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05

「ふわぁ~」


思わず欠伸が出てしまう。

日差しが丁度いいん感じで眠たくなる。


今、俺がいるのはリューネが作った森の中だ。

いや、特に用はない。

ただの散歩よ。


ブラックと出会い三日が経った。

あれから何をしてたかと言うと…何もしてない。

ボケーっと過ごしてた。


リューネの手伝いしようにもリューネが断るし料理なんかブラックが手伝ってるんだぜ?

何でも主人と決めた奴にはちゃんと忠誠を見せるとかなんとか。


で、ビックリしたのがブラックもリューネに劣らず料理が美味しいんだわ。

マジでビックリ。

俺のイメージじゃ生肉を焼いて出してくるもんだと思ってたからさ。


だから、料理の時はリューネとブラック二人で作ってる。

いや~見た目は二人とも美人だから絵になる。

中身はアレだが。


だから、特にすることもない。

寝るのだってソファーでブラックに寝てもらおうとしたが頑固として拒否された。

床で良いって。

最初はやっぱり気を遣ったが気付いた。

そーいや、こいつ人間のカッコしてるがドラゴンだ。

なら、気にするのはやめた。


「は~…眠い」


今は朝から少し経った時間だ。

早起きは体が覚えてるからな。

だから、体を動かすがてら散歩をしてる訳だ。


「は~」


溜息をついたのはステータスの事だ。

昨日、リューネがステータスを見せてと言ってきたので開いて見せたらさ





ーーーーーーーーーーー

猫田 正木

Lv…1

HP…???

MP…???

【スキル】

超成長

フルコピー

召喚【最上】


ブラックと契約

Lv…1


《神スキル》

Lv…1“おすわり”

