まさか、本物!?)


 「分かった、貴方が本物だって。

 それで私の前に現れたと言うことは何かあるのよね?」


 「ええ、貴方を倒す……シンプルでしょ?」


 「黒の巫女になったから心配していたけど、やっぱり闇に堕ちたのね」


 「闇に?ふふっ、私は闇に堕ちてない……私は貴方と同じ光よ」


 「ならなぜ私を倒すの?理由は?」


 「巫女はこの世界に一人でいい、2人もいらない。

 世界を一つにするでしょ?闇の世界とこの世界を、なら一人でいいでしょ?」


 「……それが理由なら私は貴方と戦わない、私は必要だと思っているから」


 「そう、でも貴方の母は一人になる為に巫女見習いを倒してきた。

 だから、貴方もよ」


 「私は貴方と戦わない!!!道を開けて、私は出口を探す」


 「出口に向かいたいなら尚更私と戦わないといけないよ。

 この空間はどちらか一人になるまで出口は現れない、ふふっこれで戦うしかないね」


 「くっ……私は貴方の事を大事に思ってるだからこれまで会わなかった。

 私が強くなるまでは、絶対にって思ってた…………まさかこんな形で会うとは思わなかった」


 「私も貴方に会うために色々とやっていたわ。

 闘技場にも出たし、闇の使者と共に剣を交えたわ。

 今、私は最高の気分よ」


 「そうね、私は最悪よ」


 「この世の巫女の貴方と向こう側と呼ばれている世界の私、さぁ勝てるかしら?」


 「立ちふさがるなら……仕方ないよね……やってやる。

 けど、トドメまでは刺さないから、負けを認めなさいよ」


 「ふふっ、いいよ。

 勿論……最初から本気でやるつもりだよね?」


 「当たり前よ!!!」


 !


 ガキン!


 ガキン!


 2人の剣がぶつかる。


 「火の力、獄炎!!!」


 「させないわ!闇の力、ダークブレス!」


 黒い炎と真っ赤に燃える炎がぶつかりあう。


 「今だ!!!」


 !


 「アイスエッジ!!!」


 「くっ!!」


 鈴音の攻撃が鏡子に軽くかする。


 (避けた!?あの距離を!?でも!!!)


 (私だって黒の巫女、負けれない!)


 !?

 鏡子は迫る鈴音に向かって


 「あああ!!!」


 !?


 (ぐっ!!!これは!!大きな声で叫ぶ技……)


 「今だ!!!はあああ!!!」


 「ゴフッ!!!がっ!!」


 ドカーン!!!


 鏡子の攻撃がもろに直撃、鈴音は大きく吹き飛んだ。



 「くっ……一撃……かなり持っていかれた……」


 「さぁ立ってよ鈴音、この程度で倒れるはず無いよね?」


 「当たり前よ!!!はああ!!!」


 ガキン

 ガキン

 ガキン


 剣がぶつかりあう、それは速さだけでなく鋭さも上がっていき


 「水の力……濁竜だくりゅう!!!」



 「くっ!」


 「水を浴びたね!これで終わり!!!雷の力……雷電!!!」


 「ぎゃああああ!!!」

 見事鏡子に直撃し、しびれて倒れる鏡子。


 「もう、終わりよ。

 さぁ、出口は何処?」


 「いわ……ない……」


 「言ったよね?命までは取らないって、言いなさい」


 「ダークボール!」

 鏡子が魔法で攻撃してきた。


 しかし、私は首を横に動かし攻撃を回避した。


 「無駄だから……」


 「……いつからかな……こんな事になったのって……」

 鏡子が静かな声で言う。


 「知らない……でも……私の母よりも上の巫女はよく分かってないから……なんとも言えないわ」


 「そう……」


 「出口はあっちだよ……」

 鏡子は指差す。


 そこには大きな光が差し込んでいた。


 「鏡子はどうするつもり?」


 「ここに居る……もう動けないし」


 「そう……」


 「…ちなみにここに居たらどうなるの?」


 「無になる……つまり消えるってこと」


 !


 「……鏡子はここで消えるつもり?」


 「そうだね……私の負けだから……私は消えて貴方が巫女として全うすればいい」


 「……鏡子……それ本気?」


 「……本気?……うん、負けた以上……口うるさいのは嫌だから……負けは負けだし……」


 「鏡子は私ともう会えないけど、それでいいの?」


 「何が言いたいの?」


 「貴方をここから連れ出したい」


 「巫女は2人もいらない……異変が起きた時は貴方が常に動いていた。

 私はただ陰から見ていただけに過ぎない……弱くて愚かな巫女をもう消してほしいの」


 「嫌だ…」


 「私はもう疲れたから……眠らせて……母さんの所に行きたいから」


 「……ダメ……絶対に行かせない」


 「どうして?」


 「死ぬつもりなら尚更貴方を連れ出す。

 もう一人ぼっちは嫌なの!」


 !?


 「一人ぼっち……」


 「ねぇ、またあの頃のように戻れない?」


 「そうだね……戻れるのなら……戻っ・・」


 ザシュ。


 「え?」

 突然、鏡子の腹を貫通する剣が現れた。


 そしてそれを成し遂げたのは


 !

 「母さん!?」


 「鈴音、何をしている?トドメを刺さないから始末したわ」


 「がはぁ」

 ドサッ。

 鏡子は私の目の前で倒れる。

 そして血が溢れ出る。


 「母さん!何を!」


 「何をって、巫女は一人でいいの。

 黒の巫女は不必要な存在、貴方一人でいいの」


 「鏡子を!何で、よくも!よくも!!」


 「何、その目……まさか私を殺るつもり?産みの親の私を?

 誰がここまで育ててあげたとでも?」


 「もう少しで私と鏡子はまたあの頃に戻れるはずだったのに!

 許さない!例え母さんだとしても!!」


 「そう……なら消すしか無いわね。

 産んだ以上は私の手で貴方を終わらせる、じっくりとでは無くサッとね」


 「私は負けない、例え母さんだとしても。

 鏡子の仇を討つ!」


 「来なさい……鈴音」


 「やってやる!!!」




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