「玄曜達の住む龍の国」
「龍霊雨器」本編では語りきれなかった設定や裏話に加えて、
各回の最後には、ここでしか読めない限定SSもあります。
*本編のネタバレ満載の内容になりますので
未読の方はお気をつけください。
玄曜達の住む龍の国。
架空の中華風の国、として作っています。
この時代を参考にしている……というのもありません。
中華風ファンタジーとして好き放題書いています。
龍霊雨器たちは中華らしい工芸品をモデルに登場させています。
色んな時代のものを登場させているため、
あえて時代を固定してしまわないようにしています。
国の名前はあまり登場する事がないため
今だにはっきりと決めていません。
作中では「龍の国」表記が多いかな?
龍の国は何千年前までは、とても小さな国でした。
龍の神が、とある事情で大陸に降りた時。
一つの工芸品に心を奪われて涙を流します。
涙は他の工芸品にも行き渡り、さまざまな工芸品が
龍霊雨器として誕生しました。
龍霊雨器は龍の神の魂を宿しているため、加護が与えられます。
龍霊雨器たちの力により小さな国は次第に
大国へと成長していきました。
国が栄える条件はただ一つ。
皇帝が龍霊雨器達に認められること。
認められなければ、国は混乱し天災や争いが起こり、
また新たな皇帝が生まれ、時代が作られ……
龍霊雨器に左右される歴史を繰り返してきました。
そして時代は変わり、玄曜達の時代へ。
天命がなくなった今、皇帝候補達の争いが始まります。
選ばれるのは、誰なのか。認められるのは、誰なのか。
行く末を決めるのは、龍霊雨器か、人か。物語が動き始めます。
*
SS「龍の国」
小高い丘の上から、玄曜は国を見下ろしていた。
「都が見渡せますね」
そばに控える慎言が静かに言う。
「……そうだな」
眼下に広がるのは、美しい都。
賑わう街並み。
幾重にも連なる屋根。
絶えることなく行き交う人々。
この国は今、かつてない繁栄を誇っていた。
国を危機から救った偉大な皇帝。
そして、龍の神の加護。
多くのものに守られながら、この国は栄えている。
玄曜は静かに目を細めた。
都を囲むように、大河がゆるやかにうねっている。
その姿はまるで――
「龍だな」
ぽつりと零れる。
風が、黒髪を揺らした。
「……玄曜様?」
慎言が不思議そうに振り返る。
だが玄曜は答えない。
ただ、眼下の景色を見つめたまま。
「――オレの国だ」
誰にも聞こえないほど、小さな声。
けれど、その瞳だけは揺るがない。
「絶対に、守ってみせる」
静かな誓いは、風に溶けて消えていった。
※作者より
お読みいただき、ありがとうございました。
『龍霊雨器』裏話+SSは、不定期更新です。
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