第一話 決意
東京のオフィス街は風が吹き抜け‥一人一人に冷たい空気を送り気分を陰鬱とさせている。
敏志もこの冷たい空気にさらされ、背中を丸めて歩いていた。オフィス街の街ゆく人はスーツを着たサラリーマン‥タイトスカートを履いたOL‥それぞれが同じ仮面をつけ、忙しなく敏志の横をよこぎっていく。
敏志の職場はそんなオフィス街の隅っこの小さなビルに入っている。最近の営業成績の悪さに少し気を揉み‥体調が悪くなってきている。このオフィス街の真ん中には大きなビルが1つある。そこには有名な会社が数多く入っている。大抵このオフィス街を歩いてる人たちはそんな会社達の、優秀な人材が、キビキビとキラキラと颯爽と堂々と歩いている。
背中を丸めて歩いている、敏志にどかどかと
ぶつかっていく優秀な会社員達は、睨みつけ、お前の来る街じゃねんだよと、訴えかけてるようで、
いよいよ、敏志は吐き気がこみあげてきた。
寒いはずなのに‥スーツの中は何故か冷や汗が出て、足がプルプルと震え、その場でしゃがみこんでしまった。
しゃがみこんだって、ここのオフィス街は誰1人として、敏志を助けてくれる人なんてどこにもいない。とここで、スマホが振動しだした、スマホの液晶画面にのっている、名前にさらに、吐き気がこみあげてきた、浦中課長‥
この電話に出る勇気がなかった、先ほどの商談が失敗したばかりだった。いよいよ怖くなり‥スマホをゴミ箱に投げ入れた、敏志は覚悟を決めていた。家族に迷惑をかけたくないが、自分には生命保険がある。
万が一、自分が亡くなっても家族は困らないだろう最近は家庭にすら自分の居場所が無くなってきている。死ぬのは早い方がいい、
自殺の決意は今日に始まったことでは、なかった。
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