次の日
次の日の朝、学校は休みになった。
学校側も、さらなる混乱を避けるためにこのような判断をしたのだろう。
父も会社が休みになったらしい。
家族4人。本当だったら楽しいはずの時間も今日はちがう。いつもの笑顔はどこに行ったのだろうか…
「はぁ…。」
「昼ごはんたべようか?」
「オレ…食欲ない。」
美月もとても何かを食べるような気分にはなれなかった。ただ、"日が沈まない"というだけで人はこんなにも不安になるのかと、不思議だった。これはきっと「本能」のせいのだろう。
私たちの国はまだ明るいからいいが、裏側のブラジル周辺はどうなのか?一日中真っ暗で、さぞかし不安であると思う。それを考えればここはまだマシなのかなと思った。
さて、さっきからずっと一人で喋り続けてるテレビだが、急に音楽が流れ始めた。どうやら緊急速報が入ったようだ。
「昨日、起きたこの異常気象。今現在もそれは続いています。この状態を変えるべく、専門家たちはあるものを開発しました。それがこの"巨大磁石015"です。
これを空中にあげ、磁力で地球を動かそうという考えです。
実際にこれが打ち上げられるのは今日の午後4時〜5時とのことです。また情報が入り次第お伝えします。」
"やっと夜が来るんだ!"そう思うと美月は嬉しかった。
「良かったな。これで今日はぐっすり眠れるぞ」
「あーなんかオレ安心した」
「そうね。昨日のことなのにすごい前から日が沈んでないように思えるわ。」
皆口々に言葉を漏らす。母の言葉に美月も同感だった。笑顔も久し振りに見た気がする。でも、美月だけは喜びと共に得体の知れない不安にかられていた。