【番外編】美久子 流青のバスケの試合を観に行く 高校生編(1)
※現世 高校生編
美久子念願の流青のバスケ試合を観に行きます!
お楽しみ頂ければ幸いです。
では、はじまります!
「流青っ!そのまま行けーっ!」
ザシュッ!!
『『『『きゃー!!!』』』』
相手チームのディフェンスをあっという間に引き離し、
ドリブルしながらゴールまで走った流青は、
完全フリーのままダンクシュートを決めた。
『きゃー!乾くーん!!』
『乾先輩!かっこいいー!』
『流青くん!がんばってー!』
『流青くーん!こっち見てー!』
流青はその後もシュートを決める。
味方へのアシストも決まり、聖陵学院側にどんどん点数が入っていった。
盛り上げる歓声は会場中に響いていた。
年末のWINTER CUP出場を掛けて、
9月から都大会予選試合が始まった。
順調に勝ち進んだ聖陵学院高校男子バスケ部は、
準々決勝まで進んでいた。
「美久!ここだよー!」
「七海!遅くなってごめんっ!」
「大丈夫!今、第2クォーターが始まったとこだよ」
流青の母、相変わらず妖精的な志織と銀座で会っていたため遅くなった美久子は、慌てて七海の隣に座った。
志織は仕事終わりで迎えに来た流青の父信彦に確保されて、
何処かに連れ去られた。
志織は最後まで『流くんの試合を美久子ちゃんと一緒に見に行くの!』と息巻いていたが、溺愛される信彦に『決勝戦は一緒に行こうね』と綺麗な微笑みでスルーされていた。
美久子は連れ去られる志織と上機嫌な信彦を見て、
自分の将来の姿を垣間見た気がした。
本日も素晴らしいドライビングテクニックの平松に、
法定内ギリギリのスピードで送ってもらい慌てて着いた会場は、
満員の観客で埋め尽くされていた。
7割くらいは女子だった。
「すごい人だね…こんなに人気だなんて、びっくりだよ…」
「ほんとだね。私もバスケ観るの初めてだけど、
こんな盛り上がってるなんて知らなかったー」
「バスケの試合って、こんなに女子が多いんだね」
「んー?ねー!」
バスケ観戦超初心者の美久子達の隣で観戦している他校男子は、
『断じてちがう。俺たちの試合はこんなアイドルのコンサート並の数の女子なんていない。少人数で野郎のみだ』と、脳内でツッコんで凹んでいた。