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それは何のために造られたのか。
それは誰が造ったのか。
それは誰に対しての“兵器”なのか。
全く分からない存在。だが、分かることはある。
出会ったら最後。
ーーーP.O
私はこのページを鮮明に覚えている。
魔物の生態を調べてる時に一冊だけボロボロの一冊を見つけた。書いてある内容も一ページだけで他は何も書いていない。イラストも無い。しかも名前が誰か分からない。
ただこの一冊は禁書の中にあった。
禁書とは世の中に存在していて人類に対して絶滅させる可能性がある生物や兵器が書かれている本の事だ。大抵は事細かく書かれていてイラストや性能など書かれている。
だからこそ覚えていたのだ。一ページのみの禁書。
だから、興味を持ったのだ。色々調べた結果何冊かはあったが名前と少しの性能しか分からなかった。その禁書に共通に書いていたのはやはり出会ったら最後と。書いた人間は生きて書いたのか。それともその場で書いて……。
ネニュファール。
禁書に書いてあった名前だ。それが。
「この先にいるのですね」
明らかに私達を誘っている。
「周期的には覚醒するには早すぎるんだよね。どう考えても異常だね」
マークス殿が言った言葉。この言葉は正しい。
強い故やはり欠点はある。起きているだけで相当な力を使う。これも禁書に書いてあったことだ。
詳しいことは分からないが実際にいる時といない時とあるらしい。
「覚醒する条件」
リューネ殿がボソッと呟いた。
「定期的に覚醒するのは条件とかが無いと思うわ。それこそ命令されてるからって思えば違和感は無い。だけど、今の覚醒はその命令とは違う。いえ、恐らく“緊急命令”かしら。その条件。一体……」
「命令か……。冒険者達は今は来ないけど前は良く来てたから私達が来たからって起きるわけは無い。ん~。分からない。私が来た時はこんなに誘われてることは無かった」
マークス殿とリューネ殿の話を纏めると……。
「やはり、我が主人か」
ブラック殿がそう言い放った。
「考えるとしたらそうね。私達と逸れた時点で何かしら起きてる可能性は大いにあるわ」
「だとしたら、仕方ないですね」
「確かに仕方ないわね。マサキだからって思ったら納得してしまうわ」
皆んなそう笑いながら話す。
そうして皆んな扉に向かって歩き出す。
「先陣は我に任せろ」
ブラック殿が肩を動かしながら扉を開ける。
扉を開けた先は開けた広い部屋だった。
ただただ広く何も無い。
全部石か何かで出来ていて恐らくだが魔法の攻撃をある程度跳ね返す仕様になっているのだろう。
その部屋の中央にソイツは立っていた。
「アイツがネニュファールか?」
ブラック殿が目を細くしこちらを見ずに話しかけてくる。
「だと思うんだけど……あれ?前と姿が変わっている?」
マークス殿が目を開き驚く。
ソイツは顔を下に向けている。
見た目は人間と変わらぬ姿をしている。ただ、所々異様な模様の魔法陣らしきものが刻み込まれている。
「姿が変わっている?」
「前は人間の姿じゃなく“魔物”だった。見たこともない魔物だった」
「……今更姿形で驚く必要は無いわね。ネニュファールに関しては情報が少ないから何かしらがあって変わったのでしょう」
リューネ殿がそう言う。
「ふむ。とりあえず……」
ブラック殿が話の途中で消える。
バキッッッ!!
ブラック殿はネニュファールに右足を振り抜いていた。だが、それをネニュファールは左手で簡単に防いでいた。
ブラック殿はそのまま素早く回転し真上から左足を振り下ろした。だが、左足はそのままネニュファールに当たらず地面に当たる。当たった場所は大きな音を立てて亀裂が入った。
ネニュファールはそこから消え我らの前に現れた。
「テキヲハッケン。ハイジョカイシ」
「剣乱舞!」
「ウィンドカッター!!」
「暗黒一線!」
私にスレイル殿にリーティ殿が目の前に現れたネニュファールに間髪入れず攻撃をするがネニュファールは避けようともせず全て受けた。無傷だ。
「チッ!やはり効かないか!」
マークス殿がタイミングをずらして正確に首に剣を振る。
ガキンッ。
剣が硬いものに当たった時の音が響いた。
マークス殿の剣が弾けとばされた。
「フン!」
ブラック殿が戻ってきて頭を殴る。
ネニュファールはそのまま地面にめり込む。その間に私達は離れる。
「分かっていた。分かっていたけど私達じゃあ話にならないね」
マークス殿が苦虫を噛み潰したように言う。
現に戦えるのは恐らく三人だ。
ブラック殿にリューネ殿。
そして
「倒す」
タマ殿だけだ。
タマ殿はネニュファールに一瞬で近付き倒れているネニュファールに踵を振り下ろす。
だが、振り下ろした瞬間タマ殿が飛んだ。
早すぎて薄っすらしか見えなかったがネニュファールが踵を掴み放り投げたように見えた。
ムクッと起き上がりネニュファールは何事もなく辺りを見渡す。
顔が見えた。普通の男性……と言いたいところだが顔中に刻まれた魔法陣。目を開けないように糸で縫っている。魔法陣を崩さないために縫ってるように見える。
「……警告レベルを上げる」
急に流暢に話したかと思うと急激に“魔力を吸われた”
「チッ……バケモノめ」
タマ殿にブラック殿、リューネ殿以外全員倒れる。
リューネ殿は真っ先に感知して私達を守るように防御魔法をかけて守ってくれた。
だから、“倒れただけで済んだ”
ただ、リューネ殿はそれだけの魔力を使ったせいで戦える状態ではない。今も守ってくれてる。
「厄介だわね。ずっと魔力を吸われるってのは。しかも吸い込み量がヤバイわね」
「奴は我とタマとで倒す。お前は守っていろ」
今ヤバイ状況なのはリューネ殿や私では無く魔力か少ないエミリア様や
「グッ……」
「……つらいです〜」
エルフのスレイル殿にリーティ殿だ。
「弱音を言わないの。貴女たちに誰よりも魔力を込めて守ってるんだから」
リューネ殿がそう言うと魔力を更に込めてスレイル殿達を守った。この状況で更に魔力を込めて魔力遮断をするリューネ殿。守りに徹しているとは言え流石です。
エルフとは精霊寄りなのだ。魔力が大半を占めている。だから人間より魔法に長けていて強い。だけど今の場合魔力を吸われると言うことは人間より死ぬ可能性が高い。
エミリア様は辛そうだが死に至る感じでは無い。助けたいのは山々だが私も顔だけ動かすのが精一杯だ。
「ほう。この状況で二人も動けるとは……。私を起こしたのはお前らか」
男が関心するようにブラック殿とタマ殿に話しかけてくる。
ここからは文字数少なくなりまーす




