19/132
【番外編】美久子 流青のバスケの試合を観に行く 高校生編(11)
『美久子、大丈夫か?』
『心配だから、今からそっちに行ってもいいか?』
『ひと言、声が聞きたい。電話出てくれないか』
『美久子が心配だ』
『明日の朝、迎えに行くが辛かったら学校休むんだぞ』
『美久子、愛してる』
『ゆっくり休んで。おやすみ』
はーっ……。
流青くん、ごめんなさい。
なんか、今、声聞くのが、ほんと辛くて。
RINEでこんなに心配してくれるけど、
さっきの二人の姿が浮かんで……どうしても駄目だった。
RINEで『今日はごめんなさい』と送った。
身体は全然元気。
でも、胸が……心が痛い。
ショックだった。
流青くんが女子とあんなに楽しそうに笑ってたこと。
腕、触られても嫌な素振りもせずに、笑いながらそのまま腕を叩かれてた。
普段通りのいつものことみたいに、一緒に笑ってた。
私、すごく贅沢になってたんだな。
以前は流青くんをチラ見するだけでも満足してたのに。
今じゃ他の子と一緒に笑ってるだけで、こんなにショックに陥ってる。
完全に焼きもちだ。
嫉妬だ。
真っ黒な嫉妬だ。
私、心狭すぎだ。
こんなんじゃ嫌われちゃう。
明日は笑っておはようって言おう。
私……がんばろう。




