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ありし夢の空ver2  作者: きゃっくん【小奏潤】
第5章~修羅場~
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第21話~デート勝負の結果~

 謎のデート勝負が始まった。その勝利条件はデートをしてオレを楽しませたほうが勝ちだ。それ、どう考えても、雨音が負けないか? 裏を返せば、雨音は絶対的に勝つ自信があるのかもしれない。


 先攻後攻のジャンケンが始まった。


「3回勝負ですね」

「いえ、5回勝負ですわ。4勝した方が先攻ですわ」


 いや、普通に一発勝負で良くないか?


「それでは、その勝負数を決めるために一発あっち向いてホイしましょ!!」

「よろしくてよ」


「あのさ……」


「蒼空くんは黙ってて!!」

「蒼空さまの関与することではないですわ」


「最初はぐー!!」


 ここだけ見るとすごく平和なんだけどなぁ。


「あっち向いてホイ!!」


 雨音がじゃんけんに勝ちそのまま、あっち向いてホイでも勝ったのだ。


「くっ、負けた。このわたしが……」


 美波はあっち向いてホイに負けてすごく悔しがっていた。負けたのはデート勝負の順番決めのためのじゃんけんの3回勝負か5回勝負を決めるための『あっち向いてホイ』だけども。


「それでは、蒼空さまとのデート勝負のジャンケンは3回先に買った方が勝ちですわ。最初はぐー!!」


 結果、美波がじゃんけん勝負でも負けた。ちょっとこの流れだと、デート勝負も負けるのでは? いや、審判がオレである以上、そんなことはない!!


 その頃の時刻は、午後6時30分。


 先攻は、雨音だ。


「さて、蒼空さま、行きますわよ!!」

「はぁ、行ってくる」


 結局、雨音はオレを商店街へと連れて行った。肉屋さんのコロッケが美味しいだとか。


「コロッケ2つ!!」

「あら、麗央ちゃん、横の男の子は彼氏?」

「いえ、違います!!」


 オレは何も考えずに否定した。


「何を蒼空さま、恥ずかしがらず。わたくしのことを彼女だと言えばいいのに」

「オレの彼女は、美波だー!!」


「麗央ちゃん、恋愛というのは、お互いに思ってこそ成立するもので、ただの片思いは恋よ? 麗央ちゃんとその男の子には、思い合ってるものが見えないわ」


 さすが肉屋のおばちゃん!! いいこと言う。


「そうね、うちの美波をよろしくねぇ、蒼空くん」


 肉屋の名前を見た。『肉屋の山下』


 山下……?


 なるほど、ここは美波の家?


「あの、もしかして、娘さんは、美波さんなのですか?」

「あはっ、そうよ。さっきの、オレの彼女は美波だー!! で納得がいったの。これからもよろしくねぇ」


「ムキー負けですわ!! このわたくしの負けですわ!!」


 そして、元いた場所に戻ってきた。


「猫の骨、いえ、肉屋の娘!! この勝負、あなたの勝ちでいいですわ」

「何があったんですか?」

「いや、肉屋の山下の人に言われたんだ。オレと雨音の間に思い合いが感じられないと」

「あぁ、それ、お母さんだ」


「山下 美波とやら、今後ともうちの息子をよろしく!!」


 オレの母さんもとりあえずは、美波のことを認めてくれるらしい。この後は恋人としてうまくいくといいけどなぁ。

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