三題噺㉔冒頭
目が覚めると、俺は見知らぬ部屋にいた。
なぜ自分がここにいるのか、全くわからない。俺の記憶が正しければ、俺は昨日、仕事から帰って、疲れて眠っていたはずだが…?自分の服を確認すると、寝る直前の服ではなく、私服になっているようだ。いったい何が起こっているのだろう。夢でも見ているのだろうか。
周りを見渡してみる。部屋の大きさはかなり広い。自分が住んでいる8畳ほどの部屋と比べて、倍くらいの広さだ。大きなベッドに、価値がわからないが、おそらく高価であろう調度品。ぱっと見っで、ここが大きな洋館の一室であることがわかる。部屋の窓はすべて閉ざされており、外の様子を見ることはできない。唯一扉だけが出入り口であるようだ。
俺はベッドから起き上がり、扉に手をかける。鍵などがかかっている様子はなく、すんなりと開いてしまった。
扉を開けると、ロビーのような場所に出た。俺の予想通り、ここは大きな洋館だったようだ。俺が出てきた部屋と同じような部屋がいくつもある。向かって右側には、玄関と思わしき扉があり、そこから真っ赤なじゅうたんが伸びている。そしてその絨毯の先、ロビーの中央には、大きな銅像が立っている。翼が生えた女性の像。おそらく、天使の像なのだろう。
銅像に近づくと、一枚のメモが置かれていることに気が付いた。
「きれいな遊びをしよう」
このメモが何の意味を成しているかは全くわからない。ただ直感的に分かった。
俺は、このメモの意味を理解しない限り、一生ここから出ることはできない。
どうにかここから出なくては、その思いから、俺は館の中を探索することにした___。