表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ありし夢の空ver2  作者: きゃっくん【小奏潤】
第7章~クリスマス~
29/33

第29話~クリスマスアフター1~

 美波の入院があったクリスマスイブ。ただの風邪のため、次の日のクリスマスには全快で大阪へ帰ってきた。


 そして、オレは思った。彼女つまり、美波といるのは楽しい、でも、それだけじゃダメなんだ。散々考えた結果、美波とは別れて、しばらく恋人は作らないことにしようと思った。


 でも、まずは、美波と美波の両親に謝らないと。美波が神戸に行くと決めて、オレが賛同しなければこうはならなかった。


 もし、クリスマスの予定を決めるときに、神戸ではなく、大阪の水族館もイルミネーションがキレイだからと言っていたら、あそこまで悪化することもなかったかもしれない。あくまでも、すべて、たられば論だけども。



 今日は12月27日。


「はぁ、寒っ」


 肉屋の山下が見えてきた。そこにいたのは美波だった。近所の小学生だろうか? コロッケを買って『熱いー!』『うまい!!』『ジャガイモホクホクー!!』と各々感想を口にしていた。そして、美味しそうに食べて走り去っていった。


「オレにもコロッケひとつください」

「あっ、蒼空くん……。 じゃなくて、50円です」

「ありがと」


 コロッケを揚げる機械でコロッケを美波が揚げている。これが彼女として見る最後の美波か……。


「はい、ありがとう」


 美波は周りにお客さんになりうる人がいないのを見て、口を開いた。


「珍しいね、わたしの部屋じゃなくて肉屋の方に来るなんて」

「ホントはクリスマスイブのこと、美波のお母さんに面と向かって謝ろうと思ってきたんだ」

「そっか、わたしもお母さんから怒られたよ。でも、最高の誕生日にしたかったから」

「誕生日? あと、今日は美波の店番何時くらいまで?」

「あっ、もう14時か。わたしはちょうど終わりだよ。お母さんのお昼休憩の代打だったの」


 美波が店舗裏の母親のいる方に向かって、『お母さーん!!』と叫んだ。そして、美波のお母さんが店の方に出てきた。


「あっ、どうも」

「蒼空くんです」

「この間はホントにすいませんでした!!」

「やだなぁ、電話でもあたしゃ言ったよ? 蒼空くんは気にしなくていいよって」

「でも、この前、ボクが神戸って決めなかったら、こんなことにならなかったはずなんです!!」

「ま、あたしゃ気にしてないから、まぁ、美波の部屋でゆっくりしていきな」

「美波いい?」

「わたしは、もちろん!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