ーーーーーーーーーーー


とか、なってたわけよ。

何が神スキルだよ。


しかも、困った事にリューネやブラックがこの神スキルの項目を読めなかった。

正確に言えば文字は書いてるのは分かるが読めない。

だから、リューネの興味あり過ぎる目線やブラックの質問から逃げるのに必死だった。

神スキルなんて言えないから特殊スキルと言ってある。


おすわりの効果はステータスには書かれていなかったが触れたら頭の中に機械声みたいなのが流れた。

簡単に言えばリューネが言ってた事を起こせるらしい。


相手の魔力を練れなくし、行動を威圧で制限させ魔力を練っていた場合それを一瞬でゼロにする…らしい。


うん。

なるべく使わないようにしようか。


「あ~考えれば考えるほどネガティヴになる。この調子で外出ても大丈夫か俺…」


ダメだダメだ。

考えるのはやめよう。

今は無になろう。


は~。


結局色々悩みながら散歩してたせいで気分は優れなかった。


「お、帰ったかマサキよ」


散歩から帰ってき家に入ると丁度ブラックと鉢合わせした。


「ただいま…って言うのはなんか変だな。まぁ、良いか。それよりどうしたんだその格好」


いつものメイド服を着ているブラックが普通の服を着てる。

いや、それが普通なんだけどさ。


「リューネが洗濯するから着替えろって事で無理矢理着替えさせられたわい」


「そうか…」


「にしてもリューネの服は中々きついのう。特に胸が」


確かにピチピチとまではいかないが小さい。

しかも、ブラック意外と胸あるんだよ。



「こら!リューネが聞いてたら殺されるぞ!」


「ふん。その時は戦うだけさ。…だが、胸の話はやめておこう。アヤツ胸の話をすると殺気が半端ないからのぅ」


ブラックが苦笑いをして言う。

ブラック、お前がそこまで言うって事は…良し、胸の話はリューネの前では絶対言わない。


「そ、そーいえばさそろそろ出て行く予定だが…ブラックは大丈夫か?」


話を変えよう。


「我はマサキに従うだけと言っておろう」


「そうでした。しかし、何処に行こうか」


「そうじゃのう。この森から一番近い国は…えーっとなんじゃったけな。…あ、そうそう“イースル国”じゃ」


「イースル国?」


「なーに大した事ない。ただの国じゃ。そこまで大きくないしのう」


イースル国か…。

うん。そこで良いか。

大国よりはそういう普通の国だな最初は。


「そっか。そしたら行き場所はイースル国で決定だ」


「という事でイースル国に向けて…そうだな二日後の朝には出てこうと思うんだ」


夕飯を食べながらリューネに説明する。

因みに俺の服も洗濯中。

今着てる服はリューネが一瞬で作った服だ。

なんか、俺の服は目立つらしい。


「そう。二日後ね」


「うん。リューネには色々と助けてもらった。ありがとうね」


そう、色々と。

魔法はまだ教えてもらってないが生活魔法は教えてもらった。特に洗浄魔法を。

流石にお風呂は無かったし水浴びは出来ないし体がムズムズしたよ。


「ふふ。私も楽しかったわ」


「まあ、アレだ。また、こっちに来ることなったら遊びに来るよ」


もう、幻術魔法はこりごりだがな。


「ふふ」


ん?なんか悪寒がしたが気のせいか?

とりあえず夕飯を食べて俺はソファーでボーッとしてたらいつの間にか寝てしまった。


ーーーーーー

ーーーー

ーー


「ブラック…マサキは寝た?」


「イビキかいてるわい」


「そっか。ふふ。楽しみだわ」


「全く…おぬしは」


「あ、マサキには言わないでね。ビックリさせたいから」


「もし、マサキが断ったらどうするんじゃい」


「大丈夫よきっと。マサキは断らないと思うわ」


「やれやれ…」


ーーーー

ーーー

ーー


「おはようマサキ」


「おはようリューネ」


リューネに告げてから二日目の朝が来た。

そう、今日は俺とブラックが出て行く日だ。


「朝食食べてく?」


「ゴチになります」


リューネが朝食を用意してくれる。

荷物とかはもう準備している。

なんか、この世界にはアイテム袋みたいな便利な袋がある。

荷物を全部そこに入れるだけ。


まあ、リューネ曰くアイテム袋は誰でも持っているが容量とかは魔力や袋のレア度で変わってくるらしい。

俺はリューネから一般的なアイテム袋を貰い荷物を全部入れた。


「しかし、今日で暫くはリューネのご飯は食べれないとなると寂しくなるな」


この美味い料理は暫くはお預けか。

ブラックも料理は上手だがリューネには敵わない。


朝食を食べ終え荷物の確認をする。

食べ物は現地調達だ。

…よし、忘れ物は無い。


俺とブラックは外に出る。

因みにブラックの荷物はあまり無い。

なので、俺のアイテム袋に入っている。


「リューネ色々ありがとう。また、近くに来たら近寄るよ」


リューネに挨拶をしクルッと振り向いたらリューネがいた。

いや、なんか鼻から上だけの仮面を被ってるリューネがいた。


「私は名もない旅人。一緒に旅をさせて貰ってもよろしいですか?」


この子はバカなのかな?


「なにやってんのリューネ…」


「わ、私はリューネじゃありません。名もない旅人です」


「……」


さて、このおバカさんどうしたものか。

仮面以外声も顔もリューネなんだよ。

どうやったら他人って思えてるのか不思議なんだけど。


「リューネよ、マサキが呆れておるぞ」


ブラックがやれやれ的な感じで言う。


「…あれ~絶対うまくいくと思ったのにな」


仮面を外し腕を組み不思議そうに考える。

いや、むしろうまくいくという根拠は何処からくるんだよ。


「で、リューネ。何してんの?」


「マサキ、私もさ旅に一緒に出たいんだけどさ…」


「それであの仮面被って一緒に旅をしようと思ったわけ?」


「うん!」


理由はどうあれ仮面被って他人のフリは絶対失敗するだろうが!


「…別に俺は良いんだけどリューネはもう世界を見回ってるんじゃないの?」


「確かになそうなんだけどさ。私は静かに暮らすのも好きなんだ。でも、それ以上に面白い事にはめがないの」


「つまり、俺と一緒に旅に出れば面白い事が起きると?」


「そういう事!」


清々しい笑顔でハッキリ答えやがった。


「少しは否定してくれ!!ったく、まあリューネが付いてきてくれれば俺も知識がないぶんとても助かるしな…家はどうす」


家の方を見たら家が無かった。


「あれ?え?ん?俺の目おかしくなったかな?さっきまで家あったよね?」


「あ、家なら私のアイテム袋に入ってるわよ」


ふぇ~!?


