30話 藍鬼へのお願い
明けましておめでとうございます。
今年も頑張って書きますので、どうかよろしくお願いします。
「おはようございます、リン様。」
おはよう、エスティマ。
ヌシとの遭遇(?)から一夜明けて、朝となった今、それは何も変わらないものだった。僕を除いては。
エスティマ、藍鬼にあることをお願いしたいことがあるのだけれど、どこに居るか知らない?
「藍鬼様であれば、奥の湖にいらっしゃるはずですので。」
わかった。あと、いつも通り通訳お願いしても良い?
「もちろんです。」
そうして、僕達は改装途中の洞窟の奥に入っていった。
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エスティマの言う通り、藍鬼は洞窟の奥の湖に居た。
「藍鬼様、今お時間よろしいでしょうか?」
「エスティマさんに、リン様。時間なら大丈夫ですよ。」
「ありがとうございます。」
藍鬼にあれをお願いする時間が取れてありがたい。
「いえいえ。それで、何ですか?」
「リン様が藍鬼様にお願い事があるようですので。」
「そうなんですか。私に出来ることであればやりますよ?」
「と言うことで、リン様お願い事はなんでしょうか?」
エスティマがある程度話を進めてくれた。
そして、ついに僕のお願いを伝える。
それはね、鬼人の誰かで僕に稽古を付けて欲しいんだよね。
「え!?」
お願いをエスティマに伝えると、彼女は驚きの声を出した。それを聞いてランキも「え、なに?」と困惑している。
「エスティマさん、リン様のお願い事はなんです?」
「ええと、鬼人のどなたかに稽古を付けて欲しい、と言うものです。」
「なるほど。」
僕のお願いを聞いた藍鬼の雰囲気が変わった。それは普段の明るい感じではなく、戦国時代のお姫様と言う感じのものだった。
「リン様、理由をお聞きしても?」
実は昨日、こんなことがあって……
藍鬼に理由を訊ねられたので、昨日のヌシとの遭遇のことを話した。
それに対する反応は、信じられないものだった。
「エスティマさん、この森にそんな強い魔物って居ますか?」
え?
「……居ないと思います。」
え、どうゆうこと?あのレベルの魔物は居ない?
ヌシだと思った魔物は本来は居ない。この驚愕の事実に、僕の頭は混乱してしまっていた。
「リン様、確認ですれど、本当に居たのですよね?」
藍鬼か確認をしてきたので首で肯定する。
「……不味いですね。強力な魔物の発生、または移動が起きているようです。」
となると、心配すべきは生態系への影響だね。
ここが一番の心配だ。影響があると、これからの生活にも支障が出る可能性もある。
「この問題もあるとなると仕方がありません。分かりました。稽古を付ける者を出して差し上げましょう。」
こうして、稽古を付けて貰えることとなった。
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