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第8話:勇者、仲間達に襲われてしまう

 

 辺りも暗くなってやる事もなくなったので、俺は就寝するために布団をテントに敷いていた。

 おそるおそる後ろを振り返ると、ロザリー、レスティア、エルザの三人が、寝巻き姿のままテントの中で座っていた。



「ほ、本当に四人で寝るつもりなのか?」と俺はロザリーに尋ねた。

「当たり前でしょう。どうせ寝るならみんな一緒に寝た方が楽しいじゃないの」



 ロザリーは当然のようにそう答えた。

 俺はこれから、この三人と一緒に寝る。恋人のロザリー、妹のレスティア、恋人じゃないエルザ。色々と絵面がヤバすぎる。ロザリーとレスティアの3人でスヤスヤするだけでも、問題ありなのに、なぜか恋人でもないエルザまで加わってる。

 エルザが連れてこられた理由はロザリーの独断だ。レスティアの後ろめたさを緩和する意味合いもあるかもしれないが、流石に恋人でもなんでもないエルザを連れてくるのはマジでヤバイって!


 とりあえず、レスティアだけでも意見を聞いておかなければならない。彼女は俺の妹だ。兄として、大切な妹に、望まない事を無理やりさせるわけにはいかない。


「つ、辛くなんてありません! むしろ泣きたくなるほど嬉しいです! ロザリーが授けてくれたこのチャンス。私は決して失いたくありません! 私はいま倫理観を捨てます!」

「よくぞ言ったわねレスティア! アンタ立派よ!」


 ロザリーはレスティアの背中を叩いた。

 俺の恋人やべーよ。俺の大切な妹に変な事を吹きこまないでくれよー。時間が経てば経つほど、レスティアと一緒に寝ることに対して、背徳感を覚えている俺。

 しかし、正気に戻りつつある俺に対して、ロザリーとレスティアのテンションはおかしな事になっている。

 今回の事を決行するにあたり、ロザリーは普段は飲まないお酒を飲んだ。レスティアも飲んだ。

 ちなみにこのお酒は【神酒】であり、本来は神様に捧げるためのお酒だ。人間が飲むためのものじゃない。

 覚悟を決めるためか、二人は夕食で浴びるように飲んでいた。ちなみに俺とエルザはシラフだ。一滴も飲んでいない。


「お、おいアレス。私にはなにも言ってくれないのか? 私も条件的には一緒だと思うぞ。無理やり連れてこられて、すごく困ってる」


 むしろエルザの方が焦っているようだ。額から汗をダラダラ垂らしてソワソワしてる。


「なに今更尻込みしてんのよ。ここでアレスと寝なかったらこれからずっと私達三人のやり取りを遠くで観戦する羽目になるわよ。そんな地獄みたいな状況嫌でしょ。いい加減素直になりなさい。アナタも本当はアレスと一緒にチュッチュしたかったはずよ!」

「そうですよ。ロザリーの言う通りです! 妹の私でさえ兄と寝る事に覚悟を決めてるのですから、血の繋がってないエルザが怖気づくなんてあってはなりません! カノープス様もきっと怒り心頭です!」

「う、うう……あ、アレス助けてくれ……!」

「それにしても、レスティアはずるいわ」

「どういうことですかロザリー?」

「だってアナタ。妹モードと聖女モードの二種類で甘えることができるって事じゃないの。一粒で二度おいしいじゃないの」

「い、言われてみればたしかにそうですね。これまでデメリットとしか思ってませんでしたが、一回既成事実を作ってしまえばめちゃくちゃ強みになりますね。流石ですねロザリー。やっぱりアナタは私達パーティの大魔導士です」

「でしょう~☆ 私の寛大さをありがたく思いなさい!」

「はは~! ありがたき幸せ~」


 完全に酔っぱらってるからか、二人のテンションが明らかに異常だ。


「ほ、ほらロザリー、レスティア。お前達はいま、酔っぱらっていて正常な判断ができてないんだ。今日はもうやめにしよう、な?」

「うっさいわねっ! ヘタレ勇者! 実の妹泣かせといて常識語ってんじゃないわよ! 黙って私達を受け入れなさいよっ!」

「えぐっ……えぐ……。に、兄さん、私を捨てないでください! 私はもう兄さんしかいないんですっ!」


 ロザリーとレスティアが突如襲い掛かってきた。俺はテントの中で押し倒される。

 やばい、このままじゃ逆レイプされてしまう! 助けてなのだ!





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