第20話~謎の勝負~
「勝負よ!! この猫の骨!!」
雨音が美波に叫んだ。
「行こう、美波」
オレは美波とどこかに行こうと思った。ここにいては埒が明かないだろう。あてもなくぶらぶらしたり、美波の家に行くのもいいかもしれない。
「蒼空くん、行くってどこに? 皆さんを納得させるのが懸命だと思うんですけども。それに……、挑まれた勝負を戦わず逃げるのは、マンガ好きなわたし……、そうだ!! いいわ、雨音さん、その勝負のります!! 負けたら、わたしは蒼空くんとは……今後、いっさい学校だろうと、道端であろうと話しかけないです!!」
「まぁ!! では、勝負!!」
そして、始まった謎の勝負。というか、なんの勝負する気だ?
「一発勝負ですわ。蒼空さまが出した質問に先に正解した方が勝利ですわ」
「え、オレが出題者?」
「ほら、蒼空くん、早く問題を」
なんで美波がノリノリなんだよ。
「問題ねぇ」
オレの生年月日にしようと思ったが、よく考えたら、美波にも誕生日が今度の土曜日だとは言っていない。でも、美波には必ず勝ってほしい、それなら、この問題にしておくか。
「オレのファーストキスはいつ、どこ?」
「蒼空さまの……」
「待ちなさい、それでは、圧倒的に、猫の骨が有利だわ。デート対決にしましょう。そうね、蒼空を楽しませた方が勝ち。これでどうかしら?」
「いいわ、さすがお母様!! よろしくて?」
「ええ、いいわ」
そして、謎の対決は仕切り直された。




