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猫です。~猫になった男とぽんこつの元お嬢様の放浪旅~  作者: 鍋敷
大蛇祭る隠れ村 フラリア王国編

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双子の親、参戦です

 マッチョ達が、ゴブリンの群れに突撃。

 それだけで、複数のゴブリンが吹き飛ばされた。


「おらっ!」


 目の前のゴブリンを凪ぎ払っていく。

 斬って、投げて、握り潰す。


「まとめてこいやぁっ!」


 どんどん群れの数が減っていく。

 ゴブリン達が攻撃を受ける度に空を舞う。

 もう、戦意は崩壊。

 降ってくる仲間に怯えて走り去る。

 その先にマッチョが着地する。


「どこ行こうってんだ?」


 ゴブリンの頭を掴んで持ち上げる。

 そして、ゴブリンの首に鉈を振り下ろす。


「ひいっ。おかしい。どうなっている。」


 被り物のゴブリンが頭を抑えてもがいている。

 これだけのゴブリンの群れが押されているのだ。

 しかも、それだけでなく。


「でけぇだけじゃあ、勝てねぇぜ。」

 

 オークの攻撃をかわしたマッチョが胴体を斬る。

 後ろに押し込んで、倒れたところで首を斬る。


「ふざけるなっ。くらえっ!」


 被り物のゴブリンが炎の玉を投げた。

 しかし、他から来た炎の玉で打ち消される。


にゃん。


「貴様っ。」


 させないよっ。

 お前の相手は俺達だっ。


 空中をかけて被り物のゴブリンに近付いた。

 そのまま、地面にキック。

 落ちてきた所を、フィーが斬りかかるが。


「まだだっ。」


 魔法で剣を作った被り物ゴブリンがそれを防ぐ。

 押し込んで立ち上がった。


「私は魔法剣士なのだよ。残念だったな。」

「にゃんすけっ!」

「はっ?」


 降りてきた俺が、被り物のゴブリンの顔を蹴飛ばした。

 ゴブリンが剣を離してすっ飛んだ。

 フィーが、すぐさま駆け出す。


「とどめだっ。」

「させぬっ。」


 急な横やりが、フィーの長包丁を止める。

 さっきの、剣使いのゴブリンだ。


「ちっ。埋まらなかったのか。」

「顔と腕以外は埋まったさ。もうだめだと思ったら掘り起こされた。危ない所だった。」

「良く喋るじゃないかっ。」


 長包丁を引いて、バランスを崩す。

 そのまま横にそれたフィーが、相手の首に斬りかかる。


「お陰さまでな。」


 しかし、防がれる。

 とっさに剣を振り上げフィーの長包丁を弾く。


「お陰で俺の怒りはマックスだ。」

「そいつは、どうもっ。」


 もう一度、フィーが長包丁を振り下ろす。

 それを今度は、両手の剣で防がれる。


「本当にムカつく奴だ。でも。」


 剣使いのゴブリンが回し蹴りで、長包丁を弾いた。

 それによってあいた隙に剣を振り下ろす。

 フィーが、持ち手を引いて防ぐ。


「もう終わりだ。」


 剣使いのゴブリンが、もう片方の剣を振り下ろした。

 すると、長包丁が砕けた。


「しまったっ。」


 ちょっ。まじですかっ。

 今助けにっ。


「させぬっ。」


 目の前に、魔法剣士のゴブリンが現れる。

 助けに行く事が出来ない。


「死ねっ。」


 フィーに剣が振り下ろされる。

 それを後ろにかわす。


「ちっ。」

「無駄だっ。」


 今度は剣を突き出した。

 避けられない。


「ならばっ。」


 フィーが足を蹴り上げた。

 それは、相手の顎に当たった。

 後ろに吹き飛ぶ、剣使いのゴブリン。

 しかし、くるりと回って着地。


「しぶといなっ。でも、武器が無いとどうする事も出来ないだろう。」


 その通りだ。

 武器がなくては、これ以上防げない。

 今すぐ、助けに行きたいんだけど。


「おっと、これ以上は行かせないぞ。」


 魔法剣士のゴブリンが、剣を突きつけてくる。

 ここから、全く動けない。


「さぁ、一緒にあの女が死ぬ所を見るのだ。」


 断る。

 と、言いたい所だけどね。


「死ね。」


 剣使いのゴブリンが、フィーに向かって駆け出した。

 すると、その顔にフルーツが。


「この人に手を出すなっ。」

「そうよ、離れなさいっ。」


 二人の男女が現れた。

 女性がフルーツを投げて、男性が槍を向ける。


「危ないっ。あんたたちじゃ勝てないぞっ。」

「分かってる。でも、娘達が世話になった人に手は出させん。」

「娘? じゃあ、あんた達は。」

「あぁ、双子の親だ。」


 そう言って、女性がフルーツを投げて、男性が突く。

 しかし、両方とも叩き落とされてしまう。


「効かぬっ。」

「それでもっ。」


 男性が再び突いた。

 しかし、かわされ蹴飛ばされてしまう。


「だから無駄と言ったんだ。」

「あなたっ。」


 女性が、フルーツを投げる早さを上げる、

 それを、剣使いのゴブリンがかわしていく。

 そして、投げるフルーツがなくなった。


「ふっ。」


 そっちは無視して男性の下へ駆け出した。

 すると、フィーも駆け出す。

 男性が持っていた槍を掴んで刺す。


「おっと。させんっ。」

「くっ、どこまでもっ。」


