1.プロローグ
久しぶりの話です。続けていけるか、不安です。
フォン・ラージュ王立学園。フォン・ラージュ王国が、精鋭を育てる為の魔法使いの学校。この国、いや、各国共通認識の職業。だが、その力は、王侯貴族の人間だけにしか、現れないと言う。
私は、男爵令嬢の生まれで、父が、爵位持ちだったが、私に引き継がれた魔力は少なくて、優秀な王立学園に通わせてもらったけど、到底敵う訳もなかった。こういう人たちって、子供時代に、基礎的な知識をお金を掛けて、学び、そもそも王侯貴族の血が強ければ、強いほど、魔力は上がると言う。
だから、元々の素質がものを言っているのだから、何をしても、元々実力を兼ね備えた身分の高い人の舞台。
だから、そこで、男爵令嬢で、学園一落ちこぼれだった私は、18歳の夏。魔物討伐の探検所で、窮地に陥って、みんなに見捨てられた運命だったんだ……
だって、私は、所詮落ちこぼれなのだから、でも、大好きな至さんに、捨て置かれるなんて、ないな……!
でも、まだ好きな気持ちが、消えていかない。例え、
至「この落ちこぼれは、捨て置いて、逃げるぞ!」
なんて、言われたって、一度愛してしまった以上、気持ちは、消えていかない。
でも、一度でも、至さん、公爵茅ヶ崎令息・至様に、声を掛けて頂きたかったな……。
もう、死ぬまで追い詰められたこの状況を打破する手など、この手には、残っていないんだけど。