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「優勝者であるこの子が取ってきた魚は湖の主である【ギガントシャーク】だ。他の参加者より頭一つ抜きでて文句無しの優勝だ!」


優勝者ーータマが捕まえてきたのはどう見ても鮫である。


「何で鮫がいるんだよ!?」


広場には巨大な生簀に長さ20mはあろうかと思われる黒い鮫が入っていた。


目が6つあり、地球の鮫とはだいぶ違う。


「さあ、優勝者から一言言ってもらおう」


ダーランは普通に声でかいがタマは声小さいからなんか小さい機械を渡された。


「マスター。優勝したー」


渡されたのは所謂拡張器なんだろう。


タマの声が会場に響いた。


「マスター?誰だそいつ」


会場がタマのマスター発言でざわついてる。


俺はすっと気配を殺した。


この状況で俺だとバレたら厄介ごとしかこねぇ。


それに、リューネ達にバレでもしたら…


「何してんのマサキ」


「ゲッ」


「人の顔見てそういう態度はどうなのよ」


タマ以外の他のメンバーが全員いた。


「よ、よお!タマ優勝したな!」


「露骨しすぎるわよ」


「お、お前らはどうだったんだ?」


「私は捕まえてきたけどタマに後一歩及ばずだわ」


「私達も捕まえてきたのですが…普通に参加者達に負けたりしましたね」


リューネはどうやら巨大魚を捕まえてがタマに負けたんだな。団長達は成果は今ひとつだったのか。


「ブラックは?」


「中々美味かったぞ」


「うん。なんかそんな気がした」


ブラックは捕まえずに食べてたな。


「マサキはどうなのよ?」


「俺?俺は…」


ここで、後ろに隠した光る魚を出したところで鼻で笑われそう。


「まさか、捕まえれたないとか…」


リューネが嫌味ったらしく言う。


「捕まえたわい!…こいつだけど」


リューネの言葉に乗せられ光る魚を出した。


魚はちゃんと生きている。リューネがかけた魔法は便利なもんで俺が水の中で息できるみたいに、魚も自分自身の一部って考えて持っていけば地上でも魚は息が出来る…ってリューネが言ってた。


原理は知らんが実際光る魚は生きている。


しかし、光る魚を出したにもかかわらず誰1人反応しない。


「あんだけ張り切って…ププ」


いや、エミリアだけ予想通りバカにしてきた。


「魚が光っているのは初めて見ますね」


団長は興味深く魚を観察する。


「魔物には光るやついるのか?」


「います。光ることにより警戒させたり近づいてきた敵を殺すために使ったりしますね。ただ、ずっと光り続ける魔物はいません」


なるほどなるほど。


生きるための体の作りになっているのね。


「マサキ、巨大魚は?あれ?巨大魚が見当たらない」


エミリアは馬鹿にしたように辺りを見渡す。


「……」


「痛い痛い!」


片手でエミリアの頭を掴む。


ミシミシっていう音が聞こえたのは気のせいだ。


団長に宥められエミリアから手を離す。


全くエミリアはMなのかな?


