【番外編】美久子 流青のバスケの試合を観に行く 高校生編(2)
美久子は流青の試合をずっと観に行きたかったが、
流青に頑なに反対されていた。
なぜっ!?と、ブーブー怒ったが『とにかくダメだ』の一点張りだった。
今なら理由が良く解る。
『きゃああ!流青くーーん!』
『乾くん!かっこいいー!!!』
これは危ない。
流青の人気は、想像以上だった。
流青は先日、バスケの専門雑誌に注目選手として特集が組まれた。
大きな写真が掲載された後、今人気のスポーツ系女性タレントがSNSに投稿したため、ネット上で話題になってしまった。
雑誌でここまで大きく取り上げられると知らされていなかった流青は激怒し抗議したが、発売された後だった為雑誌の販売は止められなかった。
女性タレントのSNSの投稿は、健二に連絡して常盤から削除依頼をしてすぐに消されたが、ネット上には未だ残骸が残っている。
その後、学院に流青のテレビ取材依頼が何件かあったが、流青は全て断った。
人気が出てしまった流青は、個人のSNS上でも頻繁に写真をアップされ、『奇跡のバスケ男子高校生』と今ではちょっとした芸能人のような扱いになっていた。
学院の生徒内では、美久子が流青の彼女だとかなり認識されていて、手を出したらヤバいことになると噂で広まっていた。
更に『美久子さんを護る隊』の常盤の素晴らしい働きのお蔭で、美久子は平穏なJK生活を過ごしていた。
美久子と流青の婚約の事は、流青は仲間内には思い切り自慢していたが、大っぴらには話していなかった。
だが、世間一般にまで流青の人気が出てしまい、
学院生徒だけでは無く、他校の女子生徒や年上年下関係者無くファンが増え、今まで以上に流青は追いかけられる事になってしまった。
流青が追いかけられると、必然的に彼女(兼婚約者)の美久子は狙われる。
それを危惧した『美久子さんを護る隊』は、
美久子の警備体制を更に強化した。




