【番外編】美久子 流青のバスケの試合を観に行く 高校生編(6)
第3クォーター開始のブザーが鳴った。
選手が一斉に走り出す。
キュキュッと、バッシュのスキール音が響く。
前半と違い、作戦を練り直したのか、
相手チームも果敢に攻めてくる。
白熱した試合に観客も盛り上がる。
すごい!
バスケってこんなに面白いんだ!
流青くんの一生懸命な姿、格好良すぎる!
ドリブルしながら相手を引き付けて、
全然見ていない方向にいる味方の選手にパスしたり。
綺麗な姿勢で3点シュートをバンバン決めたり。
豪快にダンクシュートを決めたり。
チームみんなで笑顔で喜び合って、本当に嬉しそうで。
もう、格好良いしかないよ。
そりゃ、こんなに凄い人ならモテるよね。
こんなに格好良い人に、傍にいて欲しい、
好きだなんて言ってもらえたなんて、夢じゃないだろうか。
「……久。美久!」
「……えっ?」
「美久、なんかぼーっとしてたけど、大丈夫っ?
試合終わったよ!」
「あっ!えーっ!?うそっ、終わった!?
しまった、最後、見てなかった……」
「うそっ!あはは!ま、いいんじゃない?完勝だしねー」
111対65で聖陵学院が勝っていた。
よかった!
チーム全員が横一列に並んで、
観客席にお辞儀をして挨拶をしていた。
観客は総立ちで、拍手と大歓声で選手達を讃える。
選手達は手を振って歓声に応えていた。
美久子は流青と目が合った。
流青は汗だくだが本当に嬉しそうな笑顔で美久子を見ながら、
片手を上げて合図した。
グー、パー、グー、パー、グー、パー
美、久、子、好、き、だ
『美久子。明後日の試合で勝ったら合図を送るから、
ちゃんと見てるんだぞ』
『えー!何の合図?そんなの出来るのかな?』
『出来るぞ。こうだからな。グー、パー、グー……』
きゃー!は、恥ずかしいー!!
流青くん、一昨日言ってたアノ合図、ほんとにしてるー!
やられたー!
もう、メロメロだよ……。
真っ赤になりながらも流青を見つめ、
美久子は流青に向かって必死に頷きながら一生懸命に拍手した。
流青のその姿を、実希子はじっと見ていた。




