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猫です。~猫になった男とぽんこつの元お嬢様の放浪旅~  作者: 鍋敷
森の精と嘆きの巫女 フラリア王国編

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鏡を追いかけました

「大部遅れを取ったな。急ぐぞ。」


にゃん。


 飛ばした方が良さそうだね。

 だいぶ持っていかれてるかもだし。


 どれぐらい進まれたのかは分からない。

 なので、全速力で果樹園の横を抜ける。

 そのまま果樹園を抜けて、草原へと出る。


「っ、なんだこれはっ!」


 あまりの光景に足を止めてしまう。

 そこでは、ハンター側とリザードラが争っていた。

 しかも、かなりの数がぶつかり合っている。


 小競り合いなんて規模じゃないね。これ。

 おっと、鏡を探さなきゃ。


 辺りを見渡す。

 すると、森までの道の中間ぐらいにいるのが見えた。


 あ、いた。

 まだ、大丈夫そうだね。


にゃっ!


「なるほど、あそこか。行こう。」


 フィーに知らせて気づかせる。

 そして、再び駆け出す。

 すると、その間に立ち塞がるリザードラがこちらに気づく。


 ご丁寧に護衛を置くなんてね。


「思ったより体勢が整っているな。」


にゃ?


 どうするの?

 このままだとぶつかっちゃうけど。


「このまま正面突破するぞ。数は多い。連戦を覚悟しておいてくれ。」


にゃん。


 だよね。

 準備は出来てるよ。


 目の前のリザードラがこっちに来る。

 こちらの狙いが鏡だと気づかれたようだ。


「行くぞ!」


にゃん!


 先手は任せて!


 まずは四匹が来る。

 それに対して、俺が前に出る。

 接触する瞬間、ポイントダッシュで蹴っていく。


にゃ、にゃ、にゃ、にゃん!


「はっ!」


 空いたリザードラの中にフィーが入る。

 そして、剣を抜くと同時にまとめて斬り飛ばす。


「良いぞ! 次!」


 復活されるが気にしない。

 抜けてしまえば良いからだ。


にゃん!


 次来た!

 って、対策されてるっ。


 先程の戦いを見てたのだろうか。

 今度は五匹が離れて迫ってくる。

 まずは、先頭の三匹と接触。


「一匹任せた!」


にゃ!


 了解!


 俺が真ん中の一匹を蹴り飛ばす。

 すると、両側がこちらを見る。

 その隙に、そいつらをフィーが斬る。

 しかし、そこに二匹が飛び込んできた。


「合わせろ!」


にゃん。


 合わせるよ!


 一匹は、俺が蹴って止める。

 もう一匹は、フィーが攻撃を逸らした後に首を跳ねる。

 そして、止めた奴をフィーに向かって蹴り飛ばす。


「はっ!」


 そいつをフィーが斬り落とす。

 すると、最初に飛ばしたのが来る。

 フィーに向かって蹴りが来るが。


にゃ。


 させないよ!


 俺が腹を蹴って足止め。

 そして、その横を抜けるついでにフィーが首を飛ばす。

 そのまま抜けて次へと向かう。


「次はっ、中型か!」


 小型では無理だからと中型に変化したようだ。

 だからといって止まる理由はない。


にゃっ!


 俺が首のない小型を蹴り上げる。

 そして、中型へ向けて蹴り飛ばす。


 どうせ火には弱いんでしょ?


 ついでにと、火の玉を投げ飛ばす。

 中型に小型がぶつかった直後に、火の玉が直撃。

 小型を火種に燃え上がる。


「良いぞっ。そこだっ!」


 フィーが足を斬り落とす。

 すると、相手が後ろに倒れると同時に後ろへ回る。

 そのまま落ちてくる首をはね飛ばす。


「よし。もう少しだ!」


 段々相手が見えてきた。

 どうやら、運ぶのに苦労しているようだ。

 たどり着くまでもう少し。

 しかし、相手も黙ってはいない。


「中型二匹っ!」


 今度は、中型二匹が現れる。

 しかし、焦って作ったようで武器が間に合っていない。

 ならば、警戒する必要はない。


「にゃんすけっ! 足だっ!」


にゃん。


 そういう事ね。

 ほいっ!


