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凡人が英雄になるたった2つの方法  作者: youko
第4章 勃発
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第28話「初戦」

【人物紹介】

シハラ家:元はミカドを守る二大将軍家の一つだったが、イソジュン家の策略により取り潰された。


イソジュン家:魔族。シハラ家と並び、ミカドを守る二大将軍の内の一つだったが、シハラ家が取り潰しになったため、権力を一手に握りことになった。


ミカド:魔族、魔獣が蔓延る世に人が安心して暮らせる国を作った英雄の子孫。現在は政治は行っておらず、権力からは遠ざかっている。


ギケイ:シハラ家の長男。25歳。本妻の子。家来をまとめるのが上手い。東の町イナムラ家へ庇護を求め旅立った。

ギナカ:シハラ家の次男。20歳。妾の子。実直で繊細な性格。南の町ミヨシ家へ庇護を求め旅立った。

クマモリ:シハラ家の長女。10歳。妾の子。実直だが豪胆な一面もある。北の町コモリ家へ庇護を求め旅立った。現在はアナトに剣術を習っている。


ムサシ:クマモリの保護者的な男。元僧兵。いぶし銀。現在は、アナトに剣術を習っている。

グカン:代々シハラ家に仕えてきた家系。クマモリの保護はムサシに任せ、情報伝達を担当している。


【ちんちくりん同盟団】

ヒコ:転生者。経験値上昇の加護を持つ。やりたい盛りだが相手がいない。

アナト:ちんちくりん同盟団リーダー。元No.1剣闘士。きっちりした性格。イリビのいとこ。

イリビ:スタイル抜群。性格は適当だが頭の回転は速い。

タチバナ:メガネっ娘。現在はコモリで鍛冶師の修行中。



前話から1年経過しています。

 私の名はギナカ。

 シハラ家の次男である。


 妾の子として生まれた私は、蔑まれて生きてきた。

 母は商人の娘だったのだが、父の家来たちからは陰で「遊女」と呼ばれていた。

 俺も、「遊女の子」と陰口を言われていたことは知っている。


 そんな母は俺を立派にしようと育ててくれた。

 将来、ギケイお兄様の補佐となるべくして生まれた俺は、母から英才教育を受けた。

 

 蔑まれながらも、武力、知力を鍛えて、将軍家の息子として育ったのだ。


 

 しかし、どうやら私には才能がなかったらしい。


 イソジュン家の者に追われ、盗賊に身を落とし、こそこそ逃げ回る日々が続いた。

 ギケイお兄様に見付けてもらったが、状況を打破させることが出来ず、盗賊として暮らす日々。



 そんな俺に転機が訪れた。妹のクマモリと出会いだ。


 クマモリはシハラ家復権の計画を練っていた。

 まだ年端も行かない少女は無謀とも思える計画を提案してきたのだが、このまま盗賊として人生を過ごすより、クマモリの計画に乗った方が良いだろう。


 才能のない俺に出来ることは、才能のある者の補佐をすることだ。



 その晩、俺の家来が、妹の家人を襲った。

 もう何年も女日照りが続いていた私の家来たちは、妹の仲間をレイプしに寝ているテントを襲った…らしい。

 私が気付いた時には、逆に半殺しにされて泣き叫んでいた。


 私は家来たちを、そのまま放置してしなせてやろうと思ったが、私が決断する前に、妹の家人がそれを治癒してしまった。

 妹と家人たちは、それを咎めるわけでもなく、涼しい顔をして、目的へ出発して行った。


 翌日知ったのだが、ギケイお兄様の家来たちは、息抜きとして、たまに女をさらってきてレイプしているらしい。

 それをさせていることは許せないのだが、私の家来たちは「それをさせない」私に不満が溜まっていたようだ。


 ギケイお兄様からは「なぜ家来が半殺しにされたのに、お前は妹と取引をしないのか?」とお咎めを受けた。

 私はてっきり「なぜ家来を教育出来ていないのか?」を咎められるのかと思っていた。

 私は兄に「悪いのはこちらですから…」と応えると、兄は肩を落としてこう言った。

「お前の清廉潔白さは将軍に向いていない。まだ襲ってなかったんだから、非があるのは向こうだろ?部下を殺されるところだったんだ、武器でも防具でも女でも交渉して引き出すんだよ!お前の家来がやられぞんだろ?」


