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目を腫らす理由




ーー梓が高梨と別れてから、2日後の月曜日。

暗い顔で目を腫らしながら登校すると、紬は異変に気付いて梓の肩をそっと抱いて人通りが少ない理科室前へと連れ出した。




「大丈夫? 学校辛い? 蓮くんとは同じクラスだから顔合わせにくいもんね……」




そう……。

紬は何も知らないから蓮の事で思い悩んでいると思ってる。


だけど、今回の悩みは違う。

先生を傷付け事が想像以上に苦しくて、涙の週末になった。




「違うよ、蓮の事じゃない。……あのね、今から紬に大事な話があるの」


「何かあったの?」



「私、土曜日に先生と別れたんだ」


「えっ、どうして……」



「先生の建前はお互いの歯車が噛み合わなくなってた事にしてたけど、実際は私の気持ちが離れていた事や、蓮に寄せている気持ちに気付いてたんだと思う」




紬は傷心している梓の気持ちを汲んで背中を二回さすった。

梓の涙を見た途端、今日まで秘密にしていた話を明かした。




「実は私……、先日高梨先生を呼び出して梓が嫌がらせをされている話をしたの」


「だから先生はその事を知っていたんだね」



「もしかして、それが別れの原因に?」


「ううん、それは違う」



「梓が酷い目にあっているのに、助ける気配すら感じられなかったから、ついひとこと言いたくなって……」


「先生は嫌がらせの事を知らなかったでしょ」



「うん。だから、蓮くん以上に努力して守って欲しいと伝えたの。その時に蓮くんが偽彼氏として梓を守っている事を明かしたから、それが別れの原因になったかと」


「ううん、違うよ。蓮が偽彼氏なのは先生も知ってたから」



「…………私、余計な事しちゃったかな」


「いいの。先生とはあの日に別れようと思っていたから」




甘かった……。

先生、そして紬に気持ちを伝えない事が、こんなに迷惑をかけていたなんて。




「先生の事は好きだった?」


「うん、好きだった。心が広くて優しくてわがままを受け止めてくれて。だから、つい甘えて最後は傷つけちゃったよ。バカだね、私……」



「梓……」




紬は梓の想いを受け取ると、肩を寄せてギュッと抱きしめた。

そしたら、梓の涙が止まらなくなった。




辛い気持ちは心の中に留めてないで、こうやって少しずつ素直に伝えていけば楽になっていくのかな。


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