 かわされるが引き離せた。

 さらに、突く。


「くそっ。」


 またかわされるが、さらに突く。

 今度は剣で弾くがまた突く。


「こいつっ。」


 さらに弾かれるも、さらに突く。

 段々、フィーの手数が増えていく。

 もう、避けれる余裕はない。


「何、遊んでやがるっ。早く斬れ。」

「分かってます、でも。」


 守るので精一杯なのだ。

 しかも、それだけでなく。


「一発一発が鋭く。」


 まだまだ、鋭くなっていく。

 確実に、こっちを抉りとる一撃。


「くそっ。」


 捌ききれない。

 その時、フィーの攻撃が止んだ。


「ふっ、もらったっ!」


 剣使いのゴブリンが隙を突いて攻撃を仕掛ける。

 しかし、その攻撃が出る事が無かった。

 何故なら。


「ぁっ。」


 フィーから漂った殺気に意識が飛んだからだ。

 そして、脱力して尻餅。

 その直後、首があった所に槍が通った。


「おい、しっかりしろっ。」

「あ、あっ。」


 意識はない。

 しかし、生き物の本能が迫る槍を弾いた。

 その感触で、意識が戻る。

 再び、フィーの攻撃が始まった。


「なんだ、あいつ。」


 さぁ、俺も分からん。

 しかも、こいつが叫ぶまで俺も意識を奪われてたからね。

 何が起こってるんだ?


「こいつ、やばい。でもっ。」


 フィーが突いたのに合わせて剣を振り上げた。

 そして、もう片方の剣で槍を割る。


「粗いっ。」


 そして、思いっきりフィーを蹴飛ばした。

 吹き飛んだフィーは立ち上がらない。


「はっ。何とか勝てた。」


 やばい。

 今度こそ負けるっ。


「早くこいつをやれっ。」

「当然だっ。」


 被り物のゴブリン達が焦っている。

 それだけ、やばいと思ったのだろうか。

 剣使いのゴブリンが駆け出した。


「今度こそっ。」

「させねぇって言ってるだろっ。」

「邪魔だぁ。」


 前に出る男性を蹴飛ばした。

 吹き飛んだ、男性に剣使いのゴブリンが迫る。


「そんなに、死にてぇなら先に殺してやるよ。」


 男性の目の前に立って剣を振り上げる。

 すると、女性が駆け出した。


「やめてっ。」

「うるせぇよっ。」


 近付いて来た女性を蹴り飛ばした。

 そして、再び剣を振り上げる。


「安心しろ。まとめて殺してやる。でもまずは、お前からだっ。」


 まずいっ。こうなったら、一か八かっ。


「させぬっ。」


 助けに入ろうとするも邪魔をされる。

 健闘もむなしく、振り上げた剣が振り下ろされる。

 その直後。


「「父さんっ、母さんっ。」」

「あん?」


 思わぬ声に、ゴブリンの剣が止まる。

 そっちを見ると、双子がいた。

 どうやら近くまで来ていたようだ。


「お前たちっ、なんで来たっ。」

「お父さんとお母さんも戦っているから。」

「だから、私達も戦うんだ。」

「「だって、私達は家族だから!」」


 守る為に、ここまで来た。

 たとえ、危険な場所だとしてもだ

 しかし、双子の親は…。


「駄目だ! 早く離れろ!」

「やだ!」

「私達も皆と戦うんだ!」

「お前達…。」


 双子の覚悟に、双子の親が言葉を失う。

 すると、剣使いのゴブリンがにたりと笑った。

 剣を下ろして、双子を見る。


「なんだ、お前たちの子供か。ちょうど良い。見せしめに殺そう。」

「おいっ、余計な事をするなっ。早くあの女をっ。」

「良いじゃないですか。少しぐらい、仕返ししないと気が済まないんですよ。」

「おいっ!」


 剣使いのゴブリンには、もう言葉は届かない。

 それでも、双子はゴブリンを睨む。

 その光景に、双子の親がお互いを見合って頷き合う。

 そして、双子の元へと駆ける。


「させんっ!」

「あ?」


 双子の横に立つ双子の親。

 ゴブリンが睨むも、無視して双子見る。


「そうだったな。俺達は家族だもんな。」

「えぇ。一緒にこの村を守りましょう。」

「「うん!」」


 一緒にすごして来た家族だ。

 ならば、思いも同じ筈だ。

 生まれ育った村を守りたいという思いは。

 しかし、そんな思いをゴブリンが睨む。


「そんなに一緒に死にたいかっ。なら、一緒に死なしてやるっ!」


 剣使いのゴブリンが駆ける。


「来るなら来い!」

「あんたなんかに、殺されてやるもんか!」

「「私達の村を返して!」」


 双子と双子の両親が待ち受ける。

 逃げずにゴブリンを睨む。

 それでも、容赦なくゴブリンは迫る。

 次の瞬間、剣を振り下ろした瞬間に何かがそれを防ぐ。


「なっ!?」

「だから言ったのだっ、ばかもんがっ。」


 剣を防いだのは割れた槍の先。

 それを持っているのはフィーだ。

 今度はフィーが、にやりと笑う。


「「嬢ちゃん!」」

「「フィーお姉ちゃん!」」

「何か良く分からんが、すっきりした気分だ。」


 もう殺気はない。

 しかし、あの時、あの瞬間の目のままだ。


「随分と暴れてくれたようだな。今度は、こっちの番だ。」


 剣使いのゴブリンを睨む。

 そして、割れた槍をしっかりと握りしめる。

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