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ありし夢の空ver2  作者: きゃっくん【小奏潤】
第3章~気付いた想い~
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第11話~インドカレー決定~

 1年4組男子が、ナンを作ると言い出したので、2年5組の男子はというと、


「ナンだったら、インドカレーだよな!!」

「くぅ、俺、めっちゃ楽しみぃ」


 などと、まるで他人事。なぁ、クラスメイトと後輩よ、男子は作る担当だよ? 一番喜んでいるのは、さきほど、オレにオムそばを問答無用に渡してきた竹中だ。あのオムそばは、船原さんがほとんど食べた。なお、その時、言われたのは『転校せーい、それでも男の子?』だった。さりげなく、傷ついたオレがいた。ふと、クラスの女子を見た。『そうだ、ラッシーがあってもいいんだラッシー』と完全にインドカレーモードになっている。ふと、誰かがつぶやいた。


「そう言えば、予算ってどれくらいなのだろうか……」


 それによっては、だいぶ作るものが変わってくる。オレが有名レシピサイトでインドカレーの作り方調べたら、けっこうスパイスがいる。それにナンには簡単に作るにしても、魚焼きグリルがいる。グリルとか学校にあるのだろうか……。ラッシーはヨーグルトさえあればなんとかなりそうだ。


「予算……」


 他のクラスの模擬店は試作段階に入っているところもあるみたいだ。そして、どうやら食べ物系統は1年4組と2年5組の合同模擬店だけのようだ。つまり、客の胃袋は我々の模擬店にかかっているのだ。予算を担任も気にしていたようだった。


「そこまでインドカレー作りたいなら、わしらのポケットマネーからある程度は出してやろうと思ったんだけど、昼休みの視聴覚室無断使用の件もあるから、ポケットマネーは出さないぞ。飲食がここだけだから、特別に予算増やしてもらう申請をしよう。許可が下りるまでは、話し合いだけの方向で」


 1年4組のおじいちゃん先生が大きな声で教えてくれた。


「今は予算気にしなくていいなら、このレシピとかどう思う?」


 オレが提案したレシピはクミンやターメリックがふんだんに使われたインドカレーのレシピ、魚焼きグリルで焼くナン、ミキサーの不要なラッシーのレシピだ。


「いいじゃない、空くん!! 他の男子でレシピ探したやついる? いないよなぁ!! 三条 蒼空が探してくれたレシピで決定!!」

「転校せーい!! 現場指揮よろ」


「え、ちょ、オレ、料理経験ないんだけど」

「レシピをしっかり読み込めば料理はできるよ!!」

「わたしたち、女子には試作の味見はさせてよね」


 『なんだよ、また三条の1人舞台かよ』と2年の男子の誰かがぼやいた。違うんです、1人舞台じゃないんです。絶対的にクラスメイトや後輩の協力が要ります……。


「そういや、先輩方とクラスメイト!! お忘れではないでしょうか?」


 アリイちゃんが急に立ち上がって言った。


「カレーで盛り上がるのはいいんですけど、当初の予定では、男女衣装交換のことはどうなったんでしょうか? 今日、ずっとカレーのことばっかで……」

「あっ」


 一部の生徒は、顔を見合った。オレは男女衣装交換のことは覚えていたし、アリイちゃんのおかげで、用意も万全だ。


「はてさて、この我々のクラスの合同模擬店どうなることか……、楽しみじゃの」


 1年4組のおじいちゃん先生は楽しそうだった。

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