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『龍霊雨器 創作裏話+SS集 ― 語られなかった物語と、その裏側 ―』  作者: 麻倉ロゼ
制作•裏側編

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12/14

「龍霊雨器達の話作りについて」

「龍霊雨器」本編では語りきれなかった設定や裏話に加えて、

各回の最後には、ここでしか読めない限定SSもあります。


*本編のネタバレ満載の内容になりますので

未読の方はお気をつけください。

物語の中で沢山登場する、魂を宿す工芸品達。

第一期だけでも30体近くの工芸品達が登場します。

出し過ぎた……かもしれません。

 

最初、龍霊雨器の物語を考えていた時に

●一話、一トラブル

●できる限り一話でサクッと終わる

●色んなタイプの話を書く

ざっくりとこれだけ決めていました。

 

各話どうしようかな〜。

賑やかだったり、楽しかったり、シリアスだったりしたいけど……

多種多様な話ってどうやって決めればいいんだろ。

龍霊雨器達は人格も感情もあるから個性的にしたいし……。

感情……感情か。


感情で調べると、アメリカの研究では人間の感情は

27種類のカテゴリーに分類されるそうで。


敬服・崇拝・称賛・娯楽

焦慮(不安・そわそわに近い感情)

畏敬(畏怖と感嘆が混ざったような感情)

当惑・飽きる・冷静・困惑

渇望(強い欲求)

苦しみの共感(他人の苦しみへの共感的な痛み)

夢中・嫌悪・嫉妬・興奮

恐れ・痛恨(強い後悔や悔しさ)

面白さ・喜び・懐旧(ノスタルジー)

ロマンチック・悲しみ・好感

性欲・同情・満足

 

うーん。面白い。

それなら、龍霊雨器に出てくる工芸品達にこの感情を

一つずつ当てはめて話を作ってみよう。

そう思いついた訳です。

 

例えば


香炉→悲しみ

対の簪→ロマンチック

ネコの白玉彫刻→面白さ

双六→娯楽

獅子の石像→満足

琴と二胡→性欲

……など。


沢山話を入れてしまったせいで

ごちゃごちゃしちゃったかな……と

悩むこともありますが……(^^;

色んなタイプの話を考えるのは楽しく、どの話も

お気に入りです。



*



SS「龍霊雨器」

 

“な〜んかぁ〜。私たちの名前って、硬くなぁい?”


琴の天鳳瑞奏《てんほうずいそう》が、ゆるやかに弦を弾きながら言った。


“マジそれ! もっと可愛いのがよかったんだけど!”


二胡の龍吟天響《りゅうぎんてんきょう》も、身体を揺らしながら同意する。


“いくらパパ(龍の神)が付けてくれたとはいえぇ〜”


“パピィ(龍の神)も、年頃(?)の私らのこと考えてほしいわけ。なんか似合ってないんだよねぇ”


「へぇー。龍霊雨器の名前って、龍の神様が付けてたんだ」


星鈴も興味津々で話に加わった。


演奏会以来、すっかり仲良くなった三人。


星鈴は最近、度々楽器保管庫へ呼ばれるようになっていた。


「二人は、どんな名前がよかったの?」


“もっと可愛くてぇ〜”


“ガチでキラキラしてるやつ!”


そこから二体は、好き勝手に名前候補を挙げ始める。


“星彩姫音《せいさいひめね》とかぁ?”


“いやいや、綺羅美奏《きらびそう》っしょ!”


“え〜!それダサくなぁい?”


“は!?そっちこそ言いにくいんだけど〜!”


きゃいきゃい盛り上がる二体を見ながら、星鈴は思わず笑った。


でも――


「オレは、天鳳瑞奏《てんほうずいそう》と龍吟天響《りゅうぎんてんきょう》が、ぴったりだと思うな」


“……まあねぇ〜”


“それはそうかも”


二体はどこか嬉しそうに身体を揺らした。


(龍霊雨器達って、本当にお父さんのこと大好きなんだな)


そう思った、その時。


“それよりもぉ〜!”


“玄曜たんとはどうなのよ?”


「えっ? 玄曜と?」


“月宵和宴の夜ぅ〜……どうなったのぉ?”


“マジで詳しく聞かせてほしいんだけど”


――空気が変わる。


甘く、妖しく。


身体の奥をじんわり痺れさせるような声音。


「え、えーと……その……」


星鈴は思わず後ずさった。


逃げたい。


だが――逃げられるわけがない。


相手は、悠久の時を生きる龍霊雨器。


しかも、とびきり厄介な二体だ。


「…………」


星鈴は観念したように、小さく息を吐く。


そして――ゆっくりと口を開いた。

※作者より


お読みいただき、ありがとうございました。

『龍霊雨器』裏話+SSは、不定期更新です。


続きを読みたいと思っていただけましたら、ブックマークで追っていただけると嬉しいです。

もし物語を楽しんでいただけましたら、評価で応援いただけると励みになります。

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