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ふと目を覚ます。


見慣れたテントの中では無く雲一面広がっている。


上半身を起こし辺りを見わたす。


「……またか」


起き上がり頭をかく。


この場所は二回来たことある。


「っと危ない危ない」


振り向きざまに左ストレートを打ち込むが神は両手で防ぐ。


「君の行動はもう分かっているからブファ!?」


左手は防がれたから右手で円を描くように右頬にフックして吹き飛ばす。


「あ、神さんお久しぶりです……って何寝てるんですか?ちゃんと話しあるなら寝てないで立ってなさいよ」


「君はいました事を消去したのかな!?殴ったよね?前にも言ったけどわ・た・しは神だからね?神を殴るのはきみぐらいだからね?」


「はいはい。で、ここに呼んだってことは何かあったんだろ?早めに頼むわ。眠たいから」


「神にその態度……本当に君は面白いね」


俺はふわぁと欠伸して冷たい目で見る。


「私はマゾじゃないからね?全く。まあ、話があるから呼んだのは間違いないさ」


神は パチンと指を鳴らすと白い椅子と机が現れる。


「座ってゆっくり話でもしようか」


神は椅子に座り机にいつのまにか用意していたティーセットを手にしてコップに紅茶を入れてる。


俺は断る理由も無かったので素直に椅子に座る。


「神の入れた紅茶だよ。飲んでみて。美味しいよ」


「……」


黙って紅茶を飲む。


たしかに美味い。


「その顔は美味しいって顔だね。君は分かりやすいね」


神は満足したのか自分も紅茶を飲む。


外見だけはイケメンな神。


絵にはなる。


「で、呼び出すのは団長以来だがまた誰かを仲間にするのか?」


紅茶を飲み終え机に肘つけ早くしろっていう雰囲気を出す。


「いいや。今回呼んだのは仲間関連じゃないよ」


「じゃあ何で呼んだんだよ?」


「まあまあ。その話をする前にマサキは魔力感知覚えたみたいだね」


「白々しい。知ってるくせに」


「はは。その魔力感知は精霊ちゃんが言っていた通り磨いておけばマサキにとって悪い事はおきない。私が言えるのは今はそれだけだよその力については」


「“今は”か。まあ、磨いておくさ。俺にとって不利になることじゃなきゃなんでもやるさ」


「その意気込みだよ。じゃあ話を戻して何で呼んだか話すね」


「やっとか‥‥。手短に頼むぞ」


「マサキ達が行くイリガル領域にあるアンファー遺跡。そこにあるアイテムがあるから必ず手に入れること。必ずね」


「ん?今回は前みたいにイベント発生とかじゃないんだ」


「前のはマサキに仲間を集めて欲しかったから言っただけだからね。人間っていうのは言われれば必ず意識してしまう。だから、ワザとああいう風に忘れないように言ったのさ。まあ、必要な人間の仲間だったから残るように言ったけどさ」


「つまりは前回のイベントは発生することは分かってたけど強制イベントじゃなかったって事か?早く街から出ていってもあまり問題無かったと?」


「問題は有るには有るけど無いって言えば無いかな?ああそんな顔しないでくれマサキよ。実際仲間にして悪い事は無かったろ?」


「‥‥はぁ。まあいい。過ぎ去った事は何も咎めない。だが次やったらデンプーシロール喰らわすからな」


「だから!神を殴らないの!!…‥というか神を殴れる時点でおかしい事だけどね」


「で、そのアイテムって何?」


「分かっていたよ。話を聞かないことくらい。それで今回も答えを先になんで聞くかな?あるアイテムって言ったけどそこは、ほら、冒険しつつも何だろうという探究心をさ……」


