小話02
朝のHR前。
教室でも息が白くなりそうなぐらい低い温度。
「寒い…」
「涼華、着過ぎじゃね?丸々してるよ」
寒い寒いと言ってる涼華にツッコミを入れる薺。
話を聞いてるだけでゆうに6枚ぐらいは重ね着してるであろう。
「涼華…」
「眠い、寒い、眠い」
なんてまぁ色気のないんだろうと思いつつそんな涼華が面白くてついつい笑みがこぼれてしまう薺。
「んーー眠いー…」
机に突っ伏して顔を引っ込めてしまった涼華。
「おす」
「はよー」
将の椅子に座っている薺と涼華を見比べる。
「涼華眠いんだって。寒いって」
ふーんと言いながら涼華に顔を近づける将。
おーい。涼華ーと言ってみるが反応が薄い。
「んー…」
「おきねーな」
「起きないよ。涼華1回寝たら本当に起きないから」
ふーんと考え涼華にフッと息を吹きかけてみた。
「んー……ぐう」
「普通今のって『きゃ』とか言って起きるだろう」
「普通はね。涼華だから。色気より眠気だから」
残念だったね。それだけ意識されてないんだよ。
そう言われむっとした将。
「襲うなよ」
「襲わねーよ!」
涼華の顔見てーな。起きねーかな。
「将。あと4時間ぐらいしたらきっと起きるよ」
顔に出すぎだから。
冬はいつも寝てばかりだからあんまり顔を見れないんだよなー。
熊みてー。冬眠??
また、今日1日もあんまり涼華と話さずに終わるんだろうなーと思ったら少し寂しくなった将だった。
「明日皆で遊びに行こうか」
「俺は涼華と2人がいい」
「無理!」
「やっぱり?」
そんな毎日。