 私は言い返せなかった。

 そんな私に部下もがっかりしただろう。


 そんなもやもやした気持ちの中、私は南の町ミヨシを目指して出発した。



☆☆☆



 ミヨシの町に到着しても、私の中のもやもやは晴れなかった。

 町の人々はあからさまに私たちを邪魔者扱いしてくるし、町長のミヨシ殿もやんわりと出て行ってほしいと言ってきた。


 これまでの私だったら、ミヨシ殿にも 迷惑をかけまいとミヨシの町を後にしただろう。

 しかし、イソジュン家に反旗を翻すと決めたからには、ここで引き下がっては、兄にも妹にも合わす顔がない。



 私はミヨシを武力で制圧した。



 私と私の家来を鼻で笑ったミヨシ殿の首をはね、その首を槍に突き刺して町を回った。

 

 町の者どもからの報復を予想したが、私に刃を向けてくる者はいなかった。



☆☆☆



 この一年、イリビと俺はひたすら色んなダンジョンに入って魔石と素材を獲得した。

たまたま出会った麒麟を召喚獣に入れられたお陰で、海を越えて魔獣の大陸へも出かけることができた。


 タチバナさんはみっちり鍛冶のの修行を行っていた。立花さんが鍛冶スキルをものにしたおかげで、俺たちの装備は充実した。

 俺が装備している「満月のダガー」は、魔力を攻撃力に上乗せる武器なのだが、魔導士なら絶対にほしい武器で、売れば町が一つ丸ごと帰るくらいの値段になるらしい。

 タチバナさんは、鍛冶師というより、錬金術師だ…

 俺も、暇だったので、鍛冶師のレベルを上げてみたのだが、鍛冶は出来なかった。鍛冶師のジョブを得て、さらに修行をしないと鍛冶は出来ないらしい。

 まあ、戦士だって、剣をもったら剣士だが、相手を倒せるかどうかは、そいつの腕次第だ。

 俺は色んなジョブのレベルを上げて、戦闘を試してみたが、魔法以外戦闘に仕えそうにない。諦めよう。


 アナトはクマモリとムサシに剣術を教えていた。

 たまにダンジョンにも付き合ってくれた。



 ヒコ 男 16歳

 職人Lv30 (剣士・武道家・魔導士系はコンプリート済み)

 アビリティ 鍛冶調合 全魔法

 装備 満月のダガー 風の法衣 ウィングブーツ


 アナト 女 17歳

 ソードマスターLv48

 アビリティ 重装備可能 全剣技

 装備 靭性のクレイモア 鋼鉄の鎧 ウィングブーツ 祝福の指輪


 イリビ 女 17歳

 アサシン Lv37 

 アビリティ 危機管理 明鏡止水(発動時は敵がこちらパーティを認識できない)