いや、今普通に俺の脛に何回も蹴りを入れてるからMじゃねぇな。


「つか、リューネとブラックは何故黙ってる?」


エミリアの脛攻撃を止めさせ今まで一言も話さない2人に疑問を持つ。


「おい、リューネ。この魚…」


ブラックがリューネに問う。


「多分、間違いないわ」


リューネが真剣に魚を見ていう。


どうした?って聞こうとしたら


「マスター。はい」


いつの間にか帰ってきたタマが覇水の指輪と賞金を差し出してくる。


「ん?良いのか?」


「私の物はマスターの物ですから」


「そっか…」


タマの頭を撫で2つとも貰う。


うん。この魚もういらないな。


俺は湖に向かい、しゃがみ魚を湖に戻す。


魚は湖に入るのだが逃げない。


ずっと同じ場所でこちらを向いている。


「変な魚だな」


俺は立ち上がりリューネ達の方へ歩く。


タマから貰った指輪は綺麗な青の宝石が付いており模様が入っている。


「良し早速売ってこよう」


「躊躇無いですね!?」


団長が呆れ半分で俺を見る。


「当初の目的は指輪を手に入れ売る事だぞ?こんな指輪なくてもリューネの魔法で充分だろ?」


「そうですが…」


「タマ、指輪売るぞ?」


「良いよー」


「な?」


「な?じゃないですよ!!全く。あ、マサキ殿待ってください!」


俺は指輪を売るためにさっさと会場を後にしたかった。売りたい気持ちがあるのもそうなんだが、参加者達の視線も半端なかったから逃げたかった。


しかし…


「おいおい、待ってくれよ」


目の前に現れたのは湖に入る前に会ったモブ達だ。


「お前がマスターだってビックリだが、弱そうだな?」


モブ…えっと忘れた。


「やあやあ美人さん。こんなやつより俺たちとすごさないかい?」


もう1人のモブが団長達に向かって言う。


「マサキ殿。お知り合いですか?」


団長が目を細めモブ達に軽蔑な目線を送りながら俺に聞く。


そーいや団長はこういう軽い男は嫌いだったな。


「全く知らん」


「兄ちゃん兄ちゃん。それは酷いぜ!あんなに仲良かったじゃないか」


モブの1人がオーバリアクションで嘆く。


外野がザワザワと騒ぎ出す。


めんどくさいな。


「マサキ、このよく分からない人間かどうか怪しい生物を早く始末しちゃいなよ」


「流石に始末はまずいだろ」


エミリアがさっさとヤレよ的な目で見てくる。


一応こいつ王女なのに口悪い。


だから


「おいおいお嬢ちゃんや。舐めた口してたら怪我するぜ?」


モブ達が額に青筋を作り怒った。


モブ達がエミリアに手を出そうとしたので


「えい」


モブ達の顎にスナップを効かせた弱い打撃を食らわした。


モブ達はその場で倒れる。


「よし、今のうちにずらかるぞ!」


ダッシュで逃げた。


「やはりあこで騒ぎを起こすのはまずかったよな…



食堂のカウンター席で顎を机に乗せため息をつく。


大会場からそそくさと逃げ宿に帰ってきた。


マークスは大会場に来てたらしく逃げてる最中に道の途中で会って一緒に帰ってきた。


「いやいや、あの場でちゃっかり実力を見せて逃げてきたのは正解だと思うよ」


カウンターの向かいにはマークスが皿を洗ってる。


リューネ達はまだ食堂には来てない。まだ部屋にいるんじゃないかな。


「実力っつても軽く動けなくしただけだからな…」


「私は見てないが複数の人間に対して一撃で動けなくするには相当な力が必要だよ」


「う~ん。よく分からん!」


「ははは。それより覇水の指輪は本当に売っちまうのかい?」


「ああ、いらないからな~」


「その指輪があれば色々なダンジョンのハードル下がるんだけどね。冒険者からしたら喉から欲しいもんだよ」


「そういうダンジョンとか行きたくないんだよ俺は。自由気ままに生きたいんだよ。その為には金が必要だからこの指輪はその自由ライフの礎になってもらうさ」


「本当、お客さんは変わってるなー!」


そう言って飯の準備を始めた。


「あ、マサキいた」


リューネ達が食堂に来た。


流石に水着ではなく動きやすい服装になっている。


複数座れるテーブルにリューネ達は座る。


「いやぁ、水の中をああいう風に移動出来たのは良い刺激でした!」


団長が興奮しながら話す。


湖の出来事をみんなで話しってる。


「お客さんは混ざらなくて良いのかい?」


マークスはニヤニヤしながら俺に言ってくる。


「混ざりたくねぇよ。あの女子会には。話してることがもう冒険者のオッサン達と同じなんだよ。もっとこう、華のある女子会なら混ざりたいよ」


「まあ確かに話は冒険者達と同じなのはそうなんだけどさ…。あんな美人さん達に文句言ってたら男達から罵声が来ますよ」


「それはそれで厄介だわ」


ははは。とマークスは笑う。


とりあえず、席を立ちリューネ達に混じる。


今日はゆっくりと飯を食べながらリューネ達の湖の出来事を右から左に聞き流し覇水の指輪の事を考えて終わった。


「はぁー??何で買ってくれないんだよ!!!」


机を思いっきり叩く。


机はバキッという音ともに崩れ落ちた。


カウンターの受付の女性は顔を引きつっている。


宿に戻ってから次の日。


マークスから売るならギルドにしておいた方が良いと言われた。


こういう街では一番金を持っているのはギルドらしく、商人もいるが流石に覇水の指輪を買えるほどのお金はないらしい。


帝都なら別だが。


とにかく俺とリューネはギルドに向かった。


全員で行く必要もないので他のみんなは自由行動だ。


で、ギルドに着いたのは良いが聞いたところ買ってくれないという判断をされた。


「も、申し訳ございません。上の方から覇水の指輪は買うなと通達が来まして…」


「よし、ギルドマスターを呼べ。買えない理由を聞こうじゃないか」


買ってもらう為に来たのが無駄足になるのが嫌だったのと、受付の女性が即決で無理だと言ったのが気になって仕方がない。


マークス曰く、覇水の指輪は売るのも確かに冒険者からしたら変だと言われたが、覇水の指輪を売ってくれる人物がいたらギルドが真っ先に買いに来るらしい。


ダンジョンとかで大活躍するみたいだから。


「ギルドマスターは現在いません」


「何でいないの?」


「それは此方からは言えません」


あれか、極秘任務的なやつかな?


しかしそうなると困ったな。


「う~ん。ギルドマスターが帰って来るのはいつになる?」


「早くても1週間はかかります」


それは時間がかかりすぎだ。


どうしようか。


そう思った時


「マサキ、ここは帰りましょう」


リューネが帰りを催促する。


「こんなギルドさっさと壊して次のギルド行きましょうか。“嘘つきギルド”に用はないわ」


と、リューネが辺り一帯を一瞬で凍らす。


器用なことに壁や床だけが凍っており冒険者達にはかかってない。


…いや、何人か足が凍っているのもいる。


「って、リューネどうしたいきなり!?」


「だから“嘘つきギルド”を壊そうかと思うのよ。ダメ?」


「聴く前から凍らせてるじゃねぇか!!…というか嘘つきギルドって何だ?」


「嘘つきギルドは嘘つきギルドよ。ギルドマスターがいない?1週間?面白いわね。上にいるのに」


なん…だと?

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