大和に想いを寄せる紬
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「クリスマスはどうするの? 先生と一緒に過ごすの?」
「んー、今の所は未定かな」
大切な話が終わって蟠りが解けた頃。
私達は駅ビルに入っている雑貨屋のクリスマスコーナーを一緒に見ていた。
紬は季節の陳列棚の前に足を止めると、花が咲いたように微笑んだ。
「わぁ! カワイイ。見て見て。このサンタクロース手のひらサイズだね。膝の所が紐になっているから、座らせると足がプラプラするよ」
「どれどれ? ……あ、ホントだ! カワイイ!」
紬は手のひらサイズの木製のサンタクロースの置物が目に止まって手に取った。
指でサンタクロースの足元をちょんちょんとつっつき、つま先を揺らす。
「クリスマスにイケメントリオとパーッとクリスマスパーティをするのも楽しそうだね!」
「そうだね。……でも、蓮はいいとして、大和も奏も忙しいんじゃない?」
……と、何気なく大和の名前を出した途端。
紬は焦ったように顔を赤くして、手に持っていたサンタクロースの飾り物を床に落とした。
きっと紬は、階段から足を踏み外そうとした時に、後ろから抱きしめて助けてくれた大和の事をフラッシュバックしてしまったのではないかと思った。
私の恋を一生懸命応援してくれる紬だけど、自分の恋愛となると消極的。
控えめな性格が損をしているのかな。
一方の大和は、人と交際する気が全くない。
何か力になってあげたいけど、何も出来ない現状。
自分の恋ですら満足出来ていない私には、一方通行の紬の恋愛をどう応援していいかわからない。




