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ありし夢の空ver2  作者: きゃっくん【小奏潤】
第7章~クリスマス~
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第26話~浮気~

「三条先輩!! 山下が大変です!!」

「ん? キミはさっきの……。美波がどうかしたの?」

「野球部に腕を引っ張られて野球部部室に連れて行かれました!! 私、それを見ました!!」

「え、どういうこと?」

「とりあえず、野球部部室に行きましょう!!」

「そうだな」


 どうしよう、ケンカにでもなったら、自慢じゃないけど、今まで喧嘩したことないのに……。池内さんに連れられて野球部部室まで来た。


「あれ、誰もいない」

「クスッ、それは当然ですよ」

「え?」

「山下が大変ってのはウソですよ」

「え? じゃ、オレは戻るからな」

「あんなキュキュキュのおこさま体型の山下なんてやめましょうよ、先輩」


 言われてみれば、この池内さんもボンキュボンの体型だ。雨音といい、こう、オレを彼女持ちと知って誘惑してくるのは彼女の美波とは対の体型の子ばっかなんだろ。


「というか、美波はおこさま体型じゃない」

「そっか、三条先輩、まだ山下と男女の関係じゃないんだ」

「いや、恋人の関係だけど」


 気づけば、池内さんはオレの目の前に来ていた。池内さんはオレの手首掴んだ。というか握力強いな。池内さんは私服のコートの上から自分の胸にオレの手をくっつけた。


「何すんだ!!」

「クスッ、口では嫌がっても、カラダは正直ね」

「は?」

「その証拠に私の胸から手を離さないじゃない。私、もうほとんで力入れてないよ?」

「ウルセェ!!」

「なんなら、生で(・・)触りたい?」

「……」


 オレはこのあと、この手を離して一発殴ってやろうと決意した。


「無言は肯定と判断するわ」

「やめろ……」

「どうして言葉が弱いの? 触りたいんでしょう? 今日は許してあげる」


そこに放送が流れた。


「今日のクリスマスパーティーはここまでです。みなさん、楽しい冬休みを過ごしてください」


「逃がさない!!」

「離せよ!! 好きでもない男からかって面白いか!!」

「好きよ、三条先輩」

「オレは……」



好きでない!! と言おうとしたら、池内さんがオレにキスをした。しかも、濃厚な……。


快感を覚えてしまった、オレは、離せなかった。




ごめん、美波。ホントにごめん。

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