「君に死神の力を与える、その力でこの世界を救ってほしい」
今回は転生理由などの説明になります。
長くなってしまったので次回の初めに簡単に説明をします。
飛ばしてもらっても大丈夫です。
目が覚めると石造りの壁と柱が並ぶ神殿のような場所にいた。
起き上がって見回すと近くに誰かいた。
中世的な顔立ちで10歳くらいの子供がキリストみたいな白い服を着ている。
「君に死神の力を与える、その力でこの世界を救ってほしい」
いきなりとんでもないことを喋りだした。
「何でだよ!お前は誰だよ!ここはどこだよ!」
異世界小説やゲームが大好きな俺でも情報量が少なすぎて困惑する。
「私はの名は天使ペッパー、ここは神々の力が溢れる世界クラピス、事故で死んだ君の魂を有効に活用するために肉体と力を与えることになりました。」
「そうですか」
凄く簡潔に説明を受ける、よくある異世界転生ということだろう。
「詳しくお話を聞かせてください。」
40代独身で低学歴定収入で人生負け組の俺にとっては転生は悪くない話だ。それに新たな力も貰えるというならチートで無双できるのかもしれない。
「いいでしょう、まずこの世界はあなたの世界と繋がっていて共存関係にあります。」
そういいながら天使はガラスの水晶を取り出し映像とともに説明を始めた。
「共存関係?」
「そうです、こちらの世界で死んだ者の魂はあなたのいた地球に行き、新たな命の源になります。地球で死んだ者の魂はこちらの世界の新たな命の源となり循環しています。」
「それで俺の魂はこの世界に来たわけか。」
天国ってあったんだね。地獄とか黄泉の国的な発想は古くからあるもんな。
「そうです、魂にも善と悪という力のバランスがあり循環の過程でお互いの世界でバランスよく存在するように神々が調整しているのです。」
どうやら難しいはなしなのであんまり深く追求しないようにしよう。
「ですが、ここ数年こちらの世界で力の強い悪の魂が増えすぎたため崩壊の危機に直面し、そちらの地球から力の強い善の魂を呼び出してバランスを保とうとしていました。」
「そんなことしたら地球のバランスが悪くなるのでは?」
「大丈夫です、世界に影響を与えることのない超能力者を中心に転生させました。」
超能力とか出てきたぞ。
「超能力者?」
「念力でものを動かしたり、電気や磁力を操ったり、口から火を吐いたりする能力を持った人が地球の日本に定期的に生まれていて、前世の魔法の力が変異して起こる現象のようです。」
「超能力者は地球では力が強すぎるためクラピスに転生させるとちょうどバランスが保てるのです。」
ずいぶんと面倒なバランス調整だな。
「超能力者を転生させたことによりクラピスの悪の魂が減り、一時は完璧なバランスを保っていました。しかし数年後一部の超能力者が力に飲まれて暴走し再び世界が崩壊しかかっています。」
オンラインゲーム並みにバランス調整下手糞な神々だな。
「そこで、あなたに死神の力を与えて超能力者や悪の魂を減らしてもらいたいのです。」
「減らすっていうのはつまり」
「神々にとって都合の悪い者の抹殺があなたの仕事です。」
あまり気分の良い仕事じゃないな。
アドバイスやご意見などいただければありがたいです。
よろしくお願いします。