↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/123

プロローグ

 冷える体が人の温もりを求め、それを見つけると体をそちらにすり寄らせる。

するとそっと頭を撫でられるのでそれに任せるように温もりへと顔をうずめた。

最初は戸惑っていたが、いつからかこの微睡の時間が大切な時間に変わっている。


 もう少し、もう少しとこの時間に甘えたくなるがそれはいけない事なのだ。

なぜならこの温もりのヌシはエルシャが甘えると、それに際限なく応えて甘やかすために平気で朝の鍛錬をサボろうとするのだ。


 そればかりではない、うっかり甘えすぎると大変な目に合う。

先日は朝から雨と風でとても冷え込む日があったが、その時鍛錬もできないだろうとうっかり甘えてしまったら、ベッドの上で鍛錬するとわけのわからない事を言いだし、朝からコースを始めてきたのだから…


 そうなるとその日一日が大変である。

だから今日という一日を守るためにも今ここで起き上がる必要があるのだ。


 ただこれくらいなら良いだろうと、唇を差し出しキスを要求する。

するとあっけなくチョンと優しいキスをくれる。

それでようやく起き上がる決心がついき、温もりのヌシへと声をかける。


「おはようございます、ケヴィン様」


「おはようエルシャ」


 そして、健やかなる朝を迎える…ために目の前の駄犬の顔を抑えつけステイをかけるのだ。

朝から元気な夫は放っておいてエルシャは上着を羽織り窓に近づきカーテンを開く。



 昨日は夫にのせられ随分と浮かれてしまったなと反省しつつ、ふと、昔の事を思い出した。

それはエルシャの愛する妹のミィルフィアとの想い出だ…

ルフィアは物事の好き嫌いがハッキリしていて、普段は何を言うにも躊躇なく言葉にする。

そんな彼女がその日何故だか元気が無く、何かを言おうとするもためらっていたのだ…


 これはおかしいと父と二人で首を傾げつつもルフィアに問いただしてみる…

するとルフィアは言うのだ「女神に誓って怒らない?」と。

これには父と目を見合わせてしまったが…

愛する妹の悲しそうな顔が見ていられずに父と一緒に「誓う」と言葉にした。


そして、ポツリと言ったのだ「先王陛下から賜ったお皿、割っちゃった…」と。


 勿論、女神に誓った二人は怒るなどという事はなくしっかりとルフィアの話を聞いてあげたのだ。

そしてその事を母に報告するといつもの10倍増しの雷が落ちる事となった…


その時とは比べられるわけではないのだが…

そう思いつつも窓から外を眺める。



 そこには昔にエルシャが旅人が書いた旅行記を読みながら空想した夢のような光景…

まだ日が昇る前の眠気眼の街並みがそこには広がっていた。

王都でもサレツィホール侯爵領でも、ましてはフレポジェルヌ子爵領でもない。


悠久の歴史を紡ぐ幻惑の都…

ハーケーン皇国、皇都メルシュトゥームの街並みが。


わかるだろうか…


子供のイタズラを暴いてみたら、それが国家の重大懸念だった時の動揺が…

一晩たってようやく冷静になれた。


これは夢のような光景などではない…


夢であってほしい光景なのだ。



今日から投稿を再開します。


予定:明日から水曜、土曜の投稿を予定しております。


●本当は章ごとに書き終えてから投稿したかったのですが、文字数見積もりをミスりました。

章ごとに書き終えたら放流という形にしたかったのですが大幅に分量が増えてしまって未だ2章を書き終えておりません。

ただ、前回の投稿から随分時間が経ってしまった事もあり前後半に分けて投稿します。

後半はこれから書きますのでどうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。