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ありし夢の空ver2  作者: きゃっくん【小奏潤】
第7章~クリスマス~
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第25話~クリスマスイブの前日~

「学校でクリスマスパーティー楽しそうだね」

「ま、わたしたちは次の日に神戸の夜景見に行きますけどね!!」


 美波はクリスマスイブの夜景見るのをすごく楽しみにしているようだ。それがこの返答でわかる。


「そうだ、今更なんだけど、美波って誕生日いつだっけ?」

「ぶー彼女の誕生日知らないなんてひどい」

「ごめんやん、そういや聞いたことなかったなぁ、と思って」

「というか蒼空くんも関西に染まってきた、よきことよきこと」

「そうかな?」


 こんな会話をしているのは美波の部屋だ。何気に『肉屋の山下』の2階の美波の部屋に来るのは初めてだ。


「実はわたし、店番もたまにしてますよ」

「そうかー、じゃーメンチカツ一つ!!」

「120円になります。もしかしたら、蒼空くんが3代目になるかもねぇ」


 ハハハッと2人で笑った。


「先生になってある程度キャリアができてから、急に肉屋の主人に転向も面白いかもね」

「そうだったね、蒼空くんは先生になりたいんですもんねぇ」

「そうだよ、まだどの教科はまだわかんないけどね」

「はい、三条先生、質問があります!!」

「なんでしょう、山下さん」


 また2人で笑った。こんな何気ないありきたりな日常が続けばいいのになぁ。



 そして、時は経ち、今日は12月23日、学校のクリスマスパーティの日だ。

学校のクリスマスパーティは夜の7時から学校全体を使って自由に過ごすというものだ。本当は、校長の意向でベストカップル賞を決めるダンスコンテストも開かれる予定だったが、時間がない関係上でそれはカットされた。


 美波と一緒にいないので、ヒミコさんと暖房が今年から設置されたらしい体育館でぼんやりぬくぬく過ごしていた。……、というか男の友だち出来たっけ? ここに転校してきてから。


「およ? よく考えたら、クリスマスなのに、空くん、今日はアリイちゃんと一緒じゃないんだ」

「そうなんだよなぁ、学年も違う訳だし、たまにはこういう時間も大事かということになって、今日は別行動なんだ」



「三条先輩!!」


 急に女の子から急に声をかけられた。


「はいはい」

「あの文化祭の時のカレーの指揮、最高にカッコよかったです!!」


 文化祭、カレーと言われても、何のことだろうか? と考えてしまった。2か月前のことなのに忘れていた。


「ん、あ、え? なんかオレ、指揮担当だったからね、あの時はテンパったなぁ」

「そう……なんですか。ちなみに私は池内(イケウチ)です。それはそうと、山下みませんでした?」

「見てないけど、美波に何かあったの?」

「わかりました。うち、友だちなんですけど、今日はべったりの彼氏のとこにいるんだろうなぁと思ってきたんですよ。では、また!!」


「お、転校せーい!! 隅に置けないねぇ」

「わっ、船原さん」


 サンタコスをした船原さんがそこにいた。


「船原サンタだ!! アハハ!!」

「何がしたいんだ?」


 船原サンタと話していると、さっき話していた池内さんが息を切らして話しかけてきた。


「三条先輩!! 山下が大変です!!」


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