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【番外編】美久子 流青のバスケの試合を観に行く 高校生編(10)

一橋の他、常盤の『美久子さんを護る会』のメンバーは、

学院に特別な許可を得て日々美久子の護衛に当たっていた。

他にもSPを付けている生徒もいるため、

学院内ではさほど珍しい事では無かった。



美久子は一橋に特別な保健室に連れて来られ、

少し休むと、(わず)かだが少し気分が落ち着いた。

一橋に、今日は大変申し訳ないが自宅まで送って欲しいと頼んだ。


一橋は滅多に頼み事などしない美久子の必死な形相に驚いたが、

平松に連絡をして、常盤の車で美久子を自宅まで送った。



その日美久子は、バスケ部終わりの流青と平松の車で一緒に帰る約束していた。

美久子は車の中から流青に『急に気分が悪くなったから一橋さんに送ってもらって先に帰る。ごめんなさい』とRINEを送った。



美久子は窓から流れる景色を、ずっと無言で見つめていた。

一橋はバックミラーで何度も美久子を見たが、

そのまま無言で運転した。




「一橋さん。本当にありがとうございました。

保健室まで運んでいただいて助かりました。

重かったと思うのに…すみません。

それに、急に自宅まで送って頂いて……たくさんご迷惑をお掛けして本当にすみませんでした」



顔色の悪い美久子は、お辞儀をしてぎこちない笑顔で一橋にお礼を言った。



「いえ、お気になさらず……本当に大丈夫、ですか?」



切れ長の一橋の目は、美久子の事を心から心配していた。



「はい。もう大丈夫です。

ご心配をお掛けしてごめんなさい。

今日は早めに休みますね……本当にありがとうございました。

お帰りお気を付けください」



もう一度ぺこりと頭を下げて、美久子は家の中に入った。



美久子が自宅に入ったのを見届け、

一橋は眉間に皺を寄せたまま車に戻った。





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