「どうしたの、そんなに目を点にして」


「いや…もう驚くのはやめよう。心臓に悪い」


落ち着こう。

リューネやブラックは普通の常識から外れた存在だと思おう。

どうやったらアイテム袋に家が入るんだよ!?ってツッコミたいがおそらく無駄だろう。どうせ、入るからよ的な答えが返ってくるに決まってる。


「マサキ。本当に一緒に行って良いの?」


「何を今更。どうせ断っても後をつけてくるつもりなんだろ?」


「ふふ」


その笑いは肯定したって事か。


「は~…ブラックは大丈夫か?」


「我は問題無い」


「そうですかい。良し、旅立ちの朝にこう気落ちしても仕方ない。リューネ!」


「はい」


「これからも宜しくな!」


手を伸ばす。


「此方こそ宜しくお願い致します」


リューネも手を伸ばし握手する。

ま、魔法も教えて欲しいしな。


「あ、マサキ。パーティ組まない?」


「パーティ?」


「うん。人間達は旅に出るときパーティを組むらしいの。パーティを組めば色々良いみたいよ」


「へ~。例えば?」


「離れていてもパーティを組んでいたらどういう状況にあるか分かるわ。ピンチだったらパーティの名前の所が消えかかるわ」


ああ、あれか。

HPが少なくなると赤くなるみたいな感じね。


「後は経験値も分散されるの」


「分散…つまり自分じゃ倒せない強敵が現れたら仲間に倒してもらい経験値を貰うと」


「そういうことよ」


それは助かる。

なにせ、ここにバケモノ二人いるからね。


「うん。そういう事ならパーティ組もう!あ、でも組むって言ってもどうやって?」


そう言ったとき頭の中に機械音が聞こえた。


《リューネからパーティ申請が来ました。受諾しますか?》


「うお!?なんか聞こえてきた!」


「パーティ組むのは簡単なんだよ。パーティ組みたい相手に組みたいって思えば相手に受けるか受けないかの話がくるから、後は受諾すればパーティ完成よ」


「ほ、ほー。えーっと…」


とりあえず受諾する。で良いのかな?


《リューネとのパーティを組みました》


あ、大丈夫みたい。


「あ、なんかパーティ結成できたみたい」


「ふふ。あ、そうだ。リーダーはマサキだからね」


「は?リーダー?というかリーダーって必要なん?」


急にリーダーって言われてもな。


「必要よ。パーティを組む限り代表者は必要なのよ。色々とね」


「それなら、リューネやブラックの方がレベルも高いし知識もあるし二人のどっちかの方がいいんじゃないの?」


「私はパスよ。めんどくさいもの」


「我もパスだ」


「めんどくさいって…はぁ。分かったよ。リーダーになるけど俺もめんどくさい事は避けたいからな」


「ふふ。マサキがリーダーになれば色々と楽しみが増えるわね」


こいつ…。


というか、リューネとはパーティ組んだがブラックはどうなるんだ?


「なあ、ブラックともパーティ組まないといけないのか?」


「ブラックは大丈夫よ。マサキの僕召喚だからマサキのスキルの一つとしてカウントされるから」


なるほど。

なら、心配ないか。


「そか。…うん。良し」


出発前に色々あったが…


「イースル国に向けて出発しますか!」


「ふふ。楽しみね」


「やっと出発か」


二人はいつでもいける様だな。

良し、行こう。


俺たちはイースル国に向けて森の中を歩く。

この世界に来てから数日しか経ってないが…来た時に比べたら落ち着いた。


「あ…」


森の中を歩いていると、目の前には森の出口が見えた。

散歩はしてるが出口までは来たことがない。

というか、行く勇気が無かった。

なにせ、俺は弱いから。

準備も何も出来てない俺はいつも途中で諦めて来た道を戻っていたのだ。


だが、今は違う。

外に出る決意。

リューネやブラックがいる。


「…おお」


森の出口を抜け目の前の草原にちょっと感動する。

ファンタジーっぽい。


「うん。ここから俺の旅は始まる!」


「何言ってるのマサキ?」


「いや、何もないです。ただ言ってみたかっただけです」


リューネがどうした?みたいな顔で見てくる。

大丈夫。俺はいたって普通だよ。

だから、ちょっと今は…その恥ずかしいからあまり見ないで!

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