表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/46

32

一発で撃沈したモブ達は俺たちの方を見ている。モブ達の周りにはキンピカの甲冑を着て剣を携えている騎士らしき人間が警備している。


リーダー格であるモブがこちらを睨みながら騎士達に何か伝えている。


伝え終わった後意外にもモブ達はこちらに来ず反転して群の中に消えていった。


「あいつらは何でこんなところにいたんだ?」


「確認…では無いでしょうか」


「湖のか?まあ確かに魚がいなくなるのは不可思議な現象だしな」


「恐らくは違うと思いますが、今は目の前の問題をどうにかしましょう」


団長が俺を湖に引っ張って行く。


モブ達が来た理由は分からないが今は団長の言う通り俺のせいで魚達がいなくなった現象を先に片付けよう。片付ける方法は分からないけどね。


群衆を掻き分けながら湖に近づく。


目の前に広がるのは赤い湖だ。


団長は俺を湖に近づけて後ろに下がる。他のメンバーも俺の後ろで待機している。


「あのさ連れてこられた理由は分かるが俺には対策する案なんて無いぞ?いいか、俺は一般人だ。冒険者と言っても駆け出しだ。こういうのは国の頭が良い人間に任せれば良いんだよ」


リューネ達に一所懸命説明するが聞く耳持たないのか無視されている。


「おい!無視は悲しいぞ!おじさん泣いちゃうぞ?」


それでも無視される。


良い加減泣くぞ?おじさんの泣き姿なんて見てられないぞ?


「……ん?」


泣く手前までいって気付いた。


こいつら無視している訳じゃない。


動きが止まっているんだ。リューネ達だけじゃない。周りにいる人間全員まるで時が止まったかのように動いてない。


「お、おい!大丈夫か!?」


リューネやブラックの肩を揺らすが全く反応が無い。これはマズイ。団長達が動けない時はあってもリューネやブラックは基本チートキャラだから安心していたが、リューネ達ですら喰らう魔法なんてあったら俺達は全滅だ。


「誰か…動いている奴は…!?」


探すが誰1人動いてはいない。


焦る中湖から ポチャン という音が聞こえた


慌てて振り向くと赤い湖にあの光る魚がいた。


光る魚は優雅に泳いでいる。


その光景は“異常”だ。


俺は恐る恐る湖に近付きしゃがむ。


光る魚は俺がしゃがみこむと近付いてきた。


「お前、なんなんだ?」


まあ魚に聞いたところで答えてくれるわけない。


そう思っていたのだが……。


《ワタシハ、カミノツカイ》


頭の中に女性とも男性とも捉えられる声が響いた。


辺りを見渡すが誰一人動いてない。


俺はもう一度光る魚を見る。


《イマ、コノセカイデハワタシトアナタシカウゴケナイ》


やはり光る魚から発しられているようだ。


「俺とお前しか動けない世界?それはお前がやったのか?」


神の使いとか言っていたが今はこの状況を知る必要がある。


《ソノトオリダ。アナタトハナシタカッタンダ。ユルシテクレ》


「いや、許す許さないは別に良いんだよ。誰がこの状況を作ったのか知りたかったんだ。お前が作った理由が俺と話したかったからってのはどうしてだ?」


光る魚は一回クルッと回った後空中へと跳ねた。


光る魚は更に光った。


辺りが光に包まれる。眩しさに目を瞑る。


「急になんだ?」


ゆっくり目を開けると……。


「えーっと、君は一体誰だ!?」


目の前に広がる赤い湖にいた光る魚はいなかった。


その代わりに真っ白いワンピースを着た腰まである長い黒髮のリューネくらいの歳くらいの女性がいた。


「この姿では初めてですね。マサキ様」


女性はニコッと屈託の無い笑顔で俺を見る。


おふぅ。


「あ、はい。はじめまして……」


最初にリューネと会った時みたいに内心ドキドキしている。それにしてもこの女性何処かで見たことが……いや、気のせいか。


「本当は沢山、沢山話したいことがあるのですが時間が限られてるので要件だけお話しします」


女性は笑顔なのだが少し寂しそうな面影が見える。


「要件?それは俺だけが動けるこの状況にする必要がある程の要件なのか?」


「はい。私はこの状況でしか話せないのです。しかも私の条件にあった人間じゃないとだめなのです」


なるほどなるほど。


「つまりはその条件が合った人間が俺だけだった訳か。にしてもその条件とは?」


「“神に創られし人”です」


その言葉に思わず目を開く。


「驚きましたか?実は私も驚いてます。私の条件が特殊しすぎて神の使いになってから一度も条件に合う人間が現れませんでした。後は私がいる湖に入ってくる事も条件でしたので……」


淡々と話しているが、今わからない事だらけだ。


話をしようとしたのだが声が出せない。


「もう時間ですか。もっともっと話したかったですが……。仕方ないですね。うん」


いや、一人で納得しているんじゃねぇよ!


「要件は二つあります。一つはマサキ様が使う特殊な力は神の使いが覚醒する絶対条件です。私も覚醒出来たのは“憤怒の力”だったので。最後の一つは前の要件よりはそこまで然程重要ではありません」


女性の姿は徐々に消えていく。


「この湖の魚達は私の配下にしましたので今はこの湖じゃなく私が造った架空の湖にいます」


めちゃくちゃ重要じゃねぇか!!


ツッコミたいのに声が出ない。


「私はこの湖にずっといますので魚を呼び出したければ私を呼んでください。あ、私の名前はユカリです。呼ぶと……」


消えていった。




「最後までちゃんと言えやぁぁあああ!!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