 装備 靭性のナイフ 竜革の鎧 竜革の小盾 ウィングブーツ 祝福の指輪


 タチバナ 女 18歳

 刀匠Lv15

 アビリティ アイテム 全鍛冶

 装備 ミスリルナイフ 水の法衣 ウィングブーツ


 クマモリ 女 11歳

 ソードマスターLv28

 アビリティ 重装備可能 全剣技

 装備 鋭性のファルシオン(帯刀:三日月のダガー) 鋼鉄の鎧 ウィングブーツ


 ムサシ 男 28歳

 ソードマスターLv28

 アビリティ 重装備可能 全剣技

 装備 靭性のウィングスピア 鋼鉄の鎧 ウィングブーツ




☆☆☆



 その日は突然に訪れた。


 傷だらけのグカンさんコモリの町に現れ、「イソジュン兵がコモリにやって来ます!」と言った。

 俺は、それを聞いた、コモリさんやその息子たちは、クマモリを裏切るかもなぁ、と思ったのだが、一緒に迎え撃ってくれることになった。


 それもそのはず。

 この一年で、このコモリの主要産業は激変した。

 俺たちが持ち帰る「魔石」だ。

 それ以前の主要産業は広大な土地で作る「ヒエ」と「麦」だったハズだ。

 農業自体も「魔石」というエネルギーのお陰で楽に作れるようになり、生産量は増加している。


 つまり、コモリは代々つながる縁だけではなく、利害関係でも俺たちを裏切れないのだ。

 そこら辺を、コモリに残って調整していたアナトは凄い。


 イリビと俺は適当にダンジョンに入ったあとは、何も考えずにフラフラしていた。


「ヒコ~」

「おう!白虎!」

 魔獣の大陸で仲間にした幻獣、白虎くんを呼び出した。

「おお!ここが人の町か!ドキドキするな。どした?」

「そうそうこれが町だよ。って、こっちに向かってる兵がいるハズなんだ、だいたいの場所と人数を教えてくれないかい?」

「場所は南30㎞くらいだな。魔族だな。人数は4000人とちょっとだな」

「よ…よんせん!?」

「戦だろ?少ないくらいだな…って、お前らは200もいないのか?」


「ヒコ?この白いトラさんは?」

「あー…新しい仲間のびゃっこ君だ。半径100㎞以内の探知が出来る。こっちの人数もぴったり当たってるから、敵の4000も当たってると思うよ」

「ほいじゃあ、白虎殿、広くて戦えそうな場所はわかるかえ?」

「南に5㎞下ったところに、河があるな?そこの河川敷でどうだ?」

「よしっ!出陣じゃ!」



☆☆☆



 アナト、クマモリ、ムサシは剣闘士の経験があり、その頃は1対10くらいで戦って圧勝してきたメンバーだ。この戦争でも心配はない。 

 ぶっちゃけ、アナト一人で1000人くらいなら倒しそうだ。

 イリビもトラップを駆使すれば、一人で1000人くらい倒してしまいそうだ、


 心配なのはタチバナさんと俺だ。俺たち後衛は戦闘経験が少ない。

 卑怯だけど、バンバン魔法を使わせてもらう。

 こっちだって死にたくはない。



☆☆☆



 戦争が開始されると、俺は息をする暇もないほど、コモリの兵士たちの怪我を治すばかりだった。

 コモリの兵士は弱いくせにガンガン前に出て戦うので、直ぐに怪我をする。

 ケガをした兵士をタチバナさんが傷薬で治すか、俺がヒールで治して回った。


 なので、前線の戦いは全くみていない。

 聞いた話によると、クマモリがチート級の活躍だったようだ。


 イソジュン兵をバッタバッタと切り倒し、真直ぐ進んで、大将の首を取ったらしい。


 まあ、こっちの大将はクマモリなので、ムサシさんと、アナトとイリビが上手いこと、クマモリが活躍できるように誘導したのだろう。


 沢山の死人を出したのだが、そいつらを俺が魔法で生き返らせた。


 結果、無傷の大勝利で初戦を終えた。

ヒコが使える魔法一覧


【風魔法】契約精霊シルフ 

ショット 空気の弾丸

ウィンドカッター かまいたち

サンダー 雷

ストーム 雷嵐(味方も巻き込む)*禁呪


【火魔法】契約精霊イフリート

ファイアボール 火の玉

ファイアウォール 火の壁

ストライクノヴァ 超高温の火の玉

ノヴァ 核融合(味方も巻き込む)*禁呪


【水魔法】契約精霊ウンディーネ

アイスブラスト 氷の弾丸

ダイアモンドダスト 体温を下げ活動性を低下させる

レイン 氷柱の雨

レクイエム 絶対零度を作る(味方も巻き込む)*禁呪


【土魔法】契約精霊ノーム

ロック 弾丸

アシッド 装備を腐らせる

ポイズン 毒状態にする

メテオ 隕石(味方も巻き込む)*禁呪


【白魔法】契約精霊なし

ヒール 傷を癒す

クリア 状態異常を治す

ヒールオール 完全回復

リザレクション 蘇生 *禁呪


【神聖魔法】契約天使ミネルヴァ

ライトニング 光の矢

エクソシスト 除霊

スターライト 銀河の矢


【暗黒魔法】契約悪魔アブラヘル

ナイトメア 悪夢を見せネガティブにする

チャーム 心を奪って一時的に仲間にする

ワードオブセンス 全ての感覚をコントロールする


【付与魔法】

一時的に武器・防具を契約者(精霊・天使・悪魔)の現身とする。


【召喚魔法】

一時的に魔力で作った肉体を契約者(精霊・天使・悪魔・幻獣)の現身とする。


最近、幻獣も紹介可能になった

玄武:カメ。ほぼ物理攻撃が効かない。水魔法が得意。洞窟で発見。

麒麟:竜っぽい牛。背中に乗って飛べる。風魔法で空を飛ぶ練習をしているときに発見。

朱雀:フェニックス。炎と回復魔法が得意。火山で発見。

青龍:シェンロンっぽい竜。召喚したら食べ物をくれる。霊山で発見。

白虎:トラ。ずば抜けた探知能力で、獲物は逃がさない。魔獣大陸の草原で発見。

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