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僻み

作者: 神月 里央

「なあ、もうすぐバレンタインじゃん?」

夕暮れの教室から下校する生徒を見下ろしながら田中がぽつりと呟く。

「そう言えばそうだな」

僕は田中の声に適当に返事をする。

「バレンタイン、甘酸っぱい響きだなー」

「そうだな」

「で?誰か貰えそうな人いんの?」

「…そう言えば隣のクラスの岸居るじゃん?この前彼女出来たそうだぞ」

「は?おいおいそんなわけね―じゃん」

「ついでに、この前お前の弟も付き合い始めたって言ってたな」

「はい?俺聞いてないんだけど?」

田中は少しふてくされながら、こちらを向いて話し始める。

「だいたいよーこの何?バレンタインって風潮に合わせて気分が高揚してるだけだろ?俺なら時期関係なく告白するね」

「…おう」

こいつ、何言ってんだと、田中の1人語りに若干引き気味に返事をする。

「つまりはバレンタインだからって、特別なことをするのは間違っていると、チョコなんてコンビニでも買えるわけじゃん」

「で?何が言いたいの?」

「…バレンタインの日に弟がデートしてるのに何も予定無いのが嫌なんで、遊びに行きませんか?」

「僻みなのは、わかってたけどよ。その日までに努力をするって選択肢はないのかよ」

「ない!」

うわこいつ言い切りやがったよ

「じゃあ言うけどお前は、誰かそう言う人居るのかよ」

「いねーよ」

僕は少しも考えることなくきっぱりと無いという

「ほらやっぱり」

「大体ここ男子校だぜ?そこらへん男しかいねーよ」

「ほんとそれな、携帯のアドレスとか男子しかいねーし」

「まあこの学校に限って言えばみんな暇だろ」

僕と田中はそんな皮肉で笑いながら夕焼けをバックに校門の方を見下ろすと異様な光景を目にする。

「な、なんだよあいつら」

田中はそう言いながら一歩後ずさる。

そこには、校門の外でデレデレと鼻の下を伸ばしたり、女の子と手をつないで下校する僕達と同じ制服を着た生徒であふれかえっていた。

「恐るべしバレンタインマジック」

そう言うと僕達は何も言わずに、邪悪な笑みで校門に向かって走り出していた。

この頃、没にしたい作品しかかけてないので、これにて一ページシリーズを無期限休暇、実質の終わりにします。

今後は面白そうなのが思いついたらって感じで。

まあ、きっとすぐに戻ってきます。お疲れさまでした。

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