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最終話 恋心

 本当は13話の予定だったけど、修正していくにつれて話数が減っていったよ……。

 あと今回は1000文字くらいです。最終話なのに!?


 あの後、全力でイベントに参加した結果ランキングは1位。皆満足して終わったのだが、アドレナリンが出まくったこっちの身としては眠るのに苦労した。寝たのは朝の4時ごろ、睡眠時間は2時間と言ったところだ。


「相馬、大丈夫か?なんか隈できてんぞ」

「ん、ああ、大丈夫……」

「あんま、無理すんなよ」


 通学途中、時雨に心配されたが体調はどこも悪くない、それどころか元気が湧いてくる気がする。

 教室に入ると先に来ていた花恋さんに挨拶する。


「おはようございます、花恋さん」

「おはようございます、相馬さん。あの大丈夫ですか?隈がひどいようにみえますが……」


 今朝の時雨と同じことを言う。

 そんなに隈がひどいのか?後でトイレの鏡で確認しよう。


「大丈夫ですよ、昨日ちょっと眠りが悪かったでけで」

「そうですか」


 なんとか言いつつ、席に着く。

 真優はいつも通り少し遅れているのか、久しぶりに1人の時間が少しできた。


「おっはよう!相馬って、大丈夫!目の下に隈で来てるよ!」


 そんなことはなかった。


「おはようございます、真優さん。僕は至って元気です」

「いやいや、隈がすんごいことになってるよ!」

「いえ、だいじょ――」


 次の瞬間、意識が切れる。さすがに寝不足過ぎたか。


「相馬!?」


 机の上に突っ伏して眠る相馬に真優は大声を上げて驚く。

 揺さぶっても揺さぶっても眠り続ける相馬に心配が勝る。


「と、とりあえず保健室に運ぼう」


 そう言って相馬を担ぎ上げようとしたのだが、持ち上げられない。

 それもそのはず、相馬の体重は60キロに対し真優の筋力はそれほどでもない。担ぐのには少し力が足りない。


「お、重い……!」


 担ぐのに一苦労していると急に軽くなる、反対側から誰かが力を貸してくれたようだ。


「私も手伝います」

「ありがとう」


 花恋と真優は相馬を担ぎ、保健室へと運ぶ。

 保健室の先生がいてくれたのもあってベットに乗せるのは簡単な事だった。


「ふう、やれやれ、相馬も世話が焼けるね」

「全くですね」


 真優はため息を一つこぼす。

 真面目なイメージの相馬が寝不足で倒れるとは予想にもしていなかったからだ。

 それは花恋も同じなようで同じくため息を吐いていた。


「ところで真優さんは相馬さんの事が好きなんですか」

「…………え?」


 突然の質問に真優は困惑する。


「ど、ど、どうしたの急に」

「いえ、ただの友達にしては相馬さんと絡む機会が多いように思いまして」


 花恋は疑問に思っていた、普段誰とでも仲の良い真優が相馬相手になると絡みにいく頻度が多いことに気が付いたからだ。


「…………うん、アタシは好き。昔にね助けてもらった事があるの、その時から好き」


 真優は自身の秘めていた思いを口にする。

 それは長年言えずにいた相馬への思い。本人が眠っているためその返事は聞けないが、本心からの思いだ。


「そうですか……実は私も相馬さんが好きです。ゲームで知り合った時からお話をよく聞いて下さったので」


 花恋も自身の心情を語る。

 自身の悩みや学校であった楽しいことなどを語ってくれる相馬はかけがえのない存在になっていたのだ。


「……ですから、これからは恋のライバルですね」


 それに対する真優の返事は決まっていた。


「うん、これからは恋のライバルだからね!」


 今日ここに相馬を取り合う、恋のライバルが誕生した。


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