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【番外編】前世:白井夏美の嫉妬(3)


亮介は静子と一緒にいる時の夏美には、

他の女子とは違って、ごく(まれ)に話してくれることがあった。


それはほんの相槌程度だったが、天にも昇るような心地だった。

周りからも羨ましがられて、今まで夏美を見下した女子達に対して勝ったと思った。



亮介と静子が二人で帰っている時に、偶然を装って一緒に帰ることに成功したこともあった。


二人は驚いた顔をして、亮介がほんの(わず)かに顔を(ゆが)めるのが分かった。

夏美は傷付いたが、それに気付かない振りをして、無理矢理静子の傍に寄り一緒に歩いた。

亮介は必ず車道側を歩き、隣に静子を歩かせた。


この時に夏美が亮介に話し掛けても、聞こえない振りをしてさり気なく無視された。

静子の話には頷き、にっこりと微笑みながら嬉しそうに聞いていた。


静子にしか見せない優しい笑顔が素敵で、その笑顔をずっと見つめていた。

夏美は一方的に亮介をどんどん好きになっていった。


家に着くと亮介は必ず夏美を先に家の中に入れてから、

静子を自宅前まで送った。

門の前で二人で楽しそうに10分程話してから、亮介は帰って行く。

私は2階に駆け上がり、自室のカーテン越しからそれを見つめた。

その10分が、妬ましくて悔しかった。



その後夏美は、静子の髪型や持っている物、仕草など真似をするようになった。

少しでも亮介に意識して欲しかった。

分かってはいたが、全く効果は無かった。




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