「俺にはそういうのは無い!さっさと終わらせたいんだよ」


「全く。頼む人間を間違えたよ」


「うし。今からバクサイテンケツをついてやろうか?」


「暴力反対!いや、本当にやろうとしないで!?」


「チッ……。で、そのアイテムって何?」


「神に……いやもう良いよ。はぁ。あ、はい言うから。遺跡の奥にある短剣を手に入れて欲しい」


「短剣?」


「ああ。その短剣は精霊でもドラゴンでも機械少女でも人間でもエルフでも触れない短剣さ」


「おい待て。人間に触れないなら俺無理じゃねぇか」


「君は人間であって人間じゃない。そしてあの世界では“生まれてない存在”だから触れる。良いかい。必ず手に入れるんだよ?」


「はぁ?意味がわからん」


「良いんだよ。今は分からなくても。君はーーマサキは好きなようにすれば良いんだよ。それが君の使命さ」


神はコップにまた紅茶を入れ飲む。


全く意味が分からない。


だが、これ以上聞いても教えてくれないだろう。こいつはこういうやつだから。


俺は空になったコップを神に差し出しお代わりを無言で頼む。


神はニコニコしながら入れる。


「ああそうだ」


神はコップに紅茶を入れてから何か気付いたのか俺の顔を見る。


「何だよ。これ以上無茶な要求を言うなら……」


「はい、ファイティングポーズ取らないの。要求じゃないさ。あの機械少女ーーいや、魔導機械人3号だったかな?」


「タマな」


「そうそうタマちゃん」


「タマがなんかあったのか?」


「タマちゃん。今は大丈夫だけどある条件の元暴走するからちゃんと止めてあげなよ」


「暴走?条件?」


「そのうちさ。今は全く大丈夫だから心配しなくても良いよ」


「本当に大事な部分は隠してそう言うこと言うよな」


「全部が全部分かっていたら面白くないでしょ?」


「まあな。ただめんどくさい事が起きるなら知っていて回避したいんだよ俺は」


「はは。君は本当に面白い。今までで一番違う結果が起きそうだよ」


「結果?」


「ああ気にしないで」


「腹立つわーその何でも知ってるよって顔。後、顔がイケメンなのも腹立つ。ちょっと顔変えてきたらどうだ?」


「酷いな!?」


「俺は女神が良かったよ。男の神さんと話しててもなんかな?」


「知らないよそんな事。それに女神なんていないよ。いるけど」


「自分が何言ってるか分かってる?矛盾しているの分かってる?」


「いいや。いないけどいるし、いるけどいないんだよ」


「頭を使わせるな!俺は馬鹿だからそんなこと言われてもわかんねーよ!」


「はは。そのうち分かるよ」


神は紅茶を飲む。


「全く喰えない神さまだこと。……あ、そうそう神さんに聞きたいことあるんだわ」


「おや、珍しい。なんだい聞きたいことって。教えれる範囲の事ならいくらでも教えてあげるよ」


「ユカリっていう光る魚を知ってるか?」


「ユカリ……久々に聞いたよその名前」


神が顎に手を乗せ懐かしむ顔をする。


「やっぱり知ってるのか」


「知ってるさ。ユカリだけじゃない。他の……もいる」


「他の何だって?」


「ん?ああそうか。まだ分からないのか。ま、アレだよ。その子達は君の味方になる。とても強い。ただ条件が色々あるから会えるかどうかはマサキ次第かな」


「ちょっと一人で納得しないで説明してくれよ」


「残念だけど今はユカリの名前しか分からないんだよマサキは。他の子達に会わないと名前が聴けないんだ」


「めんどくせぇな!?」


「まあまあ、中々会う機会は無いからね。重要な話だけど今は必要じゃ無い子らだからあまり気にしない事だね」


「よく分からないが今は重要じゃないなら気にしないわ」


「それで良いよ。あ、そろそろかな」


神は椅子から立ち上がる。


「伝えたいことも伝えたし、そろそろマサキがいる世界じゃあ朝になるから戻してあげるよ」


神はパチンと指を鳴らすと俺の座っている椅子の下に扉が現れる。


「あれ?いつもみたいに抵抗しないのかい?」


神は意外そうな顔で見てくる。


「抵抗なんてさせずにいつもすぐ落とさせるくせに何言ってやがる」


「いや、そうなんだけどさ。いつも文句言うじゃないか」


「言うだけ疲れるから言わないだけだよ。ほら、早く落とせ」


椅子の上で頭に手を回し仰け反る。


「本当に君は色んな意味で面白いね」


そう言って指を鳴らす。


扉は光るとガバッと開いた。


俺は落ちる寸前に思い出したことを聞く。


「あ、ダンジョンでさ神さんみたいやつにダンジョン制覇して欲しいって言われたけどあれ神さんか?」


それを言って答えを聞く前に俺は意識を失った。


☆☆☆☆☆


「ダンジョン制覇……」


神はマサキが最後に言った言葉に考え込む。


「アイツがまだいたのか?いや、無理だな。しかしマサキが聞いたのはアイツの言葉だろう。だがどうやって?」


神はブツブツと考えながらその空間から消え去った。

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