 俺が二つの火の玉を飛ばして投げる。

 それらは、二匹の隣り合う足に直撃する。


「良いぞ! そらっ!」


 その焼けた二つの足をフィーが斬り落とす。

 すると、二匹の中型が体勢を崩してぶつかり合う。


「今の内だっ!」


 二匹が倒れる内に奥へ進む。

 そして、ついに鏡を運ぶリザードラが目の前に現れる。

 その直後、かなりの数の小型が流れ込んできた。


「くそっ。闇雲にも程があるぞ。」


 全くだよ。

 でも、小型ならまとめて吹き飛ばせば。


 そう思った直後だった。

 小型が合わさり大きく膨れ上がる。


「まさか、大型だと! もう少しだというのに。」


 大型になったリザードラが立ち塞がる。

 その間にも、鏡はどんどん離れていく。

 すると、空を飛んでいたフォルがこっちに来る。


「何かが起こってると思ったら。どうして来たんだ。」

「祭りに使われる鏡が奪われた! 奴ら、あれで何かをするつもりだ!」

「何だとっ!」


 大型の向こうをフォルが見る。

 そこでは、必死になって鏡を運ぶリザードラ達がいた。


「確かに、大事そうに運んでいるな。何をする気だ。」

「分からん。しかし、何かを企んでるのは確かだ。っと。」


 大型が、俺とフィーに向かって拳を振り落とす。

 それを何とか避ける。


「まずはこいつをどうにかしなきゃだな。」

「いや、私が何とかする。だから、あれを止めてくれ!」

「しゃあねぇ。任せろ!」


 鏡に向かってフォルが飛んでいく。

 そして、フィーと俺が大型と向き合う。

 すると、再び拳を振り落とす。


「にゃんすけ!」


にゃっ!


 任せて!

 どうせ火に弱いんでしょ!


 フィーが拳を避けたと同時に駆け出した。

 そして、その先の足首に火の玉を当てる。

 すると、焼けた場所をフィーが斬り落とす。


「なるほど。火を受けた場所なら行けそうだな。」


 火を受けた事により、表面が弱くなったのだ。

 それならフィーでも切り落とせる。

 しかし、今は構っている場合ではない。


「鏡が優先だ! 行くぞ!」


にゃん。


 そうだね。

 急ごう。


 動けない相手はほっといて鏡を目指す。

 今はとにかく鏡が優先だ。

 すると、フォルが先に鏡へとたどり着いた。


「良く分からねぇが返して貰うぜ!」


 そのまま飛び込むように、ナイフを持って突っ込んだ。

 素早く後ろを担ぐ一匹を落とす。

 更に、もう一匹を落とすべく向かうが。


 その直後、見えない壁に弾かれた。


「ぐあっ!」


 そして、見えない何かに吹き飛ばされる。

 フォルが地面を転がっていく。


「大丈夫かっ!」

「あぁ、何とかっ。でも。」


 鏡を逃がしてしまう。

 しかも、その鏡が掬われる様に宙に浮いた。

 そして、森の方へと飛んでいく。


「鏡がっ!」

「おいおい。どういう事だよ。」


 森へと飛んだ鏡が、入り口の前に止まる。

 せっかく目の前まで来たのに離れてしまったのだ。

 その直後、辺りに声が響き渡る。


「ご苦労。お前達。」


 その声に、辺りにいた者達が動きを止める。

 その声の主を探しているようだ。

 しかし、見当たらない。


「鏡は手に入れた。実に良くやった。」


 すると、その場のリザードラが森へ向かってひざまづく。

 そこにいる何かに向かって。


「おいどこだ! 出てきやがれ!」


 一人のハンターがしびれを切らして叫んだ。

 すると、森の入り口にうっすらと何かが浮かび上がる。


「いいだろう。協力してくれたお礼に姿を見せてやる。」


 浮かび上がった何かの姿が鮮明になっていく。

 それは、四つ足の大きな蜥蜴。

 そして、鏡を包む長い舌。

 見上げるほどの大きなそれが、森から上半身を出している。


 あれってもしかして俺のいた世界の蜥蜴?

 ちょっと違うけど確かにそうだ。


「な、なんだこりゃ!」

「見て分からんか? こいつらの王だ。」


 まさかこいつが黒幕?

 王って言ってるし。


「王だと? ふざけんなっ!」

「ふっ、哀れだな。」

「何だとっ! ただの化けもんの癖に!」


 またハンターが吠えた。

 すると、王を名乗る蜥蜴が目を細めた。


「やはり哀れだ。吠える事しか出来ないのだからな。」


 叫ぶハンターと違い、荒立てたりはしない。

 ただ静かに、草原のハンター達を見下ろしている。

 まるで、下等な生き物に呆れるように。


「言って分からんようだから改めて自己紹介をしよう。我はこの森の王。そして、この世の王になる者。その名もドルンガ。しかと、その足りない頭に刻むが良い。」


 急に現れた黒幕。

 その正体は、ドルンガと名乗る森の王だった。

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