表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/30

第22話 それどころではない

 テレビをつけると台風のニュース一色。

 関西方面は鉄道も止まって大混乱のようだけど、このあたりはたいした雨でもない。警報も出てないみたいだから、学校が休みになることはなさそう。

 台風がこのあたりにどの程度の被害をもたらすかは、残念ながら覚えてない。


 学校で授業を受けていたら、雨がどんどんひどくなってくる。どしゃぶりだ。

 ゲリラ豪雨ってやつだけど、この時代は確かこの言葉は使ってないね。なんて言ってたんだろう? 普通に集中豪雨って言ってた気がする。


 急に校内放送が流れ始めた。


「この地方に、暴風警報が発令されたため、午後からの授業はなくなります。

 集団下校となりますので、給食を食べた後、各自分団別に定められた教室へ移動してください。

 なお、臨時職員会議を開きますので、午前中の授業は自習として教師は職員室へ集合してください」


 あらまぁ、こりゃ大変だ。


「やったぁ!」


 男子を中心に教室には歓声が響くが、それどころではないだろう。


 先生は慌てて職員室へ移動していく。

 生徒たちは……自習と言われて真面目に自習するような小学生はいない。さすがに教室から出ていくようなヤツはいないが教室内でそれぞれのグループに分かれて適当なおしゃべりなどをしている。


「ねぇ、今日はサッカー部もお休みだよね?」

「休みだろうな。まぁもともとサッカー部は雨だったら休みだけどな」


 学校に体育館はあるけど、体育館はバレー部やバスケ部が使っているから、割り込むスペースなどありはしない。

 廊下でトレーニングとかはできるだろうけど、小学校のサッカー部がそこまですることはないんだろう。


「昨日、図書館で海外サッカーチームの本、借りたんだけど、家に見に来ない?」


 本当は今日、学校に持ってこようと思ってたんだけど、台風のドタバタで忘れたのだ。

 藤堂くんはちょっとまわりを見回した。わたしたちの会話に聞き耳を立てている男女の存在はわたしも把握してるけど、もう2人はクラスの公認カップルとなっているから、わたしはそんなことは気にしない。


「……行こうかな」


 その一言でまわりは盛り上がっている。

 低学年の頃はともかく、小学校高学年の男子が女子の家に行くという習慣自体がこの時代にはない……いや、令和の時代でもあまりないかな?


「集団下校って言ってたから、そのまま行こうかな?」

「ダメダメ、こんな台風の時に寄り道して遅くなったりしたら、家の人が心配するよ。

 藤堂くんの家は通り道だから、先にカバンを置いていっしょに行きましょう」


 わたしのうちは……心配してるんだろうか? 亜紀さん、朝わたしが出かけるときには、まだ寝てたし……

ここまで読んでいただいてありがとうございます!


少しでも「面白そう」と感じていただけましたら、『ブックマーク』や下の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価していただけますと嬉しく思います!


皆様の応援がモチベーションに繋がりますので、よろしくお願いいたします!


連載中の作品は下にリンクがありますので、そちらも見てください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