表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ありし夢の空ver2  作者: きゃっくん【小奏潤】
第3章~気付いた想い~
10/33

第10話~クーデター~

 アリイちゃんと大阪市内の大型商業施設(さんくゆー)で文化祭の合同模擬店の男女交換衣装を買って動物園に行った。休みも明けた。


 文化祭の合同模擬店でのオレのクラスの出し物はカレーで男女で役目を交換するというものだ。普通のカレーよりもカレーうどんの方がオレは好きだ、そもそも忘れそうなのだが、オレは一応、まだ転校してきてそんなに時間が経っていない。せいぜい、2週間くらいだ。今、思い返すとこの2週間いろいろあったなぁ。


 おっと、回想といってもそんなにガッツリ思い出してはいないが、これくらいにしよう。


 今は昼休みで学食で好きなものを頼んだり、学食の一角のパンだけを売っているコーナーでパンを買ったり、家から弁当を持ってきたりしている生徒がいる。9月も半ばだが、まだまだ暑い日が続いている。そのため学校としては食中毒対策で、家から弁当はできたら持ってきてほしくないと言っていた。え、文化祭、10月だけど、飲食物大丈夫? そんなことを考えながら、オレは学食でカレーパンと練乳ミルクフランスと自販機で紙パックの『あま~いコーヒー』を買った。この『あま~いコーヒー』は商品名であり、どちらかというと苦い方だ。練乳ミルクフランスはデザート代わりに食べようと決めていた。教室でカレーパンを頬張っていた。


「カレーパンうめぇ」


「空くん、カレーは好き?」

「転校せーい、どうだ?」


 オレに話しかけてきたのは、クラスメイトのヒミコさんと船原さんだ。いつまで……というか、オレは船原さんに名前覚えてもらえるのだろうか? ちょうどオレは学食のカレーパンを教室で食べていた。なお、さっき、クラスメイトからなぜか『買いすぎた、食べられないからオムそばあげる』ということで問答無用に渡されたものもあるのだ。確か、竹中(タケナカ)だったけ? あいつ。改めてみると、この学食のオムそばでかいな。


「カレーねぇ、オレはカレーうどんの方が好きかなぁ。あのカレーらしからぬ顔してカレーらしさもキチンとある感じのカレーうどん。あ、カレーと言えば、インドカレーは、ナンで食べてやばいくらい美味しかったの覚えてるなぁ。でも、多分、あういうのって日本人向けにアレンジ繰り返されてるんだろうなぁ」

「ナン!! それだ」


 ヒミコさんは何かに納得してその場を去った。そういや、ヒミコさんって、Togetherのフォロワーの『ヒミコ』さんなんだよなぁ。あれ? そういや、この学校に転校してきてから、リプライもいいねもDMも、『ヒミコ』さんから来てないな。WIREはちょこちょこ来てるけど。もちろん、ちゃんと返信はしている。


 その日の午後の文化祭の打ち合わせの時間になった。1年4組と合同模擬店なのだが、どうも1年4組の男子が不服そうだった。そこで、オレの横にいたアリイちゃんにオレは聞いた。


「な、1年の男子、なんかあったの?」

「あーはい、蒼空先輩、ありましたねぇ」


 アリイちゃんの話を要約すると、カレーも男女服装交換もやめて、クーデター起こそうぜ!! と言い出して、男子だけで視聴覚室に集まって、R18な映像作品を見ていただとか、見ていないだとか。それが先生にバレてとても怒られた。これがさっきの昼休みの話、と言うことだった。


「アホだ」

「そうですよ!! 男子なんておバカの塊です!!」


 ふと思った。この話を聞いた以上、いくら転校生といえど、上級生としてクーデターを起こそうとした理由聞くべきなのでは?


「あのさ」


 オレが1年の男子に聞こうとした。すると、1年の男子が声をあげた。


「オレたち1年4組男子はー!!」


 あぁ、いよいよ、クーデターが始まってしまうのか……と思った。


「ナンを作ります!!」


 クーデターの話を聞いていたオレは、思わず、1人で心の中で、『ナンかよ!!』とツッコんでいた。


 あれ? ナン? カレーに合うあのナンですか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