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第4話 電話番号とか覚えてるはずがない

 わたしに今必要なのは、法律に詳しい信用できる大人だ。

 今現在の11歳であるわたしに、知り合いでそういう大人がいるはずがない。そこで前世の記憶となるのだが、ほとんどがまだ生まれてなかったり、普通に子供だったり、外国にいたりって感じだ。唯一の心当たり。まぁ最初からこの人しかいないだろうなぁって気がしてたんだけどね。

 斎藤のじーさん、わたしが死んだ時、あの人は80歳くらいだったはずだから、この時代でももうすでにアラサーじゃない? きっとすでに弁護士やってるはず。

 優秀だからね


 だが、その唯一の心当たりの人、斎藤のじーさんに連絡しようとして困っている。

 電話番号とか覚えてるはずがないよね。必要なときは携帯のアドレスからかけるし、そうでなくても秘書からかけてもらったり。

 まぁ出先で携帯もなくて困ったりしても、事務所の電話番号くらいはググればすぐにわかる。他の知り合いに連絡して聞いてもいい。

 でも、今はそれらのどの手段も使えやしない。


 昭和の頃って電話番号、どうやって調べてたんだっけ?

 ふと思いついて、電話帳を探し出した(この頃はまだタウンページって名前じゃなかったらしい)。そしてすぐに諦めた。どうして市内しか載ってないの?

 でも、電話帳を探したのは大正解だった。ヒントがそこにあったのだ。

 そう電話番号案内ってのが、NTTじゃなかったね、この時代は……電電公社さんのサービスで有料で電話番号を教えてくれるようだ。そういえば、前世の時点でこのサービスが廃止されるとかそういうようなのを見たような気がする、自信ないけど。


 よし、これだ!

 さっそく、104にダイヤルを回す。ダイヤルを回すってのは比喩的にずっと使われるけど、この時代は本当にダイヤル式の電話機、しかも黒いヤツで、ジーコジーコと1つずつダイヤルを回すんだよね、懐かしいとしかいいようがない。きっと若い人たちは、こんな電話機使い方もわからないでしょうね。


 電話はすぐに繋がって、聞いてみるけど、相手の氏名と住所が必要とのこと。

 えー、今どこに住んでるとか知らないんだけど……

 ふと、思い出した。確か斎藤のじーさんは父親から事務所引き継いだって言ってた。この時代なら、まだ先代が事務所やってるんじゃないかな。事務所の場所なら覚えてる。そこにいるかどうかはわからないけど、きっとそこから道が開けるはず。


「東京都◯✕区の斎藤法律事務所の電話番号を聞きたいのですが」


 少し間があく。この時代、むこうもコンピュータ検索とかまだなくて、紙の電話帳で調べてるんだろうか?


「03-✕✕✕-◯◯◯◯です。繰り返します……」


 おー、この時代はまだ東京の電話番号が短いな。


「ありがとうございました」


 さっそく電話してみる。


「もしもし、斎藤法律事務所ですか? そちらに斎藤弘泰さいとうひろやすさんは、いらっしゃいますでしょうか?」

「斎藤弘泰はわたしですが、どちら様でしょうか?」


 いてくれたー、大正解!